2008年12月
2008年12月28日
領土問題の解決には地道なロビイ活動が必要である
産経新聞１２月２８日付朝刊に「竹島熱狂、ついに映画化」と題した記事が掲載されている。是非ご覧いただきたい。
記事は、
「日韓が領有権を主張し、韓国が実効支配する竹島（韓国名・独島（トクト）を主題にしたドキュメンタリー映画『ごめんね、独島よ』が３１日、韓国約１００カ所の劇場で封切られる。竹島をテーマにした映画の劇場公開は初めて。竹島に日の丸が刺さった刺激的なポスターなどで話題を呼んでいる。」
と「今夏に米紙ニューヨーク・タイムズなどに『独島は東海（日本海）に浮かぶ韓国固有の領土』と訴える全面広告の掲載を企画した」人物が企画プロデューサーとなっている映画について触れている。
この映画が何の根拠もないことは、外務省ホームページの竹島問題などをご覧になれば明らかであるが、竹島の隠岐島司の所管とする告示時点では第二次日韓協約は締結されておらず、韓国側がしきりに主張している告示時点で韓国の外交権が日本にう奪われていたという主張をつぶしておくだけとする。
この映画の根幹に流れる主張自体が誤ったものであることは明らかであるが、情報の洪水によって韓国の竹島領有権を既成事実化させるということが目的であることは明らかである。この主張は例えれば子どもの駄々の類であると言える。しかし事実関係で日本に理があるとして大人の対応をするということは最悪の対応である。そのような大人の対応によっていわゆる「南京大虐殺」であるとかいわゆる「従軍慰安婦」が国際問題化してきたのである。外務省は即座に駐日本韓国大使を呼び出して抗議するとともに、国連をはじめとする国際機関に対しロビイ活動を繰り広げるべきである。
言うべき時に言わないことは認めたことと同じである。政府にはこの国際社会の冷厳な掟を肝に銘じて外交を行うべきであろう。
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記事は、
「日韓が領有権を主張し、韓国が実効支配する竹島（韓国名・独島（トクト）を主題にしたドキュメンタリー映画『ごめんね、独島よ』が３１日、韓国約１００カ所の劇場で封切られる。竹島をテーマにした映画の劇場公開は初めて。竹島に日の丸が刺さった刺激的なポスターなどで話題を呼んでいる。」
と「今夏に米紙ニューヨーク・タイムズなどに『独島は東海（日本海）に浮かぶ韓国固有の領土』と訴える全面広告の掲載を企画した」人物が企画プロデューサーとなっている映画について触れている。
この映画が何の根拠もないことは、外務省ホームページの竹島問題などをご覧になれば明らかであるが、竹島の隠岐島司の所管とする告示時点では第二次日韓協約は締結されておらず、韓国側がしきりに主張している告示時点で韓国の外交権が日本にう奪われていたという主張をつぶしておくだけとする。
この映画の根幹に流れる主張自体が誤ったものであることは明らかであるが、情報の洪水によって韓国の竹島領有権を既成事実化させるということが目的であることは明らかである。この主張は例えれば子どもの駄々の類であると言える。しかし事実関係で日本に理があるとして大人の対応をするということは最悪の対応である。そのような大人の対応によっていわゆる「南京大虐殺」であるとかいわゆる「従軍慰安婦」が国際問題化してきたのである。外務省は即座に駐日本韓国大使を呼び出して抗議するとともに、国連をはじめとする国際機関に対しロビイ活動を繰り広げるべきである。
言うべき時に言わないことは認めたことと同じである。政府にはこの国際社会の冷厳な掟を肝に銘じて外交を行うべきであろう。
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2008年12月27日
「社会が悪い」を言い換えただけの毎日新聞
毎日新聞１２月２２日付朝刊に「通り魔続発 心の栄養失調が凶行へ誘う」と題した社説が掲載されている。是非ご一読いただきたい。
社説は、
「通り魔事件が多発した一年だった。警察庁によると、１１月末までに１３件発生し、４２人が死傷した。最近１０年の平均件数６．７件の約２倍だ。」
という状況に対し分析するものとなっており、秋葉原の通り魔事件について
「歩行者天国に車で突っ込み、さらにナイフで次々に襲い掛かるという凶行で、７人が死亡し、１０人が負傷する未曽有の惨事となった。逮捕された当時２５歳の男は自動車部品工場の派遣社員で、『ネットで無視された』などと供述したためインターネットの功罪をめぐる論議が広がった。同時に、非正規労働者をめぐる問題がクローズアップされる契機となり、労働者派遣法の見直しにもつながった。今になってみれば、“派遣切り”など最近の社会状況を予感させる事件ではあった。」
という分析を行い、
「秋葉原の事件を起こした男は、両親との関係がしっくりいかず、孤立感を深めていたという。８月に東京・渋谷で２人を刺した当時７９歳の女性は身寄りがなく、刑務所に死に場所を求めていた。通り魔とは別だが、元厚生次官宅を連続襲撃した男も実家とは疎遠だった。いずれもすがるべき家族や相談相手に恵まれず、心の栄養失調に陥った揚げ句の犯行でなかったか。」
と結論付けるが、中学生による神戸連続児童殺害事件当時流行った「社会が悪い」という論を言い換えただけのことである。
その神戸連続児童殺害事件においては様々な要因が挙げられ、中にはニュータウンが悪いというものまで現れたが、容疑者の中学生の動機は性的要因が大きかったことが明らかになっている。このような凶悪事件が発生したときに、同じ人間の中に凶悪な者がいることを認めたくないためか、本人以外の何かにのみ原因を求めることはよくあることであるが、それは真実から遠ざかる行為である。同じ人間の中にも凶悪な者は存在し、「心の栄養状態」が良好なら他人を攻撃しない者、「心の栄養状態」に関係なく他人を攻撃する者と様々である。
