31日で閉院する「スマイルこどもクリニック松本院」
松本市本庄で24時間・年中無休で患者を受け入れてきた小児科医院「スマイルこどもクリニック松本院」が、31日で閉院する。横浜市の小児科医らが2003年7月、夜間・休日でも急患の子どもを助けられるように−と開いたが、その後、松本地域の小児救急の受け入れ体制が充実したとみて、「役割を果たした」と判断した。
同院は、横浜市で24時間・年中無休の「スマイルこどもクリニック東戸塚院」(本院)を運営する加藤隆さん、妻ユカリさんの両医師が「分院」として開設。田中県政時代に県内の医療関係者から「(中南信の)夜間急患の子どもたちが困っている。地域が小児急患を始めるまで開設してほしい」と要請されたという。常勤医師や地元スタッフのほか、東戸塚院などからも医師が訪れて対応してきた。
開設当時から、松本地方では指定病院に夜間も小児科医がいた。2005年には松本市に「小児科・内科夜間急病センター」が開設。隆医師は「地域の病院間でしっかりスクラムを組み、救急体制を整えている」と感じていた。赤字を本院が補てんする経営が続いており、松本院への急患数や、周辺の医療機関の状況をみながら撤退時期を検討していた。
今後は、小児救急の夜間診療施設が減少している横浜市と浦安市にある診療所に力を注ぐ方針。本年度いっぱいは松本院にスタッフが残り、残務整理や患者に対応する。4月以降は必要に応じて東戸塚院で電話応対をする。また、松本院の医療機器や設備、スタッフをそのまま引き受ける医師も探している。
初代院長のユカリ医師は「地域の人や(地元の)医師にも助けていただき、本当に感謝しています」と話した。