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2008年12月26日 第156号 |
ジンバブエの労働組合運動に
国際連帯は不可欠(2008年12月19日)
ITFに加盟するジンバブエ鉄道労組(ZARWU)のギデオン・ショコ書記長は、12月10〜12日にクリティバ(ブラジル)で開催されたITF鉄道総会で、ジンバブエの窮状を訴えた。
「組合が使用者と交渉するのが非常に難しくなっている。10月に一定の成果を勝ち取ることができたが、10月の時点では価値のあったものも、今やパン一枚の価値すらなくなってしまった。ジンバブエは今、大変な状況にある。コレラが蔓延し、店は空っぽだ。預金の引き出しも、1週間に1億ジンバブエ・ドル(108米ドル)に制限されている。肉1キロが8千万(86米ドル)、パンが250万(2.7米ドル)、これらを買いに行くための往復タクシー代が1千万(10.8米ドル)もする。異常なインフレだ。戦時でもこのようなインフレはない。ITFやその加盟組織の支援がなければ、われわれはどうすることもできない」と述べた。
また、12月3日にデモ参加を理由に逮捕された組合活動家(ギデオオン・ショコや、ZARWUのケネス・ネマチェナ南部組織部長を含む)の解放のために、ITFやその加盟組織が起こした行動を賞賛した。
ITF鉄道総会では、合法活動を実施しただけの組合活動家に対する逮捕・抑圧を批難する緊急決議が採択された。また、ジンバブエの再建と民主主義の回復のために闘っている組合活動家を支援するために、ITFやITF加盟組織ができるだけのことをするよう、要請がなされた。
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ブダペスト国際空港のスト(12月19日)
ブダペストのフェリヘジ空港に拠点を置くITF加盟の合同航空労組(JATU)は、空港経営陣の一方的協約破棄を受け、12月10日にストに出た。
経営側は、交渉に着く構えを見せないばかりか、一部の部署の再編や、勤務表の改悪を試みている。既に、従業員の一部が解雇され、労働条件が切り下げられているとの報告もある。通常の勤務地から5〜10キロも離れた、飲料水や簡単な食事も取ることができない混雑したビルの中で働かされているものもいるという。
JATUによると、経営側は未熟練・無資格のスト破りを導入しようとしており、安全性が危惧されているという。
ITFは空港経営陣やハンガリー首相および交通運輸相に抗議文を送り、スト破りの導入が違法であり、安全を脅かすことになると強調した。また、ITF加盟組織に対しては、フェリヘジ空港の労働者に連帯を表明するよう、要請した。
JATUのレカ・スザボは、「経営側は、ストが終わるまで、交渉に着かないと言っている。交渉に着く代わりに、脅迫や操作を通じて、従業員を職場に戻そうとしている。彼らは、従業員が抱いている懸念、不安、屈辱こそが、そもそも、ストを引き起こしたことを分かっていない」と述べた。
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ヘベイ・スピリット号事件
インドの交運労組が抗議デモ(2008年12月18日)
インドの交通運輸労組は、ヘベイ・スピリット号乗組員の実刑判決に対する抗議デモを実施する。
インド船員組合(NUSI)、インド海事組合(MUI)、交運港湾労組(TDWU)、全インド鉄道員連盟(AIRF)、航空産業従業員組合(AIEG)は、ITF、船主団体、海事教育機関と共に、ジャスプリット・チャウラ船長とシャム・チェタン一等航海士への支援策の一環として、抗議デモの実施を決めた。二人は、1年前に発生した原油流出事故をめぐり、下級審で無罪判決が出ていたにもかかわらず、上級審で懲役1年半と8ヶ月の判決をそれぞれ下された。事故は、サムスン重工業所有のクレーン・バージがヘベイ・スピリット号に衝突して発生した。
12月15日に二人の支援策に関する戦略会議が開かれ、23日にムンバイで抗議デモを実施することや、チェンナイやデリーでも同様のデモを実施することが決まった。23日のデモには二人の家族も参加する。インドの交通運輸労組は、韓国製品、特にサムスン製品の購買を見直すよう、船員に要請しているほか、インド政府に二人の解放のために行動を起こすことを要求している。
12月27日、NUSI、MUI、3つの船主・船舶管理団体の代表団がニューデリーで海運相に面会し、インド政府の介入を要求した。
NUSIのアブドゥルガニ・Y・セラン書記長は「抗議デモは、犯人扱いされている二人の解放と正義を求めるものだ。この問題は、もはや一国の問題ではなく、国際問題になっている」と述べた。