「泥酔論説委員の日経の読み方」において述べられているように、東京都港区のマンションにおけるシンドラーエレベーター製のエレベーターの事故によって都立高校の男子学生が死亡した事故は、あれほど原因として糾弾されたシンドラーエレベーターではなくメンテナンス会社に大きな原因があり（「エレベーター高２死亡事故、点検作業員を月内にも立件」より）、東京ビックサイトのエスカレーター停止事故においては、マスコミが主原因ではないかと報じた客の殺到ではなく、エスカレーターの最大積載量とそれを把握していなかった主催者に大きな原因があったことが明らかになっている（「エスカレーター ブレーキ、9.3トンが限界」より）。いずれもマスコミの思い込みに基づく誤った報道であったと言える。
報道において最も必要なものは予断を廃した姿勢である。マスコミはそれを叩き込まなければならないはずである。
なお、朝木明代元東村山市議会議員の転落死をめぐる一連の騒動において、万引き被害者の店舗が創価学会の信者であると何の根拠もなく述べ、そればかりではなく万引きをでっち上げたなどと述べる詐称ジャーナリスト瀬戸弘幸氏、法律知識にうとい行政書士黒田大輔氏、店舗襲撃を行った桜井誠氏、西村修平氏らにも心がけてほしいことであることは言うまでもない。
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「通り魔事件が多発した一年だった。警察庁によると、１１月末までに１３件発生し、４２人が死傷した。最近１０年の平均件数６．７件の約２倍だ。」
という状況に対し分析するものとなっており、秋葉原の通り魔事件について
「歩行者天国に車で突っ込み、さらにナイフで次々に襲い掛かるという凶行で、７人が死亡し、１０人が負傷する未曽有の惨事となった。逮捕された当時２５歳の男は自動車部品工場の派遣社員で、『ネットで無視された』などと供述したためインターネットの功罪をめぐる論議が広がった。同時に、非正規労働者をめぐる問題がクローズアップされる契機となり、労働者派遣法の見直しにもつながった。今になってみれば、“派遣切り”など最近の社会状況を予感させる事件ではあった。」
という分析を行い、
「秋葉原の事件を起こした男は、両親との関係がしっくりいかず、孤立感を深めていたという。８月に東京・渋谷で２人を刺した当時７９歳の女性は身寄りがなく、刑務所に死に場所を求めていた。通り魔とは別だが、元厚生次官宅を連続襲撃した男も実家とは疎遠だった。いずれもすがるべき家族や相談相手に恵まれず、心の栄養失調に陥った揚げ句の犯行でなかったか。」
と結論付けるが、中学生による神戸連続児童殺害事件当時流行った「社会が悪い」という論を言い換えただけのことである。
その神戸連続児童殺害事件においては様々な要因が挙げられ、中にはニュータウンが悪いというものまで現れたが、容疑者の中学生の動機は性的要因が大きかったことが明らかになっている。このような凶悪事件が発生したときに、同じ人間の中に凶悪な者がいることを認めたくないためか、本人以外の何かにのみ原因を求めることはよくあることであるが、それは真実から遠ざかる行為である。同じ人間の中にも凶悪な者は存在し、「心の栄養状態」が良好なら他人を攻撃しない者、「心の栄養状態」に関係なく他人を攻撃する者と様々である。
「泥酔論説委員の日経の読み方」において述べられているように、東京都港区のマンションにおけるシンドラーエレベーター製のエレベーターの事故によって都立高校の男子学生が死亡した事故は、あれほど原因として糾弾されたシンドラーエレベーターではなくメンテナンス会社に大きな原因があり（「エレベーター高２死亡事故、点検作業員を月内にも立件」より）、東京ビックサイトのエスカレーター停止事故においては、マスコミが主原因ではないかと報じた客の殺到ではなく、エスカレーターの最大積載量とそれを把握していなかった主催者に大きな原因があったことが明らかになっている（「エスカレーター ブレーキ、9.3トンが限界」より）。いずれもマスコミの思い込みに基づく誤った報道であったと言える。
報道において最も必要なものは予断を廃した姿勢である。マスコミはそれを叩き込まなければならないはずである。
なお、朝木明代元東村山市議会議員の転落死をめぐる一連の騒動において、万引き被害者の店舗が創価学会の信者であると何の根拠もなく述べ、そればかりではなく万引きをでっち上げたなどと述べる詐称ジャーナリスト瀬戸弘幸氏、法律知識にうとい行政書士黒田大輔氏、店舗襲撃を行った桜井誠氏、西村修平氏らにも心がけてほしいことであることは言うまでもない。
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国際社会との付き合いは発信と受信である
拙稿「高校の新学習指導要領と英語教育」でも触れているが、今回も英語教育を含めた教育問題について触れてみたい。よろしくお付き合いいただきたい。
英語を学ぶということは教養として他国の文化に触れるためであると私は述べたが、それはもう一つの目的として国際化というものがあるのは言うまでもない。そのために英語教育を含めた外国語教育は重要である。しかしそれは国際化の一面でしかない。
日本のモータースポーツの黎明期に現れた浮谷東次郎氏は独力でアメリカに留学したが、日本の文化について造詣の深い浮谷氏は留学中日本の文化について発信し続けた。彼に接したアメリカ人は日本の文化について大いに学ぶことができたという。
