田原総一朗
(ジャーナリスト)
1934年、滋賀県彦根市生まれ。
早稲田大学文学部卒。岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。テレビ東京時代の連続番組「ドキュメンタリー青春」で、取材対象者に肉薄する独特のインタビュー手法で注目を浴びる。現在は政治・経済・メディア・IT等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸又一賞)を受賞した。2002年より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生や社会人の指導にあたっている。
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高野孟
(ジャーナリスト)
1944年東京生まれ。
早稲田大学卒業後、通信社などを経て、1975年からフリージャーナリストに。『インサイダー』の代表取締役権編集長として多分野での表現活動を続けている。早期に電子メディアの可能性に着目し、インターネット・ジャーナリズムの先駆的開拓者として、現在は独立系メディアの総合サイト『THE JOURNAL』を主宰している。
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Commons:2008.12.31 from田原総一朗の「タハラ・インタラクティブ」
日本の政治のウラも表も知り尽くした2人が、テレビでは語ることのできないギリギリトークを展開。永田町の生々しい権力闘争を大胆に解説する・・・
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田原:チェンジですね。
高野:チェンジだったのか、変な年の「変」なのか。おそらく両方かけてるんでしょうね。
田原:日本は「変」な年かもね。アメリカはチェンジの年だった。
高野:日本の「変」な年の最大の理由が、福田さんが突然辞めて、麻生さんが総理になった。それですぐに選挙をやるのかと思ったら、やらない。となるとこのまま年越しとなるわけですが、いったい麻生内閣は来年どうなるのでしょう?
田原:麻生さん自身もよくわからないんじゃないかな。もともと麻生内閣というのは選挙をやるための内閣だったんで、閣僚も党三役もいいかげんなんですね。
高野:軽量ですね。
田原:軽量というよりも、すぐに解散するつもりだった。解散のつもりが長くやってる。官房長官の河村さんなんて、とても長く務める人ではない。麻生さんも秘書ぐらいにしか思ってないんじゃないかな。もともといいかげんな内閣だった。
高野:それが長くやってるから、余計にボロが出ちゃう。
田原:福田さんがそもそも何で辞めたかというと、理由は一つ。福田さんはジェントルマンだから。ただし、闘志がまったくない。だから、選挙が嫌い。
高野:嫌いなの?(笑)
田原:嫌い。でも、選挙をやらなきゃいけない。そこで、森喜朗さんが福田さんに「選挙やるのか」と言ったら、「私、嫌いです」と答えるから首相を辞めて、選挙が好きな人に代えることにとなった。そこで、麻生さんが選挙が好きだから総理大臣になった。だけど、なってみたら意外に選挙が嫌いだった。
高野:なってみたら、できなくなっちゃった。
田原:僕は、麻生さんはもっと度胸がある人だと思ったけど、度胸ないですね。
高野:あのベランメエ調だから「エイヤ!」でやるかと思ったけど。
田原:本人も解散をやるつもりでいいかげんな内閣を造った。解散をやらなかった理由は、彼が内閣を造ってすぐアメリカの株価が1日で777ドル下がった。その後に自民党内部で世論調査したら、公明党と両方あわせて定数500のうち200程度しか取れないという結果だった。これで選挙したら負けるに決まってるから、景気回復に全エネルギーを集中すると言い出した。
高野:そこからだんだん辻褄が合わなくなってきた。じゃあ、第二次補正予算もサッサとやるのかと思えば、それを持ち出せば野党からつつかれるからやらない。
田原:つつかれるだけじゃなく、第二次補正予算をやろうと思っていたのに、10月の下旬に2回目の世論調査したら、1回目より悪かった。10月ごろまでは第二次補正予算を国会に今年中に出し、衆議院を通す。そして参議院でモメたら解散、というのが常識だった。
高野:そうですね。
田原:ところが、負ける選挙がイヤなので解散をやめたら、もういつやるか目処がつかなくなった。
田原:年が明けて1月いっぱいは持たないと思う。
高野:そうですか。
田原:民主党にグイグイやられてね。
高野:国会は1月5日に始まる予定ですが、開会すればまず第二次補正予算の審議があります。そこで、例の評判の悪い定額給付金が焦点になるますよね。定額給付金は、世論調査で約70%の人がいらないと言ってるわけだから、野党は強気で行きますよね。
田原:野党は定額給付金だけじゃなくて、麻生いじめの材料をいっぱい持ってる。
>>後編を読む!
