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県警の振り込め詐欺の被害件数、被害額が今年、過去最悪となっていることが二十八日までに、県警のまとめで分かった。それによると、今年一月から十二月二十五日までの県内の振り込め詐欺の被害件数は千五百五件（未遂含む）。被害総額は約二十二億八千八百万円で、昨年十二月末の二十一億七千六百万円より既に約一億円多い事態となっている。今年は銀行窓口や現金自動預払機（ＡＴＭ）を利用せず、エクスパックやバイク便などを利用する手口が急増。県警は「振り込みを使わない詐欺が増えている」と分析し、被害に遭わないよう呼び掛けている。
県警によると、詐欺の手口は未遂を含めて「オレオレ詐欺」が最も多く、八百十一件。次いで「還付金詐欺」三百二十件、「融資保証詐欺」百九十七件、「架空請求詐欺」百七十七件で、被害件数は昨年一年間の千四百四十件を六十五件上回っている。
県警の摘発件数は十一月末までで、昨年同期比五十六件増の百七十九件。摘発人数は十一人増の三十三人だった。
今年も高額の被害に遭うケースが相次いだ。七月には三郷市の女性が「会社の金を使い込んでしまった」という電話にだまされ九回にわたり計千八百七十万円、九月には桶川市の女性が十三回にわたり計二千万円をだまし取られている。
最近は犯人が被害者宅を訪問し、カードや現金を持ち去るケースが増加しており、九月には行田市の女性が「個人情報が漏れて通帳が不正に作られたので、キャッシュカードの番号を変更して」という電話にだまされた。その後、訪問した男に暗証番号を聞き出され、キャッシュカードを持ち去られた。
県警によると、犯人グループは主に都内のアパートやマンションを架空名義で借りており、約二、三カ月で移転してしまう傾向があるという。
一方、金融機関の職員が窓口で詐欺に遭わないよう止めた例や県警から研修を受けた銀行職員が振り込め詐欺犯の逮捕に協力した例もある。県警は金融機関やコンビニエンスストアなどに、さらに犯行防止への協力を呼び掛けている。
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