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【疑惑の濁流】核開発、偽札づくり…浮かび上がる特定失踪者と国家事業とのつながり (1/4ページ)

2008.12.28 21:15
このニュースのトピックス疑惑の濁流
核開発関連機器を北朝鮮に不正輸出していたとして、外為法違反容疑で捜索を受けた貿易商社「明伸」を出る捜査車両=平成15年5月8日、東京都大田区糀谷核開発関連機器を北朝鮮に不正輸出していたとして、外為法違反容疑で捜索を受けた貿易商社「明伸」を出る捜査車両=平成15年5月8日、東京都大田区糀谷

 印刷工、医療技術者、原子力関連技術者…。北朝鮮による拉致被害者を調べている「特定失踪(しっそう)者問題調査会」(荒木和博代表)は、失踪者の職業や経歴、失跡状況などを特徴ごとに整理した「マッピングリスト」を作成している。いずれも「拉致被害者」としては認定されていないが、北朝鮮に拉致されたとするならば、狙いをつけて“対象者”を絞り込んでいたという推論も成り立つ。リストが示す特徴からは、北朝鮮が進めてきた悪名高い「国家事業」とのつながりが浮かび上がっている。

■偽札…「時間的な整合性」

 オフセット技術者や印刷工、写真印刷技術者など印刷関係の特殊な技術を持っていたり、印刷会社に勤務していた失踪者は10人いる。大半は昭和40年代にこつ然と姿を消した。

 外貨獲得のため、国家ぐるみで偽札製造にかかわってきたとされる北朝鮮。その偽札は50〜60年代から流通し始めていた。その前に、世界的にも名高い日本の印刷技術を持つ人たちが消息を絶ったという事実は、何を意味するのか。

 「使う目的は一つしかない。偽札づくりだ」

 こう推測するのは、調査会の荒木代表だ。「行方不明になった時期と、偽札が流通し始めた時期に、時間的な整合性がある」と説明する。

 「スーパーK」「スーパーノート」「スーパーX」…。1990年代以降、世界各国で流通が確認された偽ドル札。いずれも高度な技術が使われ、流通には北朝鮮外交官の関与も指摘されてきた。バージョンアップするごとに増す精巧さは、北朝鮮が絶えず技術改良を加えていたからにほかならない。

 北朝鮮は平成6年から約20回にわたり、日本で入手した偽ドル鑑定機を新潟−元山経由で搬入。並行して印刷用の特殊化学物質も運び込んだという情報を公安当局は把握しているほか、「偽札鑑定機を日本から共和国へ輸出した」と証言する在日商工人もいる。

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