インタビュー『この人と60分』

ニュースキンジャパン/ゲイリー.K.スミヒロ社長

 ニュースキンジャパンの新社長に、ゲイリー・K・スミヒロ前日本アムウェイ副社長兼最高執行責任者が4月9日付で就任した。世界規模のMLM(マルチレベルマーケティング)企業間の転身について、就任後間もないスミヒロ社長を訪ね話を聞いた。

 −−社長就任の打診はいつ頃受けましたか。
 「8月頃に話を持ちかけられた。会社の信頼性や経営効率を高めたり、売り上げを拡大することなどに興味を持ち、規模の大きな会社へ成長させるためのチャレンジをしてみようと思った。ニュースキンは成長する可能性をたくさん秘めている。なぜなら、すぐに行動に移すことができ、迅速に対応できるという良い点を持っているからだ。それは、速く目的地へ達する、速く物事を達成するスピードボートのような印象だ」
 「米ニュースキンエンタープライズ社のブレイク・M・ローニー会長に会い、同じ価値観を持っていることがわかったことも決め手となった」

 −−同じ価値観とは。 
 「それは5つある。1つは誠実さ。2つ目はいつでも向上心を持ち、たくさんの事を学びたいと思っていること。3つ目はすべての事に最高のものを求める、つまりこだわりを持つということ。4つ目はいつでもより良いものへと変化させていきたいと思うこと。5つ目に社会に常に貢献したいと願っていること。この価値観は、私がビジネスを運営していく上で、常に思っていることでもある」

 
−−競合への転職に抵抗はありませんでしたか。
 「MLM業界というくくりでなく、1億2000万人いる日本の中での異なる企業だと考えているので、抵抗は全くない。日本アムウェイに在籍していた時も同様に、ニュースキンを競合とは思っていなかった。今でもアムウェイには古い友人もいるし、彼らは私がニュースキンへ移ることを喜んでくれ、業界にとっては良い事だと捉えてくれている。アムウェイについて一言申し上げるならば、大変素晴らしいキャリアを積ませてくれた素晴らしい会社だった」

 −−就任してみて、ニュースキンはどのように映りましたか。また、まず何をしましたか。
 「スタッフはもちろん、ディストリビューターも素晴らしく良い人々。ビジネスだけでなく友人としても考えられるくらいに」
 「初日、2日目と課長級のマネージャー全員と9時間に及ぶミーティングを実施した。その場で、彼らがニュースキンについてどう思っているのかヒアリングを行った。その翌日には、世界のトップディストリビューターが集まるイベントで、フィジーへ飛んだ。だからまだ自分のオフィスの荷物もほどいていないし、コンピューターさえ使えていない状態」
 「この業界に18年間も在籍しており、理解している部分も多いが、私にとってニュースキンの製品やビジネスチャンス、報酬制度は新しいもの。今はそれらの製品を手に取って試している。まるでプレゼントをたくさんもらったクリスマスのようにね」

 −−日本市場をどう捉えていますか、また日本市場の位置付けは。
 「日本の消費者は製品、サービスに対して質の高いものを求めている。本社も日本のマーケットを理解し、日本に合わせた経営の仕方を尊重してくれている。グローバルカンパニーの良い点は、他国での経験やマーケティングでの良い部分を導入できることだ。今も日本市場の重要度は高いが、最重要視してもらえるように働きかけている」
 「花王や資生堂なども同じカテゴリーの製品を扱う以上はライバルであるから、より良く変化していかなければならない。日本で生き残るためには、ベストな製品、サービス、経営が必要。また、成功するには信頼性が高くなければならない」

 −−消費者の中には、MLMに抵抗を感じる人もいます。その原因と解決策は。
 「原因は2つある。1つは業界の不透明さ。2つ目は否定的な経験を持った人を生み出したことだ」
 「製品を勧められて購入しないというのは、製品ではなく、勧める人物に対して悪いイメージを抱いているからではないだろうか。否定的な要素を持つディストリビューターの再教育を怠ったり、正しい方向へ導くことができないでいるのは、会社の責任だ。そういう人をコントロールするために重要なのは成功するためのツールであるトレーニングと教育。ただしそれは、継続して行われなければならない」

 −−社内での問題点やスタッフに望むことは。
 (目の前にあるペットボトルの水を指して)「このボトルの水を見てどう思うか聞くと、ほとんどのスタッフが「もう半分しかない」と言うが、私にとっての正しい答えは「まだ半分ある」ということだ。スタッフには、何ができないかではなく、何ができるか、にフォーカスして欲しい」
 「大半が今までのやり方に満足しているように見えるが、私は常に変化させていきたいと考えている。責任は私が取るのだから、何もしないよりは何かをして失敗する方がいい」

 −−製品や業績についてどう思われますか。
 「栄養価の高いジュース『g3』は、製品が持っているポテンシャルほど売れていないと思う。通常のサプリメントはピルタイプだが、これはジュースという非常に摂取しやすいタイプで、高齢者にも受け入れられやすいものだ。『ファーマネックス』同様に単年度の浮き沈みではなく、長期的に成長していくことを考えている」

 −−具体的な目標はありますか。
 「私たちは今の私たちを超えなければならない。1000億円以上を売り上げられるポテンシャルは持っている。達成する時期については、まだ就任したばかりだから水晶玉でも見なければわからない。ただし、私がいる限りはそれを目指すし、頭打ちのゴールは作りたくないと思っている」
 「成功の鍵とは、基礎が素晴らしいものであること。しっかりとしたベースがあってこそ、その上で成長していくことができる。ニュースキンには、その基礎がある」

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