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「全共闘世代よ総括を」連合赤軍描く映画の若松監督語る(1/2ページ)

2008年12月29日22時45分

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写真「事件を起こした若者の弾劾でも擁護でもない実録を目指した」と語る若松孝二監督

写真赤軍派メンバーが乗っ取った「よど号」。一時着陸した福岡空港で、女性や子どもを解放した=70年3月31日

 赤軍派によるよど号ハイジャック、連合赤軍が起こしたあさま山荘事件――。70年代、社会を震撼(しんかん)させた事件とは、いったい何だったのか。映画監督の若松孝二さん(72)は今年、あの時代を描いた映画を公開、事件の真相を探ろうと、直接当事者たちに会うため世界をまわった。「事件はまだきちんと総括されていない」。そう社会に投げかける。

 「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」は、「総括」という名の同志リンチ殺人に至る新左翼運動の軌跡を、当事者の記録を基に描く。全国50館をまわり4万人が入場、今も地方の団塊世代の単館オーナーなどから配給依頼が続く。26日からは東京・下北沢で上映が始まった。

 映画完成後、世界をまわった。事件の関係者に作品を直接、見せるためだ。5月、北朝鮮でよど号グループに会った。メンバーが属した赤軍派は連合赤軍の母体の一つ。「よど号がなければあさま山荘事件もなかったかもしれない。撮影中からずっと、彼らに聞きたかった」。北朝鮮に残る4人のうち、国外移送略取容疑などで国際手配されている小西隆裕(64)、若林盛亮(61)、赤木志郎(61)の3容疑者と会った。

 小西容疑者らは連合赤軍事件について「責任は我々にもある」「(自分たちが)残してきた人間が起こしたこと。引き受けなければ」と語ったという。赤軍派は指導者の出国や逮捕が続き、残った森恒夫元被告(自殺)らが、永田洋子死刑囚らと結成したのが連合赤軍だった。「あとを任せられて追いつめられたのかも知れない」。リンチ場面を見ると、そう言って押し黙ったという。

 当事者のこうした肉声はなかなか国内に伝わってこない。塩見孝也・元赤軍派議長(67)はメンバーの発言について「意外感を受けた」。これまで彼らは、連合赤軍事件と自分たちは無関係という態度だったからだ。

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