MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

ニュース: 事件 犯罪・疑惑事故・災害裁判写真RSS feed

【国循の不同意治験】焦点は同意書立ち会いの治験コーディネーター (2/2ページ)

2008.12.29 20:40

 

カギ握るCRC

 患者の同意を得る際、重要な役割を果たすのは治験コーディネーター(CRC)だ。治験担当医と連携しながら、専門的な治験内容を患者にわかりやすく説明し、副作用などの情報を伝える。関西にある国立病院の治験責任者の医師は「膨大な説明文書を患者に説明すると1時間以上はかかる」とし、CRCの意義を強調する。

 しかし、ほとんどのCRCは病院に所属し、患者側に立つより、医師のサポート役に回りがちという。

 18年前から患者の電話相談に応じているNPOささえあい医療人権センターCOML(大阪市)の山口育子事務局長は「CRCを『医者の隣にいる人』ぐらいの感覚で見ている患者もいる」と指摘。医療機関で治験を受けて当然という態度をされた経験がある患者も多いといい、「同意書へのサインは契約と同じ。説明を受けることは当然の権利と主張して、納得がいくまではサインしないこと」と患者側に注意を促す。

 

国循のケースは?

 今回のケースも国立循環器病センター内にある治験推進室のメンバーがCRCとして説明をしているというが、同意書の文面を見るかぎり、十分な同意があったとは読み取れない。しかし、結局、「納得ができない」と記されていても同意書が出たという事実だけが、センターでは重視された。

 倫理問題を研究する九州大学の笹栗俊之教授は「医師と患者の意思疎通ができていないなら、CRCが間に入る必要がある。ただでさえ慎重に行われるべき治験は意思疎通が取れていることが大前提。良好な関係が得られていないなら、治験は進めるべきでない」とする。

 国立循環器病センター治験推進室の山本晴子室長は「治験を進める上で最優先にするべきは患者や家族の意思。たくさんの方の意見を聞いてセンターとしての治験のあり方を考えていきたい」としている。

PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。