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坂田V5もらった!故郷で伝説つくる!

 計量を一発でパスしガッツポーズするWBA世界フライ級王者・坂田健史=広島市西区・広島サンプラザ
 計量を一発でパスしガッツポーズするWBA世界フライ級王者・坂田健史=広島市西区・広島サンプラザ

 「WBA世界フライ級タイトルマッチ」(31日、広島サンプラザ)

 王者・坂田健史(28)=協栄=が、完勝で節目のV5を達成する。30日、広島市の広島サンプラザで調印式、計量を行い、坂田はリミットを100グラム下回る50・7キロでパス。日本選手の世界フライ級王座防衛最多タイ記録がかかる大一番。V5を達成すれば、日本選手初の世界王者となった白井義男を抜き、伝説の王者・大場政夫に肩を並べる。大みそか、日本ボクシング界の大トリを務める坂田が、地元広島で新たな伝説をつくる。

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 多くの言葉はいらなかった。絞り込んだ上半身の肌のつやが「完成度」を物語っていた。50・7キロで計量をパスした坂田は「最高の練習ができたし、最高のコンディションに仕上がった。あとは自分を信じてリングに上がるだけ。結果はついてくる」と言い切った。

 節目のV5は、日本選手の世界フライ級王座防衛の最多タイ記録となる。日本のジム所属としては、協栄ジムの先輩にあたる勇利アルバチャコフの持つ9度が最多。日本人では、大場政夫の5度が最多で、これに4度の白井義男、内藤大助(宮田)が続く。

 対立するWBC王者の活躍が大きな刺激となっている。内藤は23日にV4を達成。常に一歩先をいく坂田だが、防衛回数では並んでいる。「記録は意識しない。いつも通りの気持ちで、試合をするだけ」と、自分自身に言い聞かせるように平常心を強調した。

 クールな男が、珍しく闘志をむき出しにした。調印式後の写真撮影で挑戦者と向き合った坂田は、カメラマンの要望に応えて強烈なメンチ切りを“披露”。み間にしわを寄せてにらみつけ、3分以上の間、挑戦者から視線を外すことなく闘争心を前面に押し出した。

 協栄ジムの金平桂一郎会長(43)は、坂田の闘志に勝利を確信した。「すごいにらみ合いでしたね。坂田がああやって、闘志を表に出すのは本当に珍しい。やっぱり、地元広島ということもあって気持ちが入ってるのでしょう。早い回に仕掛けて後半KOを狙わせます」とKO指令を出した。

 日本ボクシング界初となる大みそかの世界戦。内藤、亀田興毅らとともに、フライ級戦線の今年の主役の一人として盛り上げてきた男は「デンカオセーンに勝って広島を盛り上げたいし、ボクシング界も盛り上げたい」と、自身の使命をしっかりと認識していた。

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