ニュース: 事件 RSS feed
【衝撃事件の核心】相次いだ無差別殺傷…キーワードは「理不尽」 (3/3ページ)
「飼い犬の恨みは官僚への憎悪を人に説明するためのきっかけにすぎない。官僚自体へのねたみもあるのだろう」と捜査幹部。いずれにしても、逆恨みであることに変わりはない。
孤立と厭世
殺傷事件の犯人の動機はさまざまだが、社会から孤立感を深めていった点は共通している。
「生きていることがつまらなくなった」と語ったのは金川被告。定職にも就かず、高校を卒業したころから人を殺して死にたいと思うようになったという。「複数殺せば死刑になれると思った」とも。
加藤被告も現実の社会に溶け込むことができず、「唯一の居場所」として逃げ込んだネット上の書き込みサイトでも相手にされなかった。事件後の調べでは、周囲や社会が悪いとしたうえで「自分の人生がいやになった」と供述した。
コンピューター会社の派遣社員で一時は月50万円以上の収入があったという小泉容疑者も「友人は1人もいなかった」といい、社会から孤立していた。「人生に未練がなくなった」とも供述している。
犠牲者が命を失った理由が、孤立感や人生へのあきらめという身勝手なものではとても浮かばれない。経済状況の悪化により同種の事件の増加が懸念される中、何が求められているのか。
「社会や共同体の横のつながりを取り戻すことが大切だ。隣人の名前を知らなかったり、何年も実家と連絡を取らないなど、現在の閉ざされたコミュニティー状況を変えていくしかないのでは」
作家の高村薫さんは、こう話した。
無差別殺傷事件を題材にした「決壊」を書いた作家、平野啓一郎さんは「犯人は社会が事件をどう受け止めたかを計算する。加藤被告も小泉容疑者もメディアを通じてインパクトを与えたいと思った点は共通している。事件が止まらない要因には、映像の向こう側で起きている事件をリアルと思えないから。起きたことへのリアリティーをどう高めて伝えていくかが大事になる」と指摘している。
このニュースの写真
関連ニュース
- 【衝撃事件の核心】変貌、カネ、奇行… 元次官襲撃・小泉毅容疑者の解剖
- 【衝撃事件の核心】愛犬の恨み34年 元次官宅襲撃・小泉容疑者の“綿密さと杜撰さ”
- 【衝撃事件の核心】生い立ち触れられると泣く容疑者 犯行への心の軌跡 分析・秋葉原通り魔事件(下)
- 【衝撃事件の核心】未熟、心の砂漠、軽さ、教育…秋葉原通り魔事件 識者はこう見る(下)
- 【衝撃事件の核心】親、テレビ、誇示、ゲーム感覚、苦境…秋葉原通り魔事件 識者はこう見る(上)
- 【衝撃事件の核心】「ツナギ動機」は口実? 乏しい説得力 分析・秋葉原通り魔事件(上)
- 【衝撃事件の核心】孤独感か、顕示欲か ネットに向かう「予告」「告白」
- 【衝撃事件の核心】“異常さ”乗り移った? 土浦から岡山に連鎖「無差別殺人犯」の「共通点と違い」