浮谷氏の例でわかるように国際社会との付き合いは受信と発信である。人間同士の付き合いでも相手のことをよく知ることとともに自らを知ってもらうということにより深い信頼関係が築かれる。日本人が外国人と付き合うこともそれと同様である。ただし日本と別の国という国籍の違いがあるため、それぞれの祖国について知ることも知らせることも重要となる。つまり個人としての受信と発信、自らの背景である祖国についての受信と発信が国際社会との付き合いなのである。
このように考えると英語教育をはじめとした日本の国際社会に対する付き合いの準備としての教育がまるでなっていないことがわかる。外国語を学び外国の文化に触れる受信という面に偏重しているからである。現在の教育で重要なのは日本をより理解し説明できるだけの教養である。日本の宗教観、能や歌舞伎、文学をはじめとした日本の文化、日本の歴史などに外国に説明することができる教養が重要なのである。
日本人は自らの意見をはっきりと述べないと言われることがよくある。それは日本人としての特質の影響もあろうが、日本についてはっきりと述べるだけの教養が不足しているという面も否めないであろう。そう考えると日本の教育の方向も見えてくるというものである。
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英語を学ぶということは教養として他国の文化に触れるためであると私は述べたが、それはもう一つの目的として国際化というものがあるのは言うまでもない。そのために英語教育を含めた外国語教育は重要である。しかしそれは国際化の一面でしかない。
日本のモータースポーツの黎明期に現れた浮谷東次郎氏は独力でアメリカに留学したが、日本の文化について造詣の深い浮谷氏は留学中日本の文化について発信し続けた。彼に接したアメリカ人は日本の文化について大いに学ぶことができたという。
浮谷氏の例でわかるように国際社会との付き合いは受信と発信である。人間同士の付き合いでも相手のことをよく知ることとともに自らを知ってもらうということにより深い信頼関係が築かれる。日本人が外国人と付き合うこともそれと同様である。ただし日本と別の国という国籍の違いがあるため、それぞれの祖国について知ることも知らせることも重要となる。つまり個人としての受信と発信、自らの背景である祖国についての受信と発信が国際社会との付き合いなのである。
このように考えると英語教育をはじめとした日本の国際社会に対する付き合いの準備としての教育がまるでなっていないことがわかる。外国語を学び外国の文化に触れる受信という面に偏重しているからである。現在の教育で重要なのは日本をより理解し説明できるだけの教養である。日本の宗教観、能や歌舞伎、文学をはじめとした日本の文化、日本の歴史などに外国に説明することができる教養が重要なのである。
日本人は自らの意見をはっきりと述べないと言われることがよくある。それは日本人としての特質の影響もあろうが、日本についてはっきりと述べるだけの教養が不足しているという面も否めないであろう。そう考えると日本の教育の方向も見えてくるというものである。
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2008年12月26日
裁判員制度に対する無知を覆い隠す朝日新聞社説
朝日新聞１２月２６日付朝刊に「裁判員制度 裁判官も公判には白紙で」と題した社説を掲載している。是非ご一読いただきたい。
社説は、広島市で小学１年の女児を殺害したホセ・マヌエル・トレス・ヤギ被告に対する広島高裁の判決を取り上げ、裁判員制度について述べるものとなっている。
まず、
「刑事裁判は『真実発見の場』といわれる。それは当事者である検察、被告・弁護側の双方が証拠を出しあって、お互いの言い分をぶつけ合いながら真相の解明に努めるからだ。」
と述べる社説は、「肝心の証拠を十分出せずに審理が尽くされない」例としてトレス・ヤギ被告に対する広島地裁の判決を挙げている。そして、
「今回の事件で一審の裁判官は、公判前整理手続きの段階で判決に至る道筋まで決めようとして、争点や証拠を絞り込みすぎたのではないか。」
と批判するが、朝日新聞自身が平成２０年１月８日付朝刊社説「裁判の明日 プロ任せの時代が終わる」において
「無作為に選ばれた国民が裁判官と一緒に法廷で、有罪か無罪かを決める。裁判に市民感覚を取り入れ、審理も早めるのが狙いだ。」
と裁判員制度の素晴らしさを述べていたことを忘れてはいけない。それに対し私は、「裁判員制度を考える」において
「裁判官は法律を懸命に学び、更に研修や職務経験を積んでいるはずである。どのような人生経験を積んでいようと素人の国民はその域には到底及ばない。つまり、裁判員制度を含む陪審制は裁判の公正などにおいて職業裁判官に及ばないことは明らかなのである。裁判が市民感覚からかけ離れている場合の処方箋は、裁判官に市民感覚を持たせるか国民が法律を熟知して裁判に参加するかのいずれかしかないが、前者が現実的な処方箋と言うべきで後者はいささか夢想的である。」
と批判した。そしてこれにもう一点付け加えたい。裁判員制度による裁判はこの広島地裁の判決より酷いものとなることが予想される。プロの裁判官に代わって素人の裁判員が参加し、分不相応に表決に参加し量刑も考えるのである。混乱しないほうがおかしい。裁判員制度は国民が裁判に参加することによって遵法精神の育成を図るというメリットと引き換えに、裁判制度を大混乱に導き裁判に対する国民の信頼を失わせるという大きなデメリットを生むのである。そもそも裁判員制度のメリットすら述べられない朝日新聞に裁判員制度を語る資格があるとは思わない。
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社説は、広島市で小学１年の女児を殺害したホセ・マヌエル・トレス・ヤギ被告に対する広島高裁の判決を取り上げ、裁判員制度について述べるものとなっている。
