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2008年12月31日

 「変という漢字一文字に思いこめ激動の世生きる憂(う)しき年越し」。平成二十年も今日限り。「百人一首」にならって、行く年をしのべば…

アメリカ発の金融危機から世界同時不況へ。「回復の道の遠さにおののきつ打つ手を探る悩みいずこも」。日本も雇用悪化深刻。「派遣切り吹きしく風は冷たける職場も宿もなしと泣く人」

アメリカは初の黒人次期大統領を選ぶ。「沈滞打破の願い集めて勝ち取りし“チェンジ”の旗の行方これから」。日本の政治混迷。「忍ぶれど支持率低下収まらず麻生の舟は激浪を行く」

福祉、医療、教育、食の安全、安心もぐらつく。「食うからに有害・偽装に目をこらす暮らしの日々を悲しと思う」。また不条理な事件続発。「殺(や)るからに誰でもよいの八つ当たり歪む心を嵐というらむ」。とはいえ明るい話題も。「基礎研究の厳しき道を踏みわけてノーベル賞輝く四人晴れの日」

北陸の夢はいま進む。「広域連携と特色づくりにあすかけて浮上にこめる燃える思いを」。だからこその重い問いがある。「嘆きつつ迎える年の宿題は人それぞれに“なにができるか”」


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