昨年9月にマグニチュード(M)8.5の地震が起きたインドネシア・スマトラ島南西沖では、約200年間隔で大地震が連続して起きる期間のあることが、周辺のサンゴ調査で分かった。米カリフォルニア工科大などの国際チームが12日付の米科学誌サイエンスに発表した。「昨年9月の地震はこの期間の始まりで、20~30年以内にインド洋大津波をもたらしたスマトラ沖大地震(04年12月、M8.8)と同規模の地震が起きる可能性がある」と警告している。
サンゴは海水中でしか生息できないため、大地震によって海底が隆起すると海面近くで横に広がって成長する。チームがこの海域のサンゴを調査したところ、過去700年間で、1300年代と1500年代後半、1800年前後の3回、急激な海底の隆起が30~70年間、連続して起きていたことが分かった。
東北大学の今村文彦教授(津波工学)によると、この海域では海のプレートが陸のプレートに沈み込んでいる。今村教授は「調査地点は07年まで100年以上大地震が起きておらず、大きなエネルギーをため込んでいる可能性が高い。日本の東南海・南海地震も同じ仕組みで発生する地震で、調査結果は両地震の予測にも役立つ」と指摘している。【斎藤広子】
毎日新聞 2008年12月12日 5時03分(最終更新 12月12日 5時03分)