まず、
「刑事裁判は『真実発見の場』といわれる。それは当事者である検察、被告・弁護側の双方が証拠を出しあって、お互いの言い分をぶつけ合いながら真相の解明に努めるからだ。」
と述べる社説は、「肝心の証拠を十分出せずに審理が尽くされない」例としてトレス・ヤギ被告に対する広島地裁の判決を挙げている。そして、
「今回の事件で一審の裁判官は、公判前整理手続きの段階で判決に至る道筋まで決めようとして、争点や証拠を絞り込みすぎたのではないか。」
と批判するが、朝日新聞自身が平成２０年１月８日付朝刊社説「裁判の明日 プロ任せの時代が終わる」において
「無作為に選ばれた国民が裁判官と一緒に法廷で、有罪か無罪かを決める。裁判に市民感覚を取り入れ、審理も早めるのが狙いだ。」
と裁判員制度の素晴らしさを述べていたことを忘れてはいけない。それに対し私は、「裁判員制度を考える」において
「裁判官は法律を懸命に学び、更に研修や職務経験を積んでいるはずである。どのような人生経験を積んでいようと素人の国民はその域には到底及ばない。つまり、裁判員制度を含む陪審制は裁判の公正などにおいて職業裁判官に及ばないことは明らかなのである。裁判が市民感覚からかけ離れている場合の処方箋は、裁判官に市民感覚を持たせるか国民が法律を熟知して裁判に参加するかのいずれかしかないが、前者が現実的な処方箋と言うべきで後者はいささか夢想的である。」
と批判した。そしてこれにもう一点付け加えたい。裁判員制度による裁判はこの広島地裁の判決より酷いものとなることが予想される。プロの裁判官に代わって素人の裁判員が参加し、分不相応に表決に参加し量刑も考えるのである。混乱しないほうがおかしい。裁判員制度は国民が裁判に参加することによって遵法精神の育成を図るというメリットと引き換えに、裁判制度を大混乱に導き裁判に対する国民の信頼を失わせるという大きなデメリットを生むのである。そもそも裁判員制度のメリットすら述べられない朝日新聞に裁判員制度を語る資格があるとは思わない。
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2008年12月25日
自ら考えることができない者はレッテル貼りで安心する
瀬戸弘幸氏が自らのブログ「せと弘幸Ｂｌｏｇ『日本よ何処へ』」の「＜活動報告＞有楽町街頭演説会」と題したエントリーにおいて黒田大輔氏に対して提起された名誉毀損を原因とする損害賠償請求訴訟の攻撃防御手段である自らの証言方針について述べている。是非ご覧いただきたい。
瀬戸氏は、
「私は裁判では下記のことを証言するつもりです。これによって宇留嶋氏が黒田代表を訴えた『創価学会の工作員ではない』という主張は崩れ去ることになります。」
と述べ、
「� 愀邊�タイムス』は、原告宇留嶋瑞郎の原稿を月刊タイムスに掲載するに当たって、仮に訴訟事件になった場合は、弁護士費用などを含め、一切を創価学会が負担するということで原告宇留嶋の署名記事の掲載を引き受けた事実」
をはじめ延々と述べている。この主張を見る限り瀬戸氏は黒田氏が裁判に勝つためには何を証明しなければならないかがわかっていないことがよくわかる。
名誉毀損を原因とする損害賠償請求訴訟を提起された被告である黒田氏は、まず宇留嶋氏の主張である
「宇留嶋瑞郎氏の画像に落書きをしたことが宇留嶋氏の名誉を毀損していること」
の主張の証明を失敗させなければならない。これが名誉を毀損していることは明らかであるから、今度は黒田氏が
「宇留嶋氏の画像に落書きをしたことが公益のために行ったこと」
を証明しなければならない。後者の証明に失敗すれば黒田氏に対する損害賠償請求は認容される。そして黒田氏が落書きしたことが真実であるか否かが論点となるのは、後者の証明に成功した後なのである。
「これだけでも裁判官が認めれば、この黒田さんへの提訴も棄却されるでしょう。」
と述べる瀬戸氏は、裁判に無知であることがこれだけで明らかである。その前提であるこの証明を行わない限り、証言そのものが裁判で相手にされない。あるいは弁論準備手続きにおいて却下され証言そのものが不可能となる。瀬戸氏が証言をどうしても行いたいなら、黒田氏が敗訴すると黒田氏を扇動した自らに対して損害賠償請求訴訟が行われるおそれがあるとして民事訴訟法４２条の規定に基づく補助参加すればよいのである。補助参加することによって黒田氏と宇留嶋氏の裁判における判決の効果が瀬戸氏にも及ぶことになるが「行動する詐称ジャーナリスト」であるなら行動あるのみであろう。
そして黒田大輔氏は「『毎日・創価球団祭り』のご報告（超簡易版）」のコメント欄において、
「最近、妙なトラックバックをする輩がいます。
上の二つがそうですが、他にも一ついます。
カルト系なんでしょうか？ 当方のイメージ
ダウンをしたくて仕方ないんでしょうか？
まあ、せいぜい頑張って下さい。でも虚偽は
いかんよ（笑）
純粋な提案者や批判者か、単なる工作員かは
皆さんが実際に目で見てご判断ください。」
と述べている。非常にわかりやすいが、批判内容に一切反論せず、レッテル貼りを行ったうえで申し訳程度に「皆さんが実際に目で見てご判断ください」と述べているのである。このような批判方法は自らの見解に反する者を「右翼」とレッテル貼りする朝日新聞とそっくりである。右も左もまともでない者が行う批判方法は同じということであろう。
しかし不思議なのは客商売である黒田氏があれだけの街頭宣伝活動を行うことができるという事実である。行政書士の仕事の中で建設業の許可及び経営審査及び車庫証明は不況のあおりで仕事は減っていることは想像できるものの、農地転用、開発許可、帰化申請をはじめとして行政書士の行う仕事は数多くある。会計記帳の仕事を行う行政書士すら存在するくらいである。また、社会保険労務士は複雑な雇用形態の中で労務管理のプロとして腕の見せ所であると言える。そのような状況において平気で平日に街頭宣伝活動を行う行政書士兼社会保険労務士がいるのが不思議である。街頭宣伝活動より国際グラフという雑誌の真贋を見極める目を養った方がよさそうである。
