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大麻取締法は、どのように成立したか

【PJ 2008年11月18日】− 大学での「大麻汚染」が取りざたされているが、そもそも日本では、どのように大麻取締法が成立したのだろうか。日本の大麻規制が始まったのは、1949年に成立した「大麻取締法」によってである。これは、終戦後にGHQが主導した「ポツダム省令」を受けてのことであった。後に、法制局長官となる林修三は、この省令を受けて「なにかのまちがいではないかとすら思った」と述懐している(『時の法令』530号より)。

 それというのも、当時の日本には麻農家が一定数あり、言うまでもなく、いわゆる麻(ヘンプ)と、大麻は同じ属種の植物であるからだ。ただし、喫煙によって酩酊(めいてい)作用をもたらす大麻と、作物としての大麻は品種を異にしており、喫煙用のものは、主に温帯に自生する。

 結果として、麻農家の反発はあったものの、大麻取締法は摘発対象である、温帯地域の大麻がほとんど国内にないまま通過した。つまり、日本の大麻取締法は、「大麻汚染」に対する解決策としてではなく、日米の政治的関係によって成立したのだといえる。

 では、米国では、なぜ大麻が摘発対象とされたのだろうか。世界で始めて大麻が規制されたのは、1937年の「マリファナ課税法」だった。これは大麻製品への課税を目的とした法律だったが、合法的に大麻を流通させるためには、政府の認可が必要とされた。そして、認可は結局、出されなかったのである。その後、1961年に米国主導で「麻薬に関する単一条約」が締結されるまで、米国内での大麻規制は厳しさを増していった。

 こうした大麻規制は、なぜ行われたのだろうか。刑法史を専門とするR. J. ボニーはその原因を二つ挙げる(Bonnie, R. J., 1999, Marijuana Conviction.より)。第一に、禁酒法と同じく、プロテスタントの倫理に反するからということ。そして第二に、主にメキシコ系移民へのバッシングが盛んであった当時、メキシコ系移民の文化であった大麻喫煙がやり玉に挙げられたという点である。

 こうした政治的理由の後に、政府当局によって、精神疾患などの「有害性」がいわば「後付け」で付与されたのであり、大麻規制と禁酒法は、実は年代を異にする双子の法律であったのだといえる。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 山本 奈生【 京都府 】
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