2008年12月28日 19時8分更新
岡山大学の研究者が、シロアリが特定の物質を含んだ固まりを巣に運び込む習性があることを突き止め、シロアリを効果的に駆除する新しい技術の開発につながる可能性があるとして注目されています。
シロアリの習性について研究を行ったのは岡山大学大学院の松浦健二准教授です。
シロアリの働きアリは女王アリが産んだ卵を巣に運び、表面をなめて乾燥や病気から守っています。
松浦准教授は、シロアリが、卵のほかにカビの一種がつくる固まりも巣に運んで表面をなめる習性があることに注目し、こうした固まりや卵の表面にどんな物質があるか調べました。
その結果、「βグルコシダーゼ」と「リゾチーム」と呼ばれる2種類の物質が共通して存在することを突き止めました。
松浦准教授は、殺虫成分にこれらの物質を含ませることで、シロアリが自分で巣の中に運び込む殺虫剤を開発し効果的な駆除を実現できる可能性があるとしています。
松浦准教授は「今回の研究成果をもとに新しい殺虫剤が開発されればシロアリによる家屋の被害の防止につながるのではないか」と話しています。