麻生内閣は1月が限界!?(前編)
12月某日、田原総一朗氏とTHE JOURNAL主幹・高野孟による年末政局対談が行われた。日本の政治のウラも表も知り尽くした2人が、テレビでは語ることのできないギリギリトークを展開。永田町の生々しい権力闘争を大胆に解説する・・・
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┃福田さんは選挙が嫌いだから首相を辞めた
高野:今年を象徴する漢字は「変」でした。田原:チェンジですね。
高野:チェンジだったのか、変な年の「変」なのか。おそらく両方かけてるんでしょうね。
田原:日本は「変」な年かもね。アメリカはチェンジの年だった。
高野:日本の「変」な年の最大の理由が、福田さんが突然辞めて、麻生さんが総理になった。それですぐに選挙をやるのかと思ったら、やらない。となるとこのまま年越しとなるわけですが、いったい麻生内閣は来年どうなるのでしょう?
田原:麻生さん自身もよくわからないんじゃないかな。もともと麻生内閣というのは選挙をやるための内閣だったんで、閣僚も党三役もいいかげんなんですね。
高野:軽量ですね。
田原:軽量というよりも、すぐに解散するつもりだった。解散のつもりが長くやってる。官房長官の河村さんなんて、とても長く務める人ではない。麻生さんも秘書ぐらいにしか思ってないんじゃないかな。もともといいかげんな内閣だった。
高野:それが長くやってるから、余計にボロが出ちゃう。
田原:福田さんがそもそも何で辞めたかというと、理由は一つ。福田さんはジェントルマンだから。ただし、闘志がまったくない。だから、選挙が嫌い。
高野:嫌いなの?(笑)
田原:嫌い。でも、選挙をやらなきゃいけない。そこで、森喜朗さんが福田さんに「選挙やるのか」と言ったら、「私、嫌いです」と答えるから首相を辞めて、選挙が好きな人に代えることにとなった。そこで、麻生さんが選挙が好きだから総理大臣になった。だけど、なってみたら意外に選挙が嫌いだった。
高野:なってみたら、できなくなっちゃった。
田原:僕は、麻生さんはもっと度胸がある人だと思ったけど、度胸ないですね。
高野:あのベランメエ調だから「エイヤ!」でやるかと思ったけど。
田原:本人も解散をやるつもりでいいかげんな内閣を造った。解散をやらなかった理由は、彼が内閣を造ってすぐアメリカの株価が1日で777ドル下がった。その後に自民党内部で世論調査したら、公明党と両方あわせて定数500のうち200程度しか取れないという結果だった。これで選挙したら負けるに決まってるから、景気回復に全エネルギーを集中すると言い出した。
高野:そこからだんだん辻褄が合わなくなってきた。じゃあ、第二次補正予算もサッサとやるのかと思えば、それを持ち出せば野党からつつかれるからやらない。
田原:つつかれるだけじゃなく、第二次補正予算をやろうと思っていたのに、10月の下旬に2回目の世論調査したら、1回目より悪かった。10月ごろまでは第二次補正予算を国会に今年中に出し、衆議院を通す。そして参議院でモメたら解散、というのが常識だった。
高野:そうですね。
田原:ところが、負ける選挙がイヤなので解散をやめたら、もういつやるか目処がつかなくなった。
┃麻生内閣は1月が限界!
高野:これで年が明けて3回目の調査をやったら、もっと悪くなってるかもしれない。田原:年が明けて1月いっぱいは持たないと思う。
高野:そうですか。
田原:民主党にグイグイやられてね。
高野:国会は1月5日に始まる予定ですが、開会すればまず第二次補正予算の審議があります。そこで、例の評判の悪い定額給付金が焦点になるますよね。定額給付金は、世論調査で約70%の人がいらないと言ってるわけだから、野党は強気で行きますよね。
田原:野党は定額給付金だけじゃなくて、麻生いじめの材料をいっぱい持ってる。
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今の「ニッポン」を見つめる最新ニュース (1月1日 19時21分更新)
2009年1月1日(木)
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2008年12月30日(火)
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2008年12月28日(日)
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