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【衝撃事件の核心】相次いだ無差別殺傷…キーワードは「理不尽」  (3/3ページ)

2008.12.29 08:00
このニュースのトピックス死刑制度
殺害された元厚生次官・山口剛彦さん夫妻の自宅前で献花し、冥福を祈る女性=11月20日午後6時41分、さいたま市南区殺害された元厚生次官・山口剛彦さん夫妻の自宅前で献花し、冥福を祈る女性=11月20日午後6時41分、さいたま市南区

 「飼い犬の恨みは官僚への憎悪を人に説明するためのきっかけにすぎない。官僚自体へのねたみもあるのだろう」と捜査幹部。いずれにしても、逆恨みであることに変わりはない。

 

孤立と厭世

 殺傷事件の犯人の動機はさまざまだが、社会から孤立感を深めていった点は共通している。

 「生きていることがつまらなくなった」と語ったのは金川被告。定職にも就かず、高校を卒業したころから人を殺して死にたいと思うようになったという。「複数殺せば死刑になれると思った」とも。

 加藤被告も現実の社会に溶け込むことができず、「唯一の居場所」として逃げ込んだネット上の書き込みサイトでも相手にされなかった。事件後の調べでは、周囲や社会が悪いとしたうえで「自分の人生がいやになった」と供述した。

 コンピューター会社の派遣社員で一時は月50万円以上の収入があったという小泉容疑者も「友人は1人もいなかった」といい、社会から孤立していた。「人生に未練がなくなった」とも供述している。

 犠牲者が命を失った理由が、孤立感や人生へのあきらめという身勝手なものではとても浮かばれない。経済状況の悪化により同種の事件の増加が懸念される中、何が求められているのか。

 「社会や共同体の横のつながりを取り戻すことが大切だ。隣人の名前を知らなかったり、何年も実家と連絡を取らないなど、現在の閉ざされたコミュニティー状況を変えていくしかないのでは」

 作家の高村薫さんは、こう話した。

 無差別殺傷事件を題材にした「決壊」を書いた作家、平野啓一郎さんは「犯人は社会が事件をどう受け止めたかを計算する。加藤被告も小泉容疑者もメディアを通じてインパクトを与えたいと思った点は共通している。事件が止まらない要因には、映像の向こう側で起きている事件をリアルと思えないから。起きたことへのリアリティーをどう高めて伝えていくかが大事になる」と指摘している。

【衝撃事件の核心】掲載記事一覧

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警視庁から浦和署に移送される小泉毅容疑者=12月4日午後4時 さいたま市浦和区の浦和署(撮影・早坂洋祐)
警視庁から浦和署に移送される小泉毅容疑者=12月4日午後4時 さいたま市浦和区の浦和署(撮影・早坂洋祐)
麹町警察署を出る小泉毅容疑者=11月23日午前4時4分、東京都千代田区の麹町警察署 
「ペットロス」を動機に挙げている小泉毅容疑者=11月23日午前04時04分 、東京都千代田区の麹町警察署(撮影・早坂洋祐)
告別式で山口さん夫妻の遺影を手に出棺にむかう遺族=23日午後0時27分、さいたま市内の斎場(矢島康弘撮影) 
(元厚生次官ら連続殺傷事件)「次官を刺した」と話す男が警視庁に乗り付けた乗用車
亡くなった元厚生次官・山口剛彦さん夫妻宅にはブルーシートがかけられ捜査が続けられている=22日午後、埼玉県さいたま市南区(撮影・川口良介)
捜査が続けられている元厚生次官・山口剛彦さん夫妻宅=22日午後、埼玉県さいたま市南区(撮影・川口良介)
殺害された元厚生次官の山口剛彦さん夫妻宅前に供えられた花束=22日、さいたま市南区
殺害された元厚生次官・山口剛彦さん夫妻の自宅前で献花し、冥福を祈る女性=11月20日午後6時41分、さいたま市南区
元厚生事務次官の山口剛彦さん宅を調べる捜査員=18日午前11時50分、さいたま市南区別所
元厚生次官殺害などを受け、厚生労働省の入り口の警備が強化された=19日午後、東京・霞ヶ関の厚労省前(緑川真実撮影)
自宅前で報道陣らの囲み取材に応じる 舛添厚労相 =19日午前8時36分、東京都世田谷区代田 (川口良介撮影)
元厚生労働事務次官・吉原健二さんの妻が、宅配便業者を装った男に刺された。現場付近を調べる捜査員ら=18日午後9時37分、東京都中野区上鷺宮(川口良介撮影)
元厚生事務次官山口剛彦さん宅を調べる捜査員=18日午前11時52分、さいたま市南区別所
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、現場近くに設けられた献花台に花を供え手を合わせる女性=6月10日午前10時5分
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