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「私は裁判では下記のことを証言するつもりです。これによって宇留嶋氏が黒田代表を訴えた『創価学会の工作員ではない』という主張は崩れ去ることになります。」
と述べ、
「� 愀邊�タイムス』は、原告宇留嶋瑞郎の原稿を月刊タイムスに掲載するに当たって、仮に訴訟事件になった場合は、弁護士費用などを含め、一切を創価学会が負担するということで原告宇留嶋の署名記事の掲載を引き受けた事実」
をはじめ延々と述べている。この主張を見る限り瀬戸氏は黒田氏が裁判に勝つためには何を証明しなければならないかがわかっていないことがよくわかる。
名誉毀損を原因とする損害賠償請求訴訟を提起された被告である黒田氏は、まず宇留嶋氏の主張である
「宇留嶋瑞郎氏の画像に落書きをしたことが宇留嶋氏の名誉を毀損していること」
の主張の証明を失敗させなければならない。これが名誉を毀損していることは明らかであるから、今度は黒田氏が
「宇留嶋氏の画像に落書きをしたことが公益のために行ったこと」
を証明しなければならない。後者の証明に失敗すれば黒田氏に対する損害賠償請求は認容される。そして黒田氏が落書きしたことが真実であるか否かが論点となるのは、後者の証明に成功した後なのである。
「これだけでも裁判官が認めれば、この黒田さんへの提訴も棄却されるでしょう。」
と述べる瀬戸氏は、裁判に無知であることがこれだけで明らかである。その前提であるこの証明を行わない限り、証言そのものが裁判で相手にされない。あるいは弁論準備手続きにおいて却下され証言そのものが不可能となる。瀬戸氏が証言をどうしても行いたいなら、黒田氏が敗訴すると黒田氏を扇動した自らに対して損害賠償請求訴訟が行われるおそれがあるとして民事訴訟法４２条の規定に基づく補助参加すればよいのである。補助参加することによって黒田氏と宇留嶋氏の裁判における判決の効果が瀬戸氏にも及ぶことになるが「行動する詐称ジャーナリスト」であるなら行動あるのみであろう。
そして黒田大輔氏は「『毎日・創価球団祭り』のご報告（超簡易版）」のコメント欄において、
「最近、妙なトラックバックをする輩がいます。
上の二つがそうですが、他にも一ついます。
カルト系なんでしょうか？ 当方のイメージ
ダウンをしたくて仕方ないんでしょうか？
まあ、せいぜい頑張って下さい。でも虚偽は
いかんよ（笑）
純粋な提案者や批判者か、単なる工作員かは
皆さんが実際に目で見てご判断ください。」
と述べている。非常にわかりやすいが、批判内容に一切反論せず、レッテル貼りを行ったうえで申し訳程度に「皆さんが実際に目で見てご判断ください」と述べているのである。このような批判方法は自らの見解に反する者を「右翼」とレッテル貼りする朝日新聞とそっくりである。右も左もまともでない者が行う批判方法は同じということであろう。
しかし不思議なのは客商売である黒田氏があれだけの街頭宣伝活動を行うことができるという事実である。行政書士の仕事の中で建設業の許可及び経営審査及び車庫証明は不況のあおりで仕事は減っていることは想像できるものの、農地転用、開発許可、帰化申請をはじめとして行政書士の行う仕事は数多くある。会計記帳の仕事を行う行政書士すら存在するくらいである。また、社会保険労務士は複雑な雇用形態の中で労務管理のプロとして腕の見せ所であると言える。そのような状況において平気で平日に街頭宣伝活動を行う行政書士兼社会保険労務士がいるのが不思議である。街頭宣伝活動より国際グラフという雑誌の真贋を見極める目を養った方がよさそうである。
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死刑判決と死刑執行数の比較は無意味である
毎日新聞１２月２２日付朝刊に「今年の執行数が確定者数上回る 執行の加速鮮明に」と題した記事が掲載されている。是非ご覧いただきたい。
記事は、
「今年１年間に死刑を執行された人数が、９年ぶりに年間の死刑確定者数を上回ることが確実になった。２１日までに１５人が死刑を執行された一方、死刑判決の確定者は１０人。厳罰化の流れや確定死刑囚の増加を背景に、刑執行を加速する法務省の姿勢が鮮明になった。」
と死刑の執行数の増加を分析するものとなっている。しかし果たしてそうか。
明確にはされていないが死刑執行を行うにあたってはいくつか条件があるようである。死刑が確定した犯罪において冤罪の疑いがないことや死刑確定囚が精神疾患を患っていないことなどがその条件であるとされている。そのため死刑確定囚のほとんどが再審請求を行い、何とか死刑執行を遅らせようとしている。
死刑確定囚が多くなれば死刑執行に適した者が多くなるのは必然である。死刑確定囚が少ない時点における死刑執行人数と新たな確定者数の比較と、死刑確定囚が多くなった現在の死刑執行人数と新たな死刑確定者数の比較はその母体自体の数が違うため同じ土俵に立った比較とは言えない。そのような比較を平気で行うこと自体公正な報道ではないのは明らかである。
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「今年１年間に死刑を執行された人数が、９年ぶりに年間の死刑確定者数を上回ることが確実になった。２１日までに１５人が死刑を執行された一方、死刑判決の確定者は１０人。厳罰化の流れや確定死刑囚の増加を背景に、刑執行を加速する法務省の姿勢が鮮明になった。」
