いすゞ自動車の栃木、藤沢両工場で働く期間従業員計580人が26日付での中途解雇を通告された問題で、同社は24日までに、解雇の白紙撤回を決めた。非正社員の中途解雇が一斉に撤回されるのは珍しい。
今回の解雇撤回の対象は直接雇用の期間従業員のみ。約820人の派遣社員に対する契約解除は変えないという。
同社は引き続き、合意のうえで26日付で契約を解約したいと期間従業員に打診しているが、従業員が拒めば本来の契約期間中は働ける。ただ、契約期間満了と同時に「雇い止め」となる公算が大きい。
いすゞは「政府から自動車業界に対して努力要請があったことや、最近再就職が難しくなっていることなどを考慮した」と解雇撤回の理由を説明している。合意の上での解約の条件について同社は、契約を打ち切った後でも元々の期間が満了するまでは寮を使えるようにしたり、満了までの期間に応じて賃金の一定額を支給したりすることなどを提示しているという。