同紙によると、地上げが行われたのはJR渋谷駅に近い渋谷区南平台の商業地(約6948平方メートル)。地上げを仕掛けた元社長は住宅販売会社を介在させる融資を東京三菱銀行の新宿副都心支店幹部(当時)に相談し、同支店が“迂回融資”を了承したとされる。
同行の呼びかけで他の銀行も加わった融資総額は216億円に達し、土地の転売に成功した元社長側は約90億円の利益を得たという。
元社長は1991年ごろ、指定暴力団極東会組長(95年に死亡)らと連携し、横浜市にある自動車学校の経営権取得や敷地の地上げを画策。職員の労働組合がこれを不当として起こした訴訟の判決で、「(元社長は)暴力団組長と交際し、一緒に地上げを計画した」と認定されている。
映画「金融腐食列島『呪縛』」でも描かれたように、90年代後半、大手銀による総会屋への利益供与事件が続発。全国銀行協会連合会(当時)は、暴力団などとの絶縁を宣言した倫理憲章を採択したが、今回発覚した融資は同憲章採択後の03−05年のこと。
三菱東京UFJ銀行広報部は同紙の取材に「個別のことなのでコメントできない」としている。