神奈川県相模原市の建設請負業「トウキュウ総建」(佐藤淳一社長)の男性労働者(48)が結核を発症し、同僚社員(30)が2次感染したと、市保健所が29日発表した。同社は従業員に一度も健康診断を受けさせずに働かせており、佐藤社長は虚偽の病院名を書いて偽造した診断書を契約先に出したことも認めているという。相模原労働基準監督署は健康診断を実施しなかった労働安全衛生法違反の疑いで調べている。
保健所によると、男性は昨年2月に日雇いで入社し先月12日、横浜市の現場で血を吐き結核と診断された。周囲の従業員らを検査し、男性を車で送迎していた社員の2次感染が分かった。男性は入院中だが、社員は退院した。
また同社が3次下請けに入り、男性が今年8月に現場で働いた工事では、1次下請けの大手建設会社に虚偽診断書を出していた。今月初旬、元従業員から情報提供があり保健所が調べていた。
労働安全衛生法は常時雇用の労働者に関し健康診断の年1回実施を事業者に義務づけている。【高橋和夫】
毎日新聞 2008年12月29日 21時03分