[掲載]2008年12月14日
こんな厳しい師走になることを想像できた人はどれだけいただろうか。とりわけ若年層は寒風にさらされている。金融危機のあおりで企業に内定を取り消される若者が出てきた。企業が非正規社員を減らす「派遣切り」も相次いでいる。正月を前に「寮から追い出さないで」「ホームレスにしないで」と訴える派遣社員たちの声が新聞で報じられる。貧困や格差をキーワードにした「若者論」はまだまだ続きそうだ。
『若者たちに「住まい」を!』は、若年層の住まいの全体像を分析し、住宅政策への緊急提言を行う。これまでの住宅政策は結婚して家族をもつ“標準パターン”の人々を重視していた。しかしこれからはどのようなライフコースを選択するかにかかわらず、若年層の全体に配慮した政策が必要ではないかと指摘する。ネットカフェ難民など“ハウジングプア”が利用しやすい支援策の拡充も求めている。
『怒りのソウル』は作家の雨宮処凛が、日本以上に非正規雇用率が高い韓国を訪れ、若者たちと対話した日々を報告する。「韓国ではフリーターの時給ではビッグマックセットも買えない」「自分を責める意識は日本よりももっと強いのではないか」という声に耳を傾け、雨宮は日韓の若者がさらされている状況が酷似していることを実感し、「なんだか国境を越えて『貧乏人連帯』ができそうだ」と記す。
『論争 若者論』はこれまで「論座」や「中央公論」などに掲載された論文や対談13本を収録。若者の論文もあるが大半は大人によるもので、大人が若者たちをどうみてきたのか、大枠が把握できる。
『どこか〈問題化〉される若者たち』は社会学者らが若年層のホームレス化やフリーター問題といった“若者の問題”10項目について「若者の問題なのか、そうでないのか」を分析する。
出版社:岩波書店 価格:¥ 504
著者:雨宮 処凛
出版社:金曜日 価格:¥ 1,260
著者:文春新書編集部
出版社:文藝春秋 価格:¥ 777
著者:羽渕 一代
出版社:恒星社厚生閣 価格:¥ 2,625