ニュース: 事件 RSS feed
【衝撃事件の核心】千葉女児殺害であぶり出された「空白の25分」…大胆な犯行、深まる謎 (2/4ページ)
2回目の外出…足取り途絶える
幸満ちゃんに何があったのか。
謎を解くポイントは、友人宅に向かうため1人になってからの幸満ちゃんの行動。具体的には、掃除を終えて病院に戻ったとされる午前9時40分ごろから、遺体で発見される午後0時25分ごろまでの約2時間45分だ。
「午前10時40分ごろ、1人で歩いているのを見た」
病院の並びにある商店の男性はこう証言する。幸満ちゃんは病院の方向に向かっていたという。友人宅が留守だったため、いったん母がいる病院に帰ろうとしていたのだろうか。
実際、午前11時すぎには、病院の職員が、「お母さんの仕事、まだ終わらないの」とたずねてきた幸満ちゃんを覚えていた。さらに、正午ごろに院内で見たとする証言も病院関係者から出ている。多恵子さんは病院にいたが、仮眠を取るなどしていたとみられる。
これらの証言が正確だとすれば、幸満ちゃんの行動と生死が分からない「空白の時間」は正午ごろから、遺体が発見された0時25分すぎまでの25分間程度まで狭められることになる。多恵子さんの夜勤終了を待ちきれず、2回目の外出をして事件に巻き込まれた可能性がある。
これ以外にも、身長109センチ、体重18キロの幸満ちゃんが1人で歩く姿を「目撃した」といった複数の証言が周辺からは出ている。だが、中には当時の幸満ちゃんの所持品に矛盾があるなど不可解な点があるものもみられ、捜査本部は犯行時間の幅の見極めに細心の注意を払っている。
一方、遺棄された時間についてはさらに狭められる。近所の住民が「午後0時10分ごろに現場を通りがかった際には、異常がなかった」と証言しているためで、幸満ちゃんが現場に放置されたのは遺体が発見されるまでの15分程度の間ということになる。
病院と遺体の発見現場は直線距離で約300メートル。服や靴が発見された駐車場はその中間点付近にある。このため、犯行は周囲の事情に通じている者とする見方が強い。
病院にも当時、50人程度の患者がいたとみられているが、捜査本部は「犯行現場は病院ではないだろう」との見方を示す。さらに足の裏が汚れていないことなどから、「別の場所から運び、犯行現場に遺棄した」とみている。何者かが1人になった幸満ちゃんに目をつけ、短時間で殺害。車などを使って現場に遺棄したとみて、周辺に設置されている防犯カメラの解析を進めている。