2008年12月31日

「2008年アニメ関連重大ニュース」

まずは、2008年のアニメ関連の出来事(一部)をまとめてみました。

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【1月】
・ゲーマーズ、業績不振によりアニメイトと業務・資本提携する事を発表。
・BS11、「ANIME」「ANIME+」枠にてアニメ新番組放送開始。
・「さよなら絶望先生」鹿児島テレビ(KTS)で放送される事が判明、ひょうたん書店がスポンサーに。
・「やっとかめ探偵団」がスポンサー問題などで途中打ち切り。
・「シゴフミ」3話の内容が変更される。
・角川書店とYouTubeの提携が発表され、角川が公式チャンネルを設ける。
・「ヤッターマン」最新作がytv/NTV系月7枠にて放送開始。視聴率はあまり芳しくない結果に。

【2月】
・TBS系全国アニメ枠が土6から日5へと枠移動する事が判明、初放送作品は「コードギアス」の続編。
・「シゴフミ」6話がSUNサンテレビで放送されず。
・BS11ギャラ滞納問題が、アメーバニュースの誤報で有った事が判明。
・総務省、BSデジタルのチャンネル数を増加させる計画を発表。
・「かのこん」AT-Xとネット配信のみで地上波放送皆無という事が判明。
・メディアワークスがアスキーを吸収合併。

【3月】
・声優としても活躍された広川太一郎氏没 享年68歳。
・第2回声優アワード授賞式が秋葉原UDXにて行われる。
・「フイチンさん」原作者の上田トシコ氏没。
・ニコニコ動画がニコニコアニメチャンネルにて新作アニメを配信する事を発表。第1弾は「ペンギン娘」。
・日本ユニセフ協会及び公明党が中心となって児童ポルノ禁止法改正キャンペーン開始、アニメ・ゲームなどの2次元規制も視野に。
・「true tears」地元の富山テレビ(BBT)での放送が決定、地元議員の働き掛けや南砺市公式サイトでの特集なども。
・石川県金沢市にオタク系ショップを集めた商業ビル「BELSEL(ベルセル)」がオープン。元々は普通のファッション系ショップビルだったが、売れ行きの伸び悩みで思い切ったテナント入れ替えへ。
・「RD潜脳調査室」がネット配信を行う事を決定。日テレプラス以外のCS放送でも放送が行われる事も発表。どちらも日本テレビ系新作アニメとしては初。
・「銀魂」3期放送決定も、一部地域では一斉に打ち切り。後に再開した局も。
・NTT系プロバイダのぷららがひかりTVで地上デジタル再送信を開始。但し、地上波放送の再送信は東京都(キー局)及び大阪府(関西局)のみ。

【4月】
・マクロスシリーズ最新作である「マクロスF」、MBS/TBS系10局にて深夜放送開始。
・「BLUE DRAGON」2期では1期を放送した多数の地方局が切られる結果に。
・「らき☆すた」有料ネット配信開始。視聴県ランキングで上位は1位高知県、2位愛媛県、3位富山県の順。
・「コードギアスR2」4月27日放送分の視聴率が1.4%(関東地区)で、土6時代を合わせても最下位ランクだった事が判明。

【5月】
・週刊少年マガジンの元編集長で、アニマックス設立にも関わった内田勝氏没。
・「かのこん」バンダイチャンネルでの配信が7話以降中止に。
・「一騎当千 Great Guardians」「ゼロの使い魔〜三美姫の輪舞〜」、これまで前作を放送してきたKBS京都放送が放送しない事が判明。以降KBSでのアニメは減少傾向へ。

【6月】
・「美少女戦士セーラームーン」のミュージカル版、月野うさぎ役だった神戸みゆき氏没。
・秋葉原にて無差別殺傷事件発生。犯人は派遣先のトヨタ自動車系企業から切られた事を発端に、オタクや秋葉原を逆恨みか。
・生活保護世帯へ地デジチューナーを2009年後以降順次無料配布する事を決定。
・GONZO、37億円超の負債を抱えている事が判明。9月TOBにより何とか倒産は免れる。

