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08年記者は見た

病院や医師間の連携の必要実感

2008年12月22日

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 「次は断らなければ」

 5月のある深夜。救急車の受け入れについて、広島市民病院の医師がつぶやいた。待合室に患者があふれ、ベッドは満杯で処置が追い付かない。「搬送拒否」ではなく「不能」の現場が見えた。

 救急搬送問題は10月、東京都の妊婦が死亡したのをきっかけに再燃した。なぜ速やかに搬送できないのか。県内で改めて取材すると、医師も看護師も、新生児集中治療室(NICU)などの設備も足りないとわかった。深刻な状況のなかで救われたのは、「他で受け入れが無理ならうちへ」「回復した患者を受けてくれれば、新患を受けます」と病院間で密な連携がとられていたことだ。

 医療を良くしたいという試みや人物を紹介するシリーズ「医を創(つく)る」を担当し、最も求められるのは「病院やスタッフ間の連携」と実感した。国はNICUの増床などの改革案を検討中と言うが、箱だけ整えても問題は解決しない。さらに連携が深まる様子を来年は取材したい。(辻外記子)

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