エルサレム(CNN) イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの空爆で、同国政府報道官は31日、人道支援物資を搬送するためフランス政府が提案した48時間停戦を協議したが、拒否し攻撃を続行する方針を決めた。
オルメルト首相、バラク国防相やリブニ外相ら安全保障問題関連の閣僚らが協議した。報道官は、必要なのは事態をさらに悪化しかねない応急的な処置ではなく、本質的な問題の解決方法であると軍事手段による打開を選んだことを明らかにした。
ハマスは、停戦案に否定的な姿勢をみせており、攻撃続行で地上侵攻の可能性が強まった。オルメルト首相は30日、空爆は広範な軍事作戦の始まりに過ぎないとの見方を示していた。
イスラエル軍筋によると、空爆は31日も続行、ハマスの首相府、内務省などが標的となった。空爆は5日連続だが、31日の死傷者数は不明。パレスチナの救急当局者は30日、空爆による死者は同日まで375人以上に達したと述べていた。
イスラエルは、ハマス首相府はイスラエルへの攻撃の計画、支援、資金供与の司令センターになっていると主張している。また、ガザ南部のエジプトとの密輸用トンネルなどにも攻撃を加えた。
一方、イスラエル南部のベエルシェバ市に31日、中距離型ロケット弾が2発着弾した。死傷者はいなかったが、ガザから数十キロ離れた地点へのロケット弾攻撃は技術改良が進捗していることをうかがわせている。イスラエル中部のアシュドッド市にも30日、攻撃があり、女性1人が死亡した。同市でのロケット弾被害は初めてとみられ、武装勢力が新型の使用に踏み切った可能性もある。