と死刑の執行数の増加を分析するものとなっている。しかし果たしてそうか。
明確にはされていないが死刑執行を行うにあたってはいくつか条件があるようである。死刑が確定した犯罪において冤罪の疑いがないことや死刑確定囚が精神疾患を患っていないことなどがその条件であるとされている。そのため死刑確定囚のほとんどが再審請求を行い、何とか死刑執行を遅らせようとしている。
死刑確定囚が多くなれば死刑執行に適した者が多くなるのは必然である。死刑確定囚が少ない時点における死刑執行人数と新たな確定者数の比較と、死刑確定囚が多くなった現在の死刑執行人数と新たな死刑確定者数の比較はその母体自体の数が違うため同じ土俵に立った比較とは言えない。そのような比較を平気で行うこと自体公正な報道ではないのは明らかである。
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2008年12月24日
日本の美と醜を見た日（追記、修正あり）
昨日は、内藤大助の世界タイトルマッチを観戦しに行く前に一般参賀に向かった。恥ずかしながら東京在住ではないこともあり、皇居を訪れるのは初めてであった。
手荷物のチェックとボディチェックを受け、宮殿に向かう。冬空に浮かぶ伏見櫓が美しい。
時間が合い１１時４０分の天皇陛下、皇后陛下、皇太子殿下、皇太子妃殿下、秋篠宮殿下、秋篠宮妃殿下のお出ましを見ることができた。宮殿・長和殿ベランダへの入り口が開くと一斉に国旗が振られ、天皇陛下をはじめとするご皇族がお見えになった。皇太子妃殿下について様々なマスコミの報道があり非常に心配していたが、お元気そうな姿を見ることができて安堵した。そして天皇陛下がお言葉を述べられた。天皇陛下は自らの体調で心配をかけたことを詫び、経済状況に触れ国民の生活を感じるお言葉を述べられた。天皇陛下のお言葉を一言で表現すると「無私」に尽きる。
天皇陛下がこのような人格者であることは素晴らしいことであるが、天皇陛下が尊いのはその血が尊いからである。男系で継承されるということが千年以上続けられ、その血を体現している存在が天皇陛下でありご皇族なのである。そしてその継承が伝統となって根付いていることに日本の日本たる所以がある。それは拙稿「凪の法律談義 ３ 〜日本の統治機構の構造〜」で
「日本の統治機構は重要な行為をほとんど自らの名で行う天皇と、立法、行政、司法の三権を持つ国会、内閣、裁判所に分かれている。つまり天皇が権威を独占し、三権を司るそれぞれが権力を独占するという権威と権力の分離がなされている。」
と述べたように、日本の統治機構にも大きな影響を与えている。天皇陛下のご健勝とご皇族の繁栄を祈りながら皇居を後にした。
そして向かった先は銀座である。銀座はこうなっていた。５０人どころか見ている者を含めてもその半分を満たすかどうかという閑散とした街頭宣伝活動で、近くで行っていた宗教団体の街頭宣伝の方が多いくらいであった。それでいてクリスマスが近い銀座の雰囲気を壊すだけ壊す下品な物言いであった。沖縄の詐称１１万人という県民集会など集まった人数を詐称するのは左翼のお得意の手法であるが、日護会もまた同類であることがわかる。そもそも動員をかけて５０人ということ自体問題であるが、その人数を詐称しているのであるからさらに始末に終えない。
その主催者である黒田大輔氏はジャーナリストの宇留嶋瑞郎氏の顔写真に子どもじみた落書きを行い名誉毀損で損害賠償訴訟を提起され、現在管轄裁判所の移送申立中である。民事訴訟法には様々な管轄の定義が定められているが、被告の住所地を管轄する裁判所で行うのが民事裁判の原則であり、黒田氏の移送申立ては裁判の遅延行為ではないことは明らかである。しかしながら、自らのブログの「『毎日・創価糾弾祭り』のご報告（超簡易版）」と題したエントリーにおいて
「最近、変態新聞叩きから、カルト叩きにシフトチェンジした。
やはり、国籍法改悪とカルト裁判のせいだわ（笑）！！」
と述べている点から考えても、黒田氏自身の膨れ上がった醜い自尊心を感じないわけにはいかない。行政書士や社会保険労務士の資格を取得した時から現在まで、どこがターニングポイントになったのかは知らないが、もう少しまともに生きる道はあったように思う。
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手荷物のチェックとボディチェックを受け、宮殿に向かう。冬空に浮かぶ伏見櫓が美しい。
時間が合い１１時４０分の天皇陛下、皇后陛下、皇太子殿下、皇太子妃殿下、秋篠宮殿下、秋篠宮妃殿下のお出ましを見ることができた。宮殿・長和殿ベランダへの入り口が開くと一斉に国旗が振られ、天皇陛下をはじめとするご皇族がお見えになった。皇太子妃殿下について様々なマスコミの報道があり非常に心配していたが、お元気そうな姿を見ることができて安堵した。そして天皇陛下がお言葉を述べられた。天皇陛下は自らの体調で心配をかけたことを詫び、経済状況に触れ国民の生活を感じるお言葉を述べられた。天皇陛下のお言葉を一言で表現すると「無私」に尽きる。
天皇陛下がこのような人格者であることは素晴らしいことであるが、天皇陛下が尊いのはその血が尊いからである。男系で継承されるということが千年以上続けられ、その血を体現している存在が天皇陛下でありご皇族なのである。そしてその継承が伝統となって根付いていることに日本の日本たる所以がある。それは拙稿「凪の法律談義 ３ 〜日本の統治機構の構造〜」で
「日本の統治機構は重要な行為をほとんど自らの名で行う天皇と、立法、行政、司法の三権を持つ国会、内閣、裁判所に分かれている。つまり天皇が権威を独占し、三権を司るそれぞれが権力を独占するという権威と権力の分離がなされている。」
