首都圏放送センター

2009年1月2日 20時26分更新

厚生労働省の講堂を緊急開放


仕事や住まいを失った非正規雇用の労働者を支援する東京・日比谷公園の「年越し派遣村」に300人を超える人が集まり、テントが不足していることから、厚生労働省は、2日夜から5日まで省内の講堂を緊急に開放し、宿泊場所にすることを決めました。

「年越し派遣村」は、仕事や住む場所を失った非正規雇用の労働者に▼炊き出しの食事や▼宿泊用のテントや毛布を提供するため、労働組合や弁護士でつくる実行委員会が、先月31日から東京・日比谷公園で始めました。
支援を求めて集まってきた人は当初の想定の150人を大幅に上回り、支援の物資が不足しました。このため実行委員会は2日、厚生労働省を訪れ、大村副大臣に文書を渡して公共施設などを一時的に開放するよう要請しました。
実行委員会によりますと、派遣村を訪れた人は2日午後6時までに304人に上り、このうち274人は宿泊場所がなく、用意したおよそ50のテントでは全員が泊まれないということです。
また、炊き出しについても、食材は今のところ全国から寄せられた米などでまかなっていますが、調理に必要な水やガスコンロが不足しているということです。
要請を受けて厚生労働省が検討した結果、2日夜から5日の朝まで省内の講堂を緊急に開放し、宿泊場所にすることを決めました。
派遣村の人たちは、このあと準備が整い次第、日比谷公園の前にある厚生労働省に移動することになっています。
このほか、東京・中央区も2日夜から元小学校の施設を2か所開放して、利用できるようにしました。実行委員会の関根秀一郎さんは、「これはもはや『雇用災害』とも呼ぶべき状況だ。
政府は災害への対応と同様の危機意識を持って住むところや食べるものの確保に全力を注いでほしい」と話しています。