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薬害根絶願い教壇に HIV感染井上さん 来春、道薬科大で「薬剤師こそ声を」(12/30 08:50)
【小樽】薬害でエイズウイルス(HIV)に感染した井上昌和さん(45)が来年、北海道薬科大(小樽市桂岡)の教壇に立つ。薬害や当事者の思いを伝える講義を受け持つ予定。「危険性が疑われる薬の情報を、薬剤師が医師に発信すれば、薬害発生の歯止めになるはず」との思いを胸に、準備を進めている。 札幌に住む井上さんは、血友病の治療で中学時代から非加熱製剤の投与を受け、HIVに感染した。薬害根絶を目指し感染の事実や実名を公表、妻の浅川身奈栄さんと一緒に講演などを重ねている。 活動を知った道薬科大から、二〇〇五年に講演を要請された。「感染が分かった一九八八年ごろ、病院で聴診器すら当ててもらえなかった」ことなど、直面した苦しみを紹介。学生の関心も高く、翌年以降も招かれた。 その実績から、道薬科大は〇九年度の四年生向け講義(六回)を依頼。学内手続きを経て、井上さんは来年四月にも非常勤講師となる見込み。 ネットの発達で、海外の薬害情報にも触れやすくなった。井上さんは「薬の専門家として、情報を活用する気持ちを持ち続けてほしい」と学生たちに望む。道薬科大の早瀬幸俊教授(社会薬学系)は「薬害が招いた不幸や、なぜ発生したかを直接うかがうことで、学生の意識は高まるはずだ」とエールを送る。 文部科学省は〇四年度から、学生が薬害被害者から学ぶ講座や講演会を設けるよう、全国の医歯薬学系大学に求めているが、実施率は三割止まり。同省によると、本年度の道内では、道薬科大での井上さんの講演のみ。 |
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