と述べたように、日本の統治機構にも大きな影響を与えている。天皇陛下のご健勝とご皇族の繁栄を祈りながら皇居を後にした。
そして向かった先は銀座である。銀座はこうなっていた。５０人どころか見ている者を含めてもその半分を満たすかどうかという閑散とした街頭宣伝活動で、近くで行っていた宗教団体の街頭宣伝の方が多いくらいであった。それでいてクリスマスが近い銀座の雰囲気を壊すだけ壊す下品な物言いであった。沖縄の詐称１１万人という県民集会など集まった人数を詐称するのは左翼のお得意の手法であるが、日護会もまた同類であることがわかる。そもそも動員をかけて５０人ということ自体問題であるが、その人数を詐称しているのであるからさらに始末に終えない。
その主催者である黒田大輔氏はジャーナリストの宇留嶋瑞郎氏の顔写真に子どもじみた落書きを行い名誉毀損で損害賠償訴訟を提起され、現在管轄裁判所の移送申立中である。民事訴訟法には様々な管轄の定義が定められているが、被告の住所地を管轄する裁判所で行うのが民事裁判の原則であり、黒田氏の移送申立ては裁判の遅延行為ではないことは明らかである。しかしながら、自らのブログの「『毎日・創価糾弾祭り』のご報告（超簡易版）」と題したエントリーにおいて
「最近、変態新聞叩きから、カルト叩きにシフトチェンジした。
やはり、国籍法改悪とカルト裁判のせいだわ（笑）！！」
と述べている点から考えても、黒田氏自身の膨れ上がった醜い自尊心を感じないわけにはいかない。行政書士や社会保険労務士の資格を取得した時から現在まで、どこがターニングポイントになったのかは知らないが、もう少しまともに生きる道はあったように思う。
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2008年12月23日
高校の新学習指導要領案と英語教育
産経新聞１２月２３日付朝刊に「【高校新指導要領】『能力アップ』『教師も負担』英語で授業、期待と不安」と題した記事が掲載されている。是非ご覧いただきたい。
記事は、
「文部科学省が２２日に公表した高校の新しい学習指導要領案で、英語の授業は、基本的には英語で行うことが盛り込まれた。英語のコミュニケーション能力を高める狙いで『英語力は必ずアップする』との期待は大きい。一方、複雑な文法は日本語で教えることも認められているとはいえ、『生徒にも、そして教師にも負担がかかる』と現場からは戸惑いの声も漏れてくる。」
と高校の新学習指導要領に対して報じている。
この新学習指導要領に対する各紙の反応は様々である。最も的外れなのが「高校指導要領―英語で授業…ｒｅａｌｌｙ？」と題した朝日新聞１２月２３日付社説である。
「実際は現場の教師や生徒の能力に左右されるところが大きい。無理やり形だけ整えても、効果は乏しいだろう。」
「大学入試を意識する進学校などにとっては、利点がそれほど大きくないということだ。」
と教える側の都合と大学入試のみを取り上げて批判する論調と、高校教育において何を教えるべきであるかという教育の根幹にまったく踏み込まない姿勢にはあきれ果てるほかない。そして結論は、
「指導要領は大枠にとどめて、実際の運用は学校に任せる。それが現場の力を引き出すことにつながる。」
と教える側に迎合、言い換えれば日教組に迎合したものとなるのはお決まりのパターンである。
それに比較すれば産経新聞１２月２３日主張「新指導要領 公立高復権へ魅力を競え」はまともである。
「公教育に期待されているのは受験技術ではない。新指導要領案では公共の精神や自他の生命を尊重する精神など道徳教育充実も明確にされた。高校時代は知徳体を徹底して鍛える貴重な時期だ。」
と述べる結論には非常に説得力がある。しかしそれだけに、
「また英語教育の見直しも新指導要領の特徴だ。単語数を中国、韓国の英語教育並みに増やし、授業を英語で行うという。」
「いくら勉強しても、しゃべれない日本の英語教育がどこまで変わるか、なによりも教師の指導力が問われる。」
という新学習指導要領の英語教育に対する見解が残念である。
私はメールマガジン「辛口時事論評」で述べてきたように、教養としての英語教育とは何かについて考えてきた。その結論は英語を話すことや聞くことよりも、英語の読み書きを中心に行うのが教養としての英語教育であるというものであった。それはなぜか。
英語を話すことや聞くことは英語を学ぶうえで重要であるのは間違いない。しかしそれは技術である。英語に触れる機会を得ることによって上達し、その機会がなければ衰えていくものである。そのような技術に重点を置くのは教養としての英語教育としては不適である。
それに比較して英語の読み書きは英字新聞や原書に直に触れることができ、その結果、その新聞や原書に影響を与えているその国のものの考え方を理解することができる。仮に学校卒業後英語にまったく触れることがなく、読み書きのレベルが低下したとしても、英字新聞や原書に触れた経験は教養として残る。そして何より読み書きのレベルを維持するのは日本においても非常に容易である。
これでおわかりいただけたと思う。外国語を学ぶということは外国語を通してその国の文化に触れるということが重要なのである。外国に行く人間が多くなったとは言え、ほとんどの人間が日本を中心に生活していくという現実からは、外国語の読み書きこそが教養なのである。
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記事は、
「文部科学省が２２日に公表した高校の新しい学習指導要領案で、英語の授業は、基本的には英語で行うことが盛り込まれた。英語のコミュニケーション能力を高める狙いで『英語力は必ずアップする』との期待は大きい。一方、複雑な文法は日本語で教えることも認められているとはいえ、『生徒にも、そして教師にも負担がかかる』と現場からは戸惑いの声も漏れてくる。」
