新銀行東京:提携交渉すべて破談 再建戦略見直しへ

 東京都から400億円の追加出資を受けて再建中の新銀行東京が10社を超える国内外の金融機関との間で続けてきた資本・業務提携交渉がいずれも破談に終わり、経営再建戦略の抜本的な練り直しを迫られていることが30日、明らかになった。関係筋によると、多くの金融機関との交渉が難航する中、地方自治体向け融資で世界最大手の仏ベルギー系「デクシア・クレディ・ローカル銀行」との提携協議に期待をつないだが、世界的な金融危機の余波でデクシアも経営難に陥ったことから、交渉は進まなかった。

 このため、新銀行東京は「事業再建のカギとなる提携先がまったく見つからない」(金融当局筋)状況。同行は12年3月期までを期限とするリストラ計画を進めているが、新たなビジネスモデルの構築は難しく、独力での再建は困難な見通しだ。

 ずさんな融資審査を背景に貸し出しの焦げ付きが多発した新銀行東京は、08年3月期に1000億円を超す累積損失を計上した。今年4月には東京都から400億円の追加出資を受ける一方、店舗の集約や450人の従業員を12年度末までに120人に削減するリストラ計画を公表。経費を削減し、12年3月期の最終損益をゼロにする方針だ。

 しかし、「銀行として生き残るには有力なパートナーが不可欠」(金融当局筋)とされ、実績のある金融機関との提携を模索していた。

 都の追加支援が厳しい批判を浴び、多くの金融機関との提携が破談する中で、デクシアは新銀行東京の持つ都の公金運用受託業務などに関心を示し、人員派遣や融資ノウハウ提供などに意欲を見せていた。

 しかし、金融危機で本体の経営不安が拡大し、仏政府などから総額64億ユーロ(約1兆円)の公的資本注入を受け、提携協議は暗礁に乗り上げた。【永井大介、須山勉】

毎日新聞 2008年12月31日 2時30分

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