日本人宇宙飛行士向けに開発された宇宙食。左から順に、サバのみそ煮、イワシのトマト煮、サンマのかば焼き=つくば市のマルハニチロホールディングス中央研
サバみそ煮が宇宙に――。国際宇宙ステーション(ISS)に日本人として初めて長期滞在する若田光一さんに日本ならではの魚料理を味わってもらおうと、つくば市内の食品加工会社研究所が「宇宙日本食」をつくった。レトルト技術を生かした宇宙食はサバやサンマなど青魚料理。11月末、地球を回るISSに届けられ、来年2月に若田さんが到着するのを待つ。飛行士の健康増進やストレス軽減につながると期待されている。
マルハニチロホールディングス(本社・東京)の中央研究所が開発した宇宙食はサバのみそ煮、イワシのトマト煮、サンマのかば焼きの3種類。日本人宇宙飛行士が所属する宇宙航空研究開発機構などから「魚介を使い、常温で1年以上保存できる日本食が欲しい」と04年に依頼され、研究所での試作、飛行士らによる試食会、1年間の保存試験などをへて、07年夏に宇宙日本食に認定された。
みそ煮とかば焼きは同社の缶詰にもある料理だが、トマト煮だけは宇宙食用に新たに開発。同研究所・副主管研究員の岡本清さん(40)は「トマト煮はバジル風味の自信作で女性に人気がある。サバみそ煮は外国人飛行士にも好評で意外だった」と話す。
味は濃いめ。宇宙では味覚が鈍るため、普通の味付けだと薄味に感じるためだ。
問題は、パックを開けたとたん、周囲に漂う魚臭さだった。魚臭さが苦手な外国人飛行士もいる。そこで、岡本さんらは300度近くに加熱した「過熱蒸気」で魚を焼き上げることでにおいを抑えた。パックを開けた時に汁が飛ばないよう、タレに粘度を持たせる工夫もした。
試食させてもらった。確かに少し濃いめの味。普通食と違う部分を探すとすれば、歯ごたえが若干しっかりしている所だろうか。