東京都新宿区のホテル、ヒルトン東京の直営フランス料理店「トゥエンティワン」の料理に関して不当表示があったとして、公正取引委員会が12月16日付けで運営会社の日本ヒルトンに排除命令を出した。2007年2月〜2008年9月に、実際はほとんど料理に使っていない岩手県の高級和牛「前沢牛」をメニューに記載するなどの景品表示法違反(優良誤認)があった。
トゥエンティワンは、2007年発行の「ミシュランガイド東京2008」で2つ星の評価を受けた店舗。公取委によると同店はメニューで事実と異なる表示をしたほか、2008年4〜9月にポスターでミシュランガイドの評価を引用し、「ホテルレストランで最高レベルの2ツ星を獲得したトゥエンティワンフレンチ・ダイニングではオーガニック野菜や厳選された前沢牛を用いたフレンチをスタイリッシュな店内にてお楽しみいただけます」と記載した。しかし料理に使った牛肉の大部分は前沢牛ではなく、野菜も大部分はオーガニック野菜ではなかった。
これに加え2008年7〜9月には、メニューに「北海道産ボタン海老のマリネ 紫蘇とジンジャーの香り」と表示していたが、料理に使ったボタンエビはすべてカナダ産だった。
公取委は、日本ヒルトンに再発防止策の実施と文書による報告を命じた。同社は12月16日付けで、事態を重く受け止めるとの声明を出した。なおトゥエンティワンはすでに閉店し、ヒルトン東京では現在、ミシュランガイドで1つ星を獲得したフランス・パリのレストラン「Le Pergolese」の名を冠する店舗が営業している。
■関連情報
・公正取引委員会のWebサイト http://www.jftc.go.jp/
・日本ヒルトンのWebサイト http://www.hilton.co.jp/