【7月】
・アニメスピリッツ枠にて「ストライクウィッチーズ」放送開始。DVDの売れ行きが非常に良く、GONZO起死回生の一発となる可能性が。
・フランチャイズ店舗だったゲーマーズ金沢店、高松店が8月に閉店する事が明らかに。
・「夏目友人帳」テレビ東京系深夜アニメにしては珍しく、系列外のテレビ熊本(TKU)でも放送決定。原作者の居住地である事を考慮か。
・岩手県にて大地震が発生。一部を除き、各地方の深夜アニメが常時L字テロップor放送延期になるなど大混乱。

【8月】
・「天才バカボン」「おそ松くん」「ひみつのアッコちゃん」など数々のヒット作を生み出した赤塚不二夫氏没。
・「俗・さよなら絶望先生」もひょうたん書店枠にて鹿児島テレビ(KTS)で放送される事が判明。東名阪以外では前作同様唯一の放送。
・コミケ74、ワンダーフェスティバルのエスカレータ事故や秋葉原殺傷事件を受けて、手荷物確認や警備員増員など物々しい雰囲気の中開催。

【9月】
・ytv/NTV系月7枠で放送中のアニメ「ヤッターマン」「名探偵コナン」を放送時間を入れ替えた上で一つの枠「アニメ☆7」へ統合する事が判明。視聴率低迷が最大の原因、一つの枠にする事によって各番組の視聴率を隠す意図も?
・NHKBSのBSアニメ夜話、広島収録分のテーマが都合により「涼宮ハルヒの憂鬱」から「劇場版・天元突破グレンラガン 紅蓮篇」に突然変更。
・5年以上続いた「アニメスピリッツ枠」が9月を持って休止する事が判明。後番では福井や長野、京都、熊本など地方局が角川書店によって一気に切られる。

【10月】
・「ロザリオとバンパイア CAPU2」パンツシーンなどでクママークが出現、地上波では前作よりも規制が厳しくなった様子。
・BS11で放送予定だった「かんなぎ」がある事情により放送中止に。最終的にはBSジャパンにて放送決定。BS11は放送予定だった枠で「神様家族」開始。
・「天体戦士サンレッド」ニコニコ動画にて、tvk放送直後から配信開始。地上波放送アニメがニコニコ動画アニメチャンネルでも配信されるのは初。
・「喰霊-零-」が斜め上過ぎる展開のせいか、ネット上で話題に。DVD1巻の売れ行きも上々。

【11月】
・「アキカン!」、「かのこん」と同様に衛星放送とネット配信のみである事が判明。地上波での規制を忌避か。
・新潟県新潟市にて、金沢の「ベルセル」と同様にオタク系ショップをテナントとして集合したビルがオープン。「メロンブックス新潟店」などが新規入店。
・ゲーマーズ浜松店閉店へ。これによってゲーマーズのフランチャイズ店舗が消滅。
・キー局、地方局の中間決算が出揃う。どの局も広告収入低下や視聴者離れが響き苦しい状況へ。

【12月】
・「かんなぎ」REX最新号で当面の間休載が判明。アニメのある話が引き金となった騒動が発端との報道も。
・TOKYO MXの都内全域放送化に対して、周辺独立U局が反発している事が明らかに。
・植田佳奈氏、ラジオでの不適切な発言によりネット上で叩かれる。
・2009年1月にゲーマーズ岡山店を閉鎖する事が判明。直営店舗の閉鎖は数年振り。
・12月31日大晦日NHK-FMにて「アニソン三昧」開催。今年で最後との事。

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何だか明るいニュースが少ないですね。
今年の明るい話題というのは一般のニュースでも少ないのですが、アニメ関連でもそれは同じ様で・・・

地方局でのアニメ減少も顕著化しています。最たる物は「アニメスピリッツ枠」の廃止でしょうか。これ以後、角川書店は東名阪札福の5大都市圏重視へと方針転換していますが、角川書店自体業績が芳しくない状況では仕方が無かったという声も。逆に「ノイタミナ枠」は今年、地方局でも放送を行なうケースが増えました。しかし西日本では活発ですが、東日本では北海道、新潟、関東、東海以外での放送がほぼ皆無に近い状況となってしまっています。この西高東低傾向、来年も続くのかどうか。

