経済

　東京都の石原慎太郎知事の肝いりで設立され、経営難に陥った新銀行東京（新宿区）に対する金融庁の業務改善命令は、ずさんを極めた経営におきゅうをすえた。しかし新銀行はホームページ（ＨＰ）上で「お詫（わ）び」を表明しただけ。記者会見もせず、巨額の公金を失わせた責任感や再建の熱意を疑わせる対応ぶりだった。

　新銀行は金融庁の発表に合わせ、ホームページで「業務改善命令の内容を真摯（しんし）に受け止め、深く反省するとともに、お客さまをはじめ関係者の皆さまには多大なご迷惑ご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます」とのコメントを掲載。取材に対しては、担当者が電話で「まずは業務改善計画を作ることに専念したい」などと説明しただけだった。

　０５年４月に開業した新銀行は損失を膨らませ続け、昨年６月に経営陣を刷新した。【木村健二】