中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索

タミフル、今冬も使用中止を継続 厚労省、10代患者へ '08/12/30

 飛び降りなどの異常行動との関連が疑われ、二〇〇七年三月から十代患者への使用が原則中止されているインフルエンザ治療薬タミフルについて、厚生労働省は二十九日までに、使用を解禁すべきかどうかの判断を先送りし、少なくとも今冬は中止措置を継続する方針を決めた。

 異常行動などを調べた厚労省研究班の大規模疫学調査の精度に限界があり「性急な判断はできない」との見方が強まった。タミフルの扱いを最終判断する同省安全対策調査会の開催は来年二月以降にずれ込む見通しで、結論まで長期化する可能性もある。

 この疫学調査は、二〇〇六―〇七年の流行期にインフルエンザで医療機関にかかった十八歳未満の約一万人を対象に、服薬や異常行動の有無、その時刻などに関する調査票を医師、家族から回収し分析。タミフル服用の有無にかかわらず、一割程度に異常行動があったことが判明した。

 研究班は七月「服用と異常行動に関連は見られなかった」との見解を発表。だが解析対象のデータに限界があるとして「結論は慎重に解釈すべき」とも付け加えていた。

 関係者によると、当初は八月にも調査会で使用解禁の是非を検討する予定だったが、結果の処理の一部にミスが見つかったため、それを修復するとともにデータの検討を重ねた結果、集計から除外したデータの内容によっては結論が変わる可能性があることが明らかになり、「異常行動と服用との因果関係を明確に否定するのは難しい」との見方が強まった。

 厚労省は今後も小児科、内科を中心とした全国の医療機関を通じ、患者がどんな場合に異常行動を起こしやすいかなどの調査を継続する方針。




HomeTopBackNextLast
安全安心
おでかけ