それではアンケート結果。
重複していた選択肢は一つにまとめました。

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1位 23票
・【3月〜】児童ポルノ禁止法改正案にアニメ・ゲームなどの2次元規制を盛り込む動き
2位 13票
・【10月】かんなぎ 放送間近で突然の放送中止(BS11)
3位 11票
・【4月】TBS系、土曜6時枠廃止 日曜5時枠へ移行
4位 7票
・【4月〜】マクロス25周年記念作品 関連CD相次ぐヒットを記録
5位 5票
・【12月】植田佳奈 ラジオ番組で暴言を吐く
6位 4票
・【7〜10月】パンツじゃないから恥ずかしくないもん!
7位 3票
・【4月〜】コードギアスR2、無理矢理午後に持って来るも、低視聴率
・【1〜3月】アニメ「true tears」ブレイク この作品で富山の観光客増加
・【10月〜】5年3ヶ月続いたアニメスピリッツ枠、10月より放映休止
10位 2票
・【11月】テレビ東京2009年3月期決算下方修正 33年ぶり赤字転落へ
・【3月】声優・広川太一郎が死去
・【1月〜】「みなみけ」突然の作風変化に憤慨するファンが大量発生
13位 1票
・【1月】ヤッターマン30年ぶりのリメイク
・【4月】本格的な3D制作のレギュラーアニメ番組が多数登場
・【7〜8月、11月】「名探偵コナン」に変則編成の回が多数
・【9月】イタズラなKiss、原作者遺族公認のTVアニメで9年越しの完結
・【10月】1年8カ月ぶりにHUNTER×HUNTER再開
・【12月】ハリウッド版『ドラゴンボール』のPV公開
・【5月〜】ニコ動の削除対応が迅速化
・【1月〜】BS11デジタル、新作アニメ&再放送枠「ANIME+」スタート
・【4月〜】西日本側で「ノイタミナ」放映地域拡大の兆し
・【12月】植田佳奈 ラジオ番組で暴言を吐く
・【8月】声優・川上とも子さんが病気の為 長期療養中。
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1位はダントツで「児ポ法改正」の動きですね。私は今年始めに「規制の年になるかも知れない」という様な事を述べましたが、1月に公明党がPTを立ち上げた辺りから雲行きが怪しく来ています。そして、3月の会見、11月の国際会議でのあの行動。何だか腑に落ちない部分が多すぎるのですが。

そもそも、誰が被害者なのか判らない物をどうやって規制するのか。規制側は、例えば規制する為の根拠と成り得る犯罪統計データなどの列記としたデータが出せないので(若しくは規制側に都合が悪い物なので)、イメージ操作をマスコミなどを通じて行い、世論を規制の方向へ誘導しようとする意図が見え見えの行動を取っているのがバレバレなんですよね。世界も味方に付けて、圧力を掛ける為に国際会議でもエロ本などを持っていて大々的にアピールしたとの事ですし、児童を守るという本質的な部分からは最早懸け離れています。

イメージ操作という手法は宗教団体の常套手段ですが、公明党と規制推進強硬派団体の最大手である日本ユニセフはどちらも宗教団体がバックに付いています。前者は言うに及ばず創価学会、後者はキリスト系カルト団体です。この2者は接点が無さそうで意外な点で結び付けられます。それが「アグネス・チャン」。実は、例のキャンペーンを行なう前にとある週刊誌によって「最近売れないので、資金力が豊富な創価学会=公明党に近づいている」という様な内容の記事が掲載されています。前からどちらも2次元エロのみならずエロ自体を撲滅する方向性ではあったのですが(2004年辺りの行動がまさにそう)、アグネス・チャンの公明党接近によって一気にそれが加速した格好です。日本ユニセフが怪しい団体というのは、郵便局で働いていた2004年頃から私は感づいていましたがね。例の募金を呼びかけるダイレクトメールで。

