米航空宇宙局(NASA)が公開した、2003年に空中分解事故を起こしたスペースシャトル「コロンビア(Columbia)」号に搭乗していた宇宙飛行士たち(撮影日不明、2003年8月26日提供)。(c)AFP/NASA
【12月31日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は30日、宇宙飛行士7人が死亡した2003年のスペースシャトル「コロンビア(Columbia)」号に関する最終報告書の中で、スペースシャトルが事故を起こした場合に飛行士の生存率を向上させるための追加的安全措置を提言した。
NASAは報告書で、大気圏への再突入時に空中分解したコロンビア号での宇宙飛行士7人の最後の瞬間について非常に詳述した上で、飛行士たちが身に着けていた安全ベルトや宇宙服、ヘルメットなどは当初の予想ほど機能しなかったと結論付けた。
さらに、コロンビア号がコントロールを失って空中分解する前、飛行士たちが死亡しているのか、それともシャトル内の突然の減圧によって意識を失っているのかを明確に判断できなかったことを認めた。
報告書ではまた、シャトルの打ち上げや帰還時に飛行士が装着するパラシュートを自動で開くようにすべきだとも提言されている。現在はパラシュートは手動で開かなければいけない。
コロンビアは03年2月1日、左翼部分に受けた損傷によって空中分解した。左翼部分では、打ち上げ時にシャトルの外部燃料タンクからはく落した断熱材の塊によって断熱シートが削り取られていた。
NASAが保有する3機のスペースシャトルはこの事故以来、2年間にわたって打ち上げが中止された。一方、この事故を契機に、スペースシャトルの安全機能が改良されたほか、飛行中の断熱シートについての厳格な検査手順も採用された。(c)AFP
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