デング熱によるカンボジアの今年の死者は現時点で65人で、直近の過去に比べ激減した、と保健当局者は月曜に述べた。
2008年のデング熱患者は現時点で9,200人、死者は65人だが、これに対し2007年は患者39,851人・死者407人だった、と保健省の国立デング熱対策計画のガーン=チャンター局長は述べた。
蚊媒介病に感染する危険は依然として都市部で大きい、とガーン=チャンター。
「一般に、人が集住してゴミを出す所では感染の危険が大きく、また、人の移動の多い所では病気の持ち込みも起こる」と同氏は電話で述べた。
同省によれば、デング熱の死者・感染者ともに最も多かったのはコンポン=チャーム州。以下カンダール州、シエムリアプ州、プノンペン市と続く。
今年は死者が減ったとはいっても、死者数はなお好ましくない、とプノンペンとシエムリアプで5ヶ所のクンテア=ボパー病院(シエムリアプの1ヶ所はチェイヴァラマン7世病院の名で知られる)を経営するスイス人小児科医ベアット=リヒナー先生は語った。
「昨年はデングの大流行年だった。これは通常、3〜5年の周期で繰り返される。だから今年はデング熱はないはずだったにもかかわらず、発生してしまったのは、その繁殖源を無効化する努力が、効果的かつ正しい方法で行われなかったためだ」とリヒナー。
クンテア=ボパー病院では、国内の若年デング患者の推計90パーセントを診療している、とリヒナーは月曜に電話で述べた。
クンテア=ボパー病院では今年、約7千人のデング患者を診療した。感染した子供のうち、ボウフラの湧きそうな場所に噴霧するアベートという殺虫剤の使い方を親が知っていたのはわずか10パーセントだった。
「家のまわりでボウフラの湧きそうな場所を見つけ、消毒する。そうすれば流行を防止・抑制することができるが、今年はそれが成されなかった。患者7千人は多すぎる」とリヒナー。
クンテア=ボパー病院では現在、48人の深刻なデング熱患者を治療中だ、と同氏は述べた。
2008年12月30日
カンボジアウォッチ編集部
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