李香蘭役 野村 玲子 Ryoko Nomura
旭川商業高校卒業後、富士銀行旭川支店に入行したが、舞台への夢が捨てきれず、1年後の1981年3月、単身上京して劇団四季附属研究所に入所。
82年4月『エビータ』のミストレス(ペロンの愛人)役に大抜擢され、デビューを果たす。その後、『ウェストサイド物語』マリア、『キャッツ』シラバブ、『ジーザス・クライスト=スーパースター』マグダラのマリア、『コーラスライン』ディアナなど、数々の抜擢に応えた。
大ヒット作の『オペラ座の怪人』では初演でヒロイン・クリスティーヌを演じ、その可憐さと美しいソプラノで観客を魅了した。また、『ミュージカル李香蘭』では、ふたつの祖国のはざまに立ち、時代に翻弄されて数奇な運命を辿った女性“李香蘭”を熱演。また92年、中国公演でも絶賛を浴びた。その他『ユタと不思議な仲間たち』小夜子、『夢から醒めた夢』マコと、オリジナルミュージカルを支えてきている。95年『赤毛のアン』アンでは、観客を大いに沸かせたコミカルな演技で、芸域の広さを感じさせた。
ストレートプレイでの活躍もめざましく、93年に創立40周年記念公演として 14年ぶりに上演された『ひばり』で、創立メンバーであった藤野節子が演じてきたジャンヌ・ダルクを好演し、劇団四季の伝統的なレパートリーを見事に引き継いだ。また、同年の『ハムレット』では、はかなく純真なオフィーリアを演じている。
2000年には、念願であったストレートプレイ『ラ・ソヴァージュ〜ノンという女〜』のテレーズ役を、藤野節子、影万里江から引継ぎ熱演。
2002年には、36年間封印されていた伝説の舞台『アンドロマック』に挑戦。見事にタイトルロールのアンドロマックの千々に乱れる女心を演じきった。
さらに劇団四季の悲願でもあった、自由劇場の柿落し公演『オンディーヌ』では、可憐で無垢な妖精オンディーヌの魅力を余すところなく表現している。
その後も、『アンドロマック』『ハムレット』『ひばり』などの再演を重ね、2006年にはストレートプレイでは異例ともいえる1年間のロングラン上演となった『鹿鳴館』において全ての公演で影山朝子を演じ、その成熟した演技・朗誦術は各地で絶賛された。自由劇場のストレートプレイには、欠くことのできない存在である。
川島芳子役 濱田 めぐみ Megumi Hamada
九州国際大学付属高等学校卒業後、女優を目指し上京。舞台芸術学院でミュージカルの基礎を学んだ後、数々の舞台に出演する。
95年12月に行われた劇団四季オーディションに合格。抜群の歌唱力と将来性が認められ、オーディションから3ヵ月後の96年2月には『美女と野獣』のヒロイン・ベル役に大抜擢、劇団四季デビューを果たす。新人とは思えない落ちついた演技で福岡公演にベル役で出演、地元九州での舞台にヒロイン役で登場し、九州からのミュージカル界の新星の登場をアピールした。
『ライオンキング』では98年の初演から主役ナラを好演しており、ディズニーのスタッフからも絶賛されている。同じくディズニーミュージカル第三弾である『アイ―ダ』でもタイトルロールを獲得。王女らしい気品のある演技と卓越した歌唱力で好演している。ディズニーミュージカル三作品においてヒロイン役を演じているのは彼女のみ。
伸びのある歌唱力、定評のある演技に加え、『クレイジー・フォー・ユー』ではタップをはじめダンスも難なくこなす。
着々と実力をつけ、四季の看板女優への道を歩んでおり、期待と注目を浴びている。
李愛蓮役 五東 由衣 Yui Gotoh
10歳の頃からクラシック・バレエを始め、鎌倉パブロバ・バレエスクールで本格的なレッスンを受ける。その後も、モダンバレエ、ジャズダンス、声楽のレッスンを重ねて、舞台に立つことを夢見る少女だった。大学時代もダンスサークルに所属し、ミュージカル公演のステージに立っていた。
劇団四季の89?90年オーディションに合格。90年『キャッツ』福岡公演のジェミマ役で初舞台を踏んだ。翌91年には早くも、『ミュージカル李香蘭』の愛蓮役に大抜擢、見事に期待に応えた。その後も透き通った歌声とダンス力で『エルリック・コスモスの239時間』のエルコス、『キャッツ』のジェリーロラム=グリドルボーン役、『美女と野獣』のベル役といった、ミュージカルで活躍する一方、『思い出を売る男』『永遠の処女・テッサ』などのストレートプレイでも確実な演技力でその存在を示している。
杉本役 芝 清道 Kiyomichi Shiba
学生時代に『ジーザス・クライスト=スーパースター』を観て、ミュージカルを志す。『ユタと不思議な仲間たち』のゴンゾ、『ウェストサイド物語』のディーゼル、『キャッツ』のラム・タム・タガー、『ミュージカル李香蘭』の王玉林と出演し、1991年2月の『ジーザス・クライスト=スーパースター』大阪公演からは狂言者シモンを演じ、それまでの自己の役の幅を広げた。こどものためのミュージカルでも活躍し、『新・はだかの王様』の運動大臣アロハなど、個性的な役柄が多い。『ミュージカル李香蘭』では抗日に燃える若者・王玉林を熱演。中国公演でも活躍した。
96年の『エビータ』ではチェ役、98年の『ジーザス・クライスト=スーパースター』ではユダ役と、二つの念願の役を得て、熱演した。98年『ミュージカル李香蘭』東京公演から、李香蘭の恋人役・杉本を演じている。2002年にはストレートプレイ『アンドロマック』でオレスト役に挑戦、新たな一面を見せた。そしてロンドンのスタッフを迎えて行われた『マンマ・ミーア!』のオーディションでは、見事サム役を勝ち取った。2006年には『鹿鳴館』の飛田天骨で出演している。2008年『ライオンキング』ではムファサを好演。