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イスラエル、ガザ空爆3日目 国防相「全面戦争」を宣言

2008年12月30日0時35分

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写真29日、ガザ北部との境界近くに集結したイスラエル軍の戦車や装甲車=ロイター

写真ガザ地区南部ラファの難民キャンプで28日、イスラエル軍の空爆で建物が炎上し、逃げ惑うパレスチナ人の家族=AP

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 【エルサレム=井上道夫】 イスラエル軍は29日、パレスチナ自治区ガザに対する3日連続の空爆を行い、AFP通信は現地医療関係者の話として、これまでに少なくとも345人が死亡、1550人が負傷したと伝えた。イスラエルのバラク国防相は同日、イスラム過激派ハマスとの「全面戦争」を宣言し、ガザ周辺を「軍事閉鎖地区」に指定。ガザとの境界には数十両の戦車や装甲車が集結。地上部隊の侵攻準備も進めているほか、ガザ沖に軍艦を派遣しているとの情報もあり、大規模な戦闘への突入が懸念されている。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)はこれまでに、少なくとも57人の民間人が死亡したとしている。ハマス側は300人以上の死者のうち180人がハマスのメンバー、残る死者の多くが民間人だと主張している。子どもも犠牲になっている。

 イスラエル軍はまずハマスの治安拠点を集中的に空爆したが、その後、標的をモスクや大学、行政庁舎に拡大しており、市民の犠牲が増えている模様だ。28日には、エジプトとガザの境界にある約40カ所の密輸用地下トンネルも爆撃した。

 ハマスもロケット弾攻撃で対抗。AFP通信によると29日、ガザから約20キロ圏内のアシュケロンでイスラエル人1人が死亡した。

 ガザ南部ラファのエジプトとの境界では28日、ガザ住民が境界壁の数カ所を壊し、エジプト側に逃げ込んだ。この混乱で、パレスチナ人とエジプト治安部隊が衝突し、エジプト人警官1人が死亡。AP通信によると、エジプト政府は29日、ラファの検問所を開け、人道支援物資を搬入するトラックの通行を許可した。

 イスラエルとの和平交渉団長を務めるパレスチナ自治政府のクレイ元首相は29日、「イスラエルの攻撃が続く限り、交渉には応じられない」と語り、昨年11月に米国主導で再開した和平交渉を中断する意向を示した。

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