日本たばこ産業(JT)とフィリップモリスが今年、日本国内で販売しているたばこの材料・添加物リストを公開した。欧州販売分は以前から公表されていたが、国内販売分は「味作りの重要なノウハウだ」として従来は企業秘密になっていた。食などの分野で原料の由来への関心が急激に高まっており、たばこも、そうした社会の流れに沿った格好だ。
JTによると、今年9月、ホームページに「添加物情報」のコーナー(http://www.jti.co.jp/JTI/ingredient/index.html)を新設し、延べ350種類の物質のリストを開示した。「お客様のニーズがあるものと考え、準備を進めていた」という。
リストによれば、葉タバコに添加されている物質は全部で217種類。香料(フレーバー)としてカラメル、ゼラニウム油、ハチミツなど。保湿剤、香料として果糖、ショ糖、コーンシロップなど。フィルター、巻紙などの材料品に使用されている物質はセルロースなど延べ133種類。
国内2位のフィリップモリスは今年1月、海外販売分の添加物リストに追加する形で、日本販売分のリストを公表。「こういった情報を社会に提供する日本初のたばこ会社であることを誇りに思っている」とコメントした。
国内3位のブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンは現時点では公表していない。「その国ごとに規制が異なり、日本国内ではそこまでは求められていない」としている。
食の世界では近年、原材料、原産地、それらの表示への消費者の関心が高まっている。