諏訪大社の本宮と前宮の中間にある茅野市の神長官守矢史料館。「神長官て、守矢って?」―。館名からすると、こんな問い掛けも出てきそうで、なんだかとっつきにくい施設と思っていた。でもここにきて若者の姿が目立つと聞く▼史料館は今まで専門知識を求めた、限られたお年寄りが行く所というイメージが強かった。ところが大学生か、大学を卒業したくらいの年齢の若者たちが夏場を中心に来館。一緒に前宮や本宮も訪ねる。中には館近くにある「諏訪の七石」の「小袋石」や「諏訪の七木」の「峰湛木」との見方もあるイヌザクラに足を伸ばし、守屋山に登る人もいるという▼はっきりした理由は分からないが、どうも「諏訪信仰」がブームになっているらしい。観光案内をしている諏訪湖エリアまちなか観光案内人協議会の上社グループは上社での案内数を順調に伸ばしているというから案内した人の中には中高年のほか若者たちの姿もあったことだろう▼史料館の案内文には「その昔、この地は縄文文化の中心地。守矢家は、古代において『洩矢の神』と呼ばれ、諏訪大社の祭祀を司っていました」とある。館はそんな狩猟時代の流れをくむ守矢家の諸史料を集めた展示施設で、敷地内には史跡もある▼ただ来館する若者は県外からが多い。岡谷市の洩矢神社へも向かっていくという。諏訪の若者も一度気楽に史料館を訪ねてみれば他も巡ってみたくなる。