元タレント飯島愛(いいじま・あい)さん(本名・大久保松恵=おおくぼ・まつえ)が24日午後3時15分ごろ、東京都渋谷区内の高層マンションの自室で亡くなっているのが発見された。36歳だった。知人女性がリビング内でうつぶせで倒れているのを発見し119番通報したが、すでに死んでいた。警視庁渋谷署は自殺の可能性を含めて捜査を進めているが、事件性はないとみている。飯島さんは昨年3月に腎盂(じんう)炎などで体調が悪いため芸能界から引退。最近もブログで落ち込む様子をつづっていたが、引退から1年9カ月後の悲劇だった。
飯島さんはこの日、渋谷区桜丘町の高層ビル最上階の21階にある自室で死んでいるのが発見された。知人の女性が、飯島さんとここ数日間連絡が取れないため心配して訪れた。かぎがないため、管理人に事情を話して開けてもらい、部屋に入ったところ、リビングの床に飯島さんは普段着姿でうつぶせで倒れていたという。119番通報し救急隊員が駆けつけたが、すでに亡くなっていた。遺体は担架に乗せられて搬送され、午後6時すぎに警視庁渋谷署に入った。
警視庁渋谷署によると、遺体は死後数日経過し、室内が荒らされた跡や着衣の乱れ、外傷もないことから事件性はないとみている。自殺の可能性も含めて慎重に捜査を進めており、25日に行政解剖して詳しい死因を調べる。
同ビルはJR渋谷駅から徒歩約5分で、大手芸能プロの事務所も入っている。最上階21階にある飯島さんの部屋の家賃は月60万円といわれる。周辺は100人を超える報道陣とやじ馬で騒然とした雰囲気になった。テレビ局の中継車が並び、ヘリコプターも上空を飛び、渋谷署からパトカー2台が出動。警官が整理に当たった。
飯島さんは06年に腎盂炎などで体調が思わしくないことを公表。昨年3月に「目標や夢を見いだせず、頑張れないのなら生き残っていくことは不可能」と芸能界引退を発表した。引退後もブログで近況を報告し、今年2月に「軽いノイローゼ」で通院治療し抗うつ剤を服用していることを告白。また、ブログを突然休止したかと思うと、また再開するなど精神的に不安定な一面ものぞかせた。
11月30日の書き込みでは「時々、急に、寂しくなったりしませんか?」と落ち込んでいる様子で、発見した知人女性も「最近、ふさぎ込んでいた」と話しているという。ブログは今月5日を最後に更新されていなかった。同マンションに住む30代の男性も「1週間ほど前にエレベーターでお会いした。ノーメークで、脱いだブーツを手に持ち、はだしでした。顔色がとても悪かった」などと話した。
飯島さんは92年にAV女優でデビューし、テレビ東京系深夜番組「ギルガメッシュないと」で「Tバックの女王」として人気者になった。その後、バラエティー番組などで辛口のコメンテーターとして活躍する一方、00年に出版された半自伝的小説「プラトニック・セックス」は性病感染した経験や整形手術を告白する内容でベストセラーとなり、映画化、ドラマ化もされた。引退後もエイズ予防の啓発活動に積極的に参加し、今月6日にも宇都宮市内で行われた啓発イベントに参加していた。
「週刊朝日」12月26日号では近況について「10円ハゲはできるし、幻聴は聞こえるし」と話し、さらに投資会社に借金して「コンドームなどシモのケア用品をサイトで売る、かっこいいシモネタ産業。もうすぐショッピングサイトもオープンします」と社長になって会社を始めたことを明かした。芸能界復帰には「もう難しいと思う。今や私の知らないかわいい子ばっかりだし」と話していた。