鞍手町12月定例会は17日、最終本会議を開き、元職員(50)が町公金計約2億6200万円を横領したとされる事件に絡んだ2007年度の3会計決算の認定について、いずれも賛成反対同数となり仲野守議長の裁定で否決した。執行部は、この3決算は08年度決算で修正し、09年度に提案する。
否決したのは一般会計歳入歳出決算▽かんがい施設維持管理運営費特別会計歳入歳出決算▽谷山池パイプライン水利施設維持管理運営費特別会計歳入歳出決算。
一般会計決算は、収入となるはずの生命保険の団体取扱手数料106万円が横領されたため、「何も触れていない」として否決した。かんがい基金とパイプライン基金については、元職員が複数の基金から横領した計1億7090万円は、巧妙に穴埋めされ最終的にかんがい基金に集約していた。町も「かんがい基金からの横領」としたため、反対議員は「07年度決算では、かんがい基金が1億3090万円、パイプライン基金が4000万円と分離するべき」と主張した。
また元職員の進言で購入した欧州の仕組み債3件のうち、5月にかんがい基金の3億円で購入した1件で、豪州ドルの下落で約1億8300万円分(10日現在)の価値に落ちていることも分かった。町幹部は「満期は30年。今後の動向を静観していく」と話した。
この日は、約1億9800万円を増額する本年度一般会計補正予算案など23議案を可決し、閉会した。
=2008/12/18付 西日本新聞朝刊=