私は反対署名活動に署名しましたが、失礼かも知れませんが意外だったのが女性層でも反対の輪が広がっている事。この改正案が丸ごと通ってしまったら、BL(やおい)ジャンルも一気に消滅してしまう危機である事に感付いている方が多いのでしょうね。そういや、コミケなどのイベントでもエロゲーメーカーのブースに割合は少ないですが女性の姿を見かけますし、規制派は男性しかエロを求めていないとしか考えていないのでしょうかね。原画家は女性非常に多いですよ。

児ポ法改正の件については他にも物凄く言いたい事がありますが、ここで止めないと記事の長さがとんでもない長さになりそうなので。今後、もっときちんとした形で採り上げるかも知れません。

2位は「かんなぎ」の放送中止の件。昨年は「Nice boat.」や「こどものじかん」など放送中止が大量に発生しましたが、今年はあまり無かった事が救いです。それでも、この放送中止事件はかなり痛かったです。特に放送されない大多数の地方在住者の方にとっては。真相は、BS11側もアニプレクス側もきちんと理由を表明していない事も有り闇の中。一部ではCMフライングが問題では無かったのかという指摘も。しかし、この放送中止騒ぎによって一気に知名度を高めたという面も否めない部分が有りますので複雑です。原作者が無期限休養に入ってしまうなど、アニメ化以後ゴタゴタが続いてしまっている、ある意味不運な作品になってしまいました。

3位は土6廃止、日5移動。土6アニメもですが、「報道特集」も視聴率が低迷していただけに枠移動によって改善を図ろうとした様です。視聴率は「報道特集」のみ得するという結果になりましたが。「コードギアスR2」はこれまで放送されて来た土6アニメと比較しても視聴率がかなり低迷してしまい、深夜時代の最高視聴率よりも低い1%台という回も。「機動戦士ガンダムOO」では若干回復していますが、ここら辺は1月か2月頃に採り上げる予定です。全日帯アニメはここ数年、全体的に不振で「ヤッターマン」も途中打ち切りの「結界師」レベルにまで視聴率が下がってしまっています。これは数ヶ月放送が無いなど編成の酷さも手伝っている部分も。テレビ東京系の「ポケモン」「NARUTO」も5%前後まで落ちており、地上波ゴールデンからアニメが消えてしまうのも遠い話では無いかなと思ってしまいます。日本テレビが平日夜7時にニュース番組を編成するようですので。

そのニュース編成について。2009年4月以降、日本テレビとTBSが挙って夜7時台にニュース番組を編成するようですが、ニュース自体NHK以外の視聴率はあまり高く有りません。NHKは2桁に乗せるのがデフォルトですが、他局は報道ステーションだけが好調、後は5-8%程度です。地震等の災害時でも、当てにされているのは圧倒的にNHKですしね。だから、NHKと同じ路線を狙っても視聴率回復に繋がるとは到底思えません。いくら制作費が安いからと言って、安易な編成は視聴者離れを更に進めるだけです。

アニメ番組の地上波離れ傾向に戻しますが、「かのこん」「アキカン!」など地上波で放送しないアニメが増えています。今後はこういったアニメが増えるものと予想します。地上波のスポンサーとなっている企業では昨今の大不況により広告費を減らさざるを得ず、地上波テレビ局への出稿が激減しています。そして、地上波CMという手段自体その効果が疑われ始めています。アニメに関しても地上波で放送する、その効果が本当にあるのかどうか判らない部分もあり、放送するのに金が非常に掛かってしまう地上波放送よりも、衛星放送・ネット配信に絞った方が効率的であるという考えが浸透しつつあるのかも知れません。

それでも、来年こそはアニメ界でも一般社会でも良い年になる様に祈りたい物ですね。

でも、私はやはり「児ポ法」改正の話題でしばらくは胃がキリキリしそうです・・・。宗教団体ってしつこいのも特徴ですし。
posted by hamtez at 23:58 | TrackBack(0) | コラム
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