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【社会】

消極的受け入れ鮮明 裁判員制度「やりたくない」7割

2008年12月27日 朝刊

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 来年5月に始まる裁判員制度について、中日新聞は裁判員候補者になった人たちにアンケートを実施した。裁判員をやりたくない人が約7割。やりたくない人の中で辞退したい場合などに裁判所に出す「調査票」を返送した人は、4割にとどまっている。人を裁くのは嫌だけど、辞退理由に当てはまらないから受け入れざるを得ない−という候補者の苦悩が浮かび上がった。

 調査は東海や関東、北陸地方で裁判員候補者の通知を受け取った人のうち、本紙の調査で把握した53人を対象に、22−25日に実施。電話や電子メールで回答を得た。

 調査票を返送した候補者は16人(30%)。最高裁が19日に発表した全国の返送率40%をやや下回った。

 裁判員を「やりたくない」と答えたのは35人で「やりたい」(18人)のほぼ2倍。理由としては「素人がやっていいのか」「量刑を決めたくない」などが目立った。

 だが、やりたくない人のうち、調査票を返送したのは4割に当たる14人。

 出産や親族の介護など、辞退する理由がなく、受け入れざるを得ないとの判断があるとみられる。63歳の女性は「通知を受けて20日ほどたち、誰かがやらなきゃいけないとあきらめている」と話した。

 不安の有無では41人(77%)が「不安だ」と回答。裁判員を「やりたくない」とした人では83%、「やりたい」とした人でも67%。「専門知識がなく、何をすればいいか分からない」と漠然とした不安を感じる人が多かったほか、「地元でやるから知り合いを裁くかもしれない」(37歳女性)「冤罪(えんざい)を生むかも」(34歳男性)などの回答も。

 裁判員になった場合に、家事や仕事の調整が取れると答えたのは34人(64%)。有給休暇を取るなど、受け入れ態勢は浸透しつつあるようだ。

 裁判員制度の必要性を問うと「不要」が22人(42%)。続いて「どちらとも言えない」(18人、34%)。「必要」は13人(25%)だった。

 

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