MUIのS・S・カン書記長は「これらの取り組みで効果がなければ、さらに行動を強化する。インド向け韓国製品の輸送に影響が出ることになろう」と述べた。
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ジンバブエの組合活動家
釈放される(2008年12月11日)
ITFに加盟するジンバブエ鉄道労組(ZARWU)のギデオン・ショコ書記長、ジンバブエ労働組合会議(ZCTU)書記次長、ZARWUのケネス・ネマチェナ南部組織部長が釈放された。
3人はジンバブエ預金銀行(RBZ)の預金引出し制限策に抗議するデモに参加したところ、逮捕されていた。ケニス・ネマチェナ部長は、治安紊乱の容疑がかけられた後、保釈されたとみられている。
3人と同時に逮捕されたZCTUのウェリントン・チベベ書記長も釈放されたが、その他の組合活動家は依然、拘束されたままだ。
ITFは先週、これらのジンバブエの活動家の逮捕・拘束を批難したが、ジンバブエは現在、深刻なコレラ禍に見舞われており、隣国の交通運輸労働者にも影響が及んでいる。南アフリカ道路輸送貨物交渉協議会(NBCRF)の議長を務める南アフリカ交通運輸合同労組(SATAWU)のアブナー・ラマクゴロは、コレラはジンバブエに入国する交通運輸労働者にとって、大きな脅威となっていると指摘する。NBCRF、SATAWUは他の運転手組合と共に、緊急会議を召集し、コレラ禍がコントロールされるまで、南アフリカとジンバブエを結ぶベイト・ブリッジの通行を中止させるよう、使用者に要請した。
ITFのジョゼフ・カテンデ・アフリカ地域部長は「これらの組合活動家の逮捕自体がそもそも間違っていた。彼らは、ジンバブエで悪化する金融危機に焦点をあてる平和的なデモに参加していただけだ。今、ジンバブエの人々は、コレラに襲われ、隣国の交通運輸労働者にも影響が及んでいる。今こそ、ジンバブエで労働組合権や民主的権利が尊重されなければならない」と述べた。
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交運労協がパシフィック・ビーチ・ホテル争議の解決要請署名を64,785筆集める
日本からの代表団、現地の抗議集会に参加
ハワイ州ホノルル市のワイキキにある「パシフィック・ビーチ・ホテル」において、2007年12月、組合支持者を中心に32名の労働者たちが不当解雇され、解雇撤回と組合承認、公正な労働協約の締結を求めて、労働争議が闘われています。
解雇から1周年を迎える12月1日、日本から国際運輸労連の和田アジア太平洋地域部長、全港湾の伊藤委員長を始めとする5名の代表団が現地を訪ね、ホテル前抗議集会に参加してきました。
交運労協が争議の解決要請署名を呼びかけ、11月末までに、64,785筆の署名を集めました。また、今回の代表団に参加できない連合とサービス連合からビデオメッセージをいただき、DVDを作成しました。今回の代表団はこの署名とDVDを持って、ホノルルを訪ねました。ホテル前での抗議集会へ参加し、ホテルの経営者への申し入れを行いました。経営側は署名の受け取りを拒否しましたが、代表団は強く抗議し、争議の早期解決を求めました。
さらに、ハワイ観光局、ホテル協会、日本の主要な旅行会社の現地事務所、州議会民主党議員団、争議を支援するハワイ州AFL-CIOなどを訪ね、ビデオメッセージを上映し、争議の早期解決へ向けて、協力を要請してきました。
12月2日には、全米港湾労組(ILWU)のホールで、パシフィック・ビーチ・ホテルの労働者集会が開催されました。被解雇者と内部で闘っている労働者たちが多数集まり、相互に激励交流を行い、大いに盛り上がりました。1年を越える闘いにもかかわらず、労働者たちが自信を持ち、非常に元気だったことが印象的でした。
11月4日から14日に、NLRB(全国労働関係局=日本の労働委員会にあたる連邦政府組織)において、組合側の不当労働行為救済申し立てに関する審問が開かれ、被解雇者と内部の労働者が証人に立ちました。1月13日には使用者側の証人尋問が行われ、3月にも決定が出されそうな山場に来ています。
全米港湾労組は、このホテルのボイコットを呼びかけています。要請に応え、引き続き日本からの支援運動を強め、1日も早い争議解決を勝ち取りたいと思います。
組合員のみなさんのご理解とご支援をお願い致します。
(パシフィック・ビーチ・ホテル争議支援代表団)
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