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2009年1月1日

 「われわれ新聞記者は、てるてる坊主である」と、先達の残した言葉がある。明日は晴れてほしいと願う人たちの思いを胸に、社会の「好転」を祈って働けと言う意味である

2009年が明けた。スタートから荒天必至と言われる年もそうあるものではないが、暗い日ばかりが続くわけではない。「晴れろ」と強く望み雨雲を吹き飛ばす固い意志で積極果敢に、この1年を切り開いていきたい

見通しの利く軒先にぶら下がっているのだから、先を読む努力を怠っては次代の子どもたちにも顔向けできない。政治や行政に携わる人たちも同じだ。企業のリーダーもサラリーマンもOLも、それぞれの分野で家族を守り、夢を育てる、てるてる坊主になってほしい

もともと政治の始まりは「治水」にあった。文明は暴れる川を治めた所に誕生した。今も昔も、国家は命と財産を守るためにある。200年に1回という豪雨、100年に1度の経済危機も、政治の基本を再認識させた

選挙の年である。変革は求めるが混乱は望まない。穏やかな回復に向けて「あすは必ず晴れる」。てるてる坊主の元日宣言だ。


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