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【三重】

「雇い止め」在日ブラジル人ら採用 四日市の社福法人、介護に戦力

2008年12月29日

車いすの扱い方の研修を受けるブラジル人職員ら=四日市市で

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 四日市市などで特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人「青山里会」が、「雇い止め」になった派遣社員の在日ブラジル人らを積極的に雇用している。景気悪化が深刻になった10月以降、21人を採用。外国人労働者からの問い合わせも相次ぐ。

 ミリアン・ヤエコさん(44)=四日市市笹川=は10月末、派遣社員として勤めていた桑名市の機械工場を解雇された。途方に暮れていた時に友人から同会のことを聞いて申し込んだところ、今月採用された。日本語が不自由なため、掃除やベッドメーキングなど担当する仕事は限られるが、「利用者に『ありがとう、また来てね』と言われるのが一番幸せ」と話す。

 同会は人手不足に対応するため、4月からブラジル人の受け入れを始めた。当初は求職者はなかったが、鈴鹿市で9月に開いた日系人向けの就職説明会で、女性1人を採用したのが口コミで広がった。特に県内で外国人労働者の雇い止めが多くなった11月ごろから問い合わせが増え、11月に8人、12月に10人を採用した。

 家族を大事にするブラジル人は高齢者への思いやりもあり「思った以上に利用者にもすんなりと受け入れられた」と同会の伊藤妙・介護部長(42)は話す。

 高齢者の介護にはコミュニケーションが欠かせないだけに、課題は言葉。同会は採用者に3カ月間行う教育の中に、介護の研修に加え、日本語学習を取り入れている。

 福祉現場の人手不足は深刻で、同会の三瀬正幸・人事室長(39)は「将来的には、外国人に日本の介護をある程度支えてもらうことになるだろう」と推測。今後も「介護の仕事を理解した人を採用したい」と話している。

 (土屋晴康)

 

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