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アビスパ情報

2008年11月16日(日)

19歳 鈴木惇 「父との約束」

【鈴木惇】
「世界に出て結果を残す時代になってきた…」


アビスパ福岡のルーキー19歳以下日本代表選手・鈴木惇。
彼が支えとした家族との絆―


【父・鈴木聡】
「日本代表に選ばれるんだったら、サッカーを目指してもいいけど、
 そうじゃなかったら、別の道も考えたほうがいいんじゃないかと言う話はしました。」


サッカー・若き代表選手
「日の丸」へのこだわり、その原点は父との約束にあった―


8月
メダルラッシュに沸いた「北京オリンピック」。


しかし・・・
アトランタから4大会連続出場の
「サッカー男子」23歳以下日本代表は期待されながらも予選敗退。
続くオリンピックは2012年「ロンドン」。


そのロンドン世代
中心選手として期待されているのが、アビスパ福岡の鈴木惇だ。


去年6月 アビスパ史上初めて
高校生でトップチームデビュー。


【鈴木惇】
「またここ(博多の森)でプレーしたいと思います。」


今シーズンからアビスパトップチームに昇格。
プロ選手としての道を歩み始めた。


鈴木惇とサッカーの出会い、それは本人にも記憶が無い。
気が付いた時には、そこにサッカーボールがあった。


【鈴木惇】
「ほとんど毎日、兄とお父さんとボールを蹴っていたので、
 その影響はあると思います。」


「父親の存在」が、サッカー選手・鈴木惇の原点。
父は勤務医、サッカー経験のあった父は息子の選択を喜んだ。


【父・鈴木聡】
「母方の祖父がラグビーをやっていて、
 それでラグビーボールを買って来て置いておくんだけど、
 惇はいつもサッカーボールをとっていくんですよね。」


鈴木惇。
10歳のときにアビスパの下部組織に入ると
その後、プロに入りするまで「アビスパ一筋」。


ジュニアユース(U-15)時代には高円宮杯準優勝。
ユース(U-18)に昇格するとキャプテンとしてチームを引っ張る。
そして、2006年、高校生ながらトップチームの練習に初めて参加する。


【鈴木惇】
「今年(07年)何としてもトップチームの試合に出たい。
 戦術など難しいですけど、頑張ってやっていきたいです。」


サッカー選手として順調な歩みを続ける鈴木。
だが、この時、父とある約束を交わしていた。


【父・鈴木聡】
「将来、サッカーをやっていくかどうかのひとつの区切りとして、
 15歳までに代表に選ばれるんだったら、サッカーを目指してもいいけど、
 そうじゃなかったら別の道も考えた方がいいんじゃないかと話したんですけど」


父との約束・・・それは15歳までに「日の丸を背負うこと」。
代表になれなければ、サッカーをやめなさい…


【鈴木惇】
「(初めて代表に選ばれた時は父親は)喜んでくれましたね、素直に。
 最初は小学6年の時にナショナルトレセンがあって、
 そこで残れなくて「次、頑張ろう」と、みんなお母さんとかも言ってくれたので
 初めて選ばれたときには喜んでくれましたね。」


そして父は、息子にもうひとつの約束をした。


【父・鈴木聡】
「サッカー選手になってくれたのはとても嬉しかったけれども、
 勉強で身を立てるということも考えておかないと、大怪我したら終わりですよね。
 その時にサッカーしか残っていなかったらあまり言い結果にならないと思うので…」


県内有数の進学校「福岡高校」への進学。
父との約束を果たすため、文武両道を自らに課した。
日の丸を背負う一方で、誰よりも勉強に打ち込んだのだ。


そしてプロ契約した今も、早稲田大学の通信制で人間科学を学び
サッカーと学問を両立させている。


その存在は同世代からも一目を置かれている。


【香川真司・日本代表(セレッソ大阪)】
「惇とは互いに刺激しあえるし、同年代の活躍で自分も頑張らないといけないと思う。」


【父・鈴木聡】
「今、活き活きしているなというのは感じるんですよね。
 日本代表が活躍の場でそこで頑張るのを生きがいにしてきたので、
 非常に嬉しそうにサッカーをしているなと感じます。」


今年最大の目標が以前までワールドユースと呼ばれていた
世界大会「20歳以下ワールドカップ」の出場権を得ること。
今月開催されたアジアユースで出場権を狙った。


だが日本は、予選を首位で通過するものの
出場権をかけたベスト8・韓国戦で敗戦。
来年の20歳以下ワールドカップの出場権を逃す結果となった。


【鈴木惇】(アジアユース帰国後)
「今まで海外に行って『気持ちの部分』を感じていてそれが具体的にわかった。
 経験を無駄にしないためにもこれから頑張るだけ。」


【中村北斗】(鈴木惇に期待すること)
「同じような舞台を踏んできているので、
 惇はワールドユースには出ることは出来なかったけど、
 代表に入ってチームでも頑張るという気持ちは、一緒のものを持っている。」


【父・鈴木聡】
「将来はもちろんヨーロッパで、そのつもりでやってほしい。
 その覚悟を持ってやるからにはA代表で!
 日本といえば中田のように鈴木といわれるように頂点を目指して欲しい。」


父から息子への想い…
鈴木惇の「原点」父との約束。


19歳 鈴木惇の挑戦はこれからも続いてゆく。
そして、福岡で成し遂げたい目標―


【鈴木惇】
「今アビスパには、北斗さんや城後さんなど代表経験者も多いし、
 俺と恭平(大山)もずっと代表でやってきた選手なので、
 何とかこのチームを強くしたい。」