と高校の新学習指導要領に対して報じている。
この新学習指導要領に対する各紙の反応は様々である。最も的外れなのが「高校指導要領―英語で授業…ｒｅａｌｌｙ？」と題した朝日新聞１２月２３日付社説である。
「実際は現場の教師や生徒の能力に左右されるところが大きい。無理やり形だけ整えても、効果は乏しいだろう。」
「大学入試を意識する進学校などにとっては、利点がそれほど大きくないということだ。」
と教える側の都合と大学入試のみを取り上げて批判する論調と、高校教育において何を教えるべきであるかという教育の根幹にまったく踏み込まない姿勢にはあきれ果てるほかない。そして結論は、
「指導要領は大枠にとどめて、実際の運用は学校に任せる。それが現場の力を引き出すことにつながる。」
と教える側に迎合、言い換えれば日教組に迎合したものとなるのはお決まりのパターンである。
それに比較すれば産経新聞１２月２３日主張「新指導要領 公立高復権へ魅力を競え」はまともである。
「公教育に期待されているのは受験技術ではない。新指導要領案では公共の精神や自他の生命を尊重する精神など道徳教育充実も明確にされた。高校時代は知徳体を徹底して鍛える貴重な時期だ。」
と述べる結論には非常に説得力がある。しかしそれだけに、
「また英語教育の見直しも新指導要領の特徴だ。単語数を中国、韓国の英語教育並みに増やし、授業を英語で行うという。」
「いくら勉強しても、しゃべれない日本の英語教育がどこまで変わるか、なによりも教師の指導力が問われる。」
という新学習指導要領の英語教育に対する見解が残念である。
私はメールマガジン「辛口時事論評」で述べてきたように、教養としての英語教育とは何かについて考えてきた。その結論は英語を話すことや聞くことよりも、英語の読み書きを中心に行うのが教養としての英語教育であるというものであった。それはなぜか。
英語を話すことや聞くことは英語を学ぶうえで重要であるのは間違いない。しかしそれは技術である。英語に触れる機会を得ることによって上達し、その機会がなければ衰えていくものである。そのような技術に重点を置くのは教養としての英語教育としては不適である。
それに比較して英語の読み書きは英字新聞や原書に直に触れることができ、その結果、その新聞や原書に影響を与えているその国のものの考え方を理解することができる。仮に学校卒業後英語にまったく触れることがなく、読み書きのレベルが低下したとしても、英字新聞や原書に触れた経験は教養として残る。そして何より読み書きのレベルを維持するのは日本においても非常に容易である。
これでおわかりいただけたと思う。外国語を学ぶということは外国語を通してその国の文化に触れるということが重要なのである。外国に行く人間が多くなったとは言え、ほとんどの人間が日本を中心に生活していくという現実からは、外国語の読み書きこそが教養なのである。
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2008年12月22日
プライドだけが図抜けている「お子ちゃま保守」城内実前衆議院議員
城内実前衆議院議員のブログ「城内実のとことん信念ブログ」に「◇ コ ラ ム ◇ プライドと誇りの違い」と題したエントリーが掲載されている。是非ご覧いただきたい。
城内氏は、
「プライドと誇りはまったく違う。プライドは簡単に傷つくが、誇りは傷つかない。なぜなら誇りは自分の信念である。だから人がなんといおうとゆらぐことがない。プライドは単なる虚栄や見栄にすぎない。そもそも中身がないから簡単に傷つくのだ。」
という支持者の発言に対し、
「けだし名言である。確かに小者ほどプライドが高く傷つきやすい。人の評判をすぐ気にする。大物ほど泰然自若としていてゆるがない。」
と述べ、
「だから私はぶれずにいつまでも信念を貫く人間でありたいのだ。」
と結論付けている。しかし城内氏がこのような人間からは最も遠い存在であることは、「◎ 政 治 ◎ 『国籍法』改悪と日本の精神構造」における煽りからも明らかである。どこの「泰然自若としてゆるがない」人間があのような狭量そのものの煽りを行うのであろうか。それはまさに城内氏の政治家としても人間としても小物で自らのプライドにしがみつく姿を証していると言えよう。信念に基づいて「◎ 政 治 ◎ 『国籍法』改悪さる！？」を掲載したのであれば、自らの信念を語るか黙して自らの姿勢で語ればよい。自らの信念で述べたが表現に不適切な点があるなら発言を取り消せばよい。そのいずれも行わず批判を煽り「お前のかあちゃんでべそ」のような稚拙極まりない反論もどきで煽る姿は最も醜く、プライドだけが突出している姿である。まさに「お子ちゃま保守」そのものである。そのような人間がどの面さげて奇麗事を述べることができるのであろうか。城内氏は一刻も早くその安っぽいプライドを捨て去ることが出発点である。しかしながらその可能性は限りなくわずかであると言わざるを得ない。
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城内氏は、
「プライドと誇りはまったく違う。プライドは簡単に傷つくが、誇りは傷つかない。なぜなら誇りは自分の信念である。だから人がなんといおうとゆらぐことがない。プライドは単なる虚栄や見栄にすぎない。そもそも中身がないから簡単に傷つくのだ。」
という支持者の発言に対し、
「けだし名言である。確かに小者ほどプライドが高く傷つきやすい。人の評判をすぐ気にする。大物ほど泰然自若としていてゆるがない。」
と述べ、
「だから私はぶれずにいつまでも信念を貫く人間でありたいのだ。」
と結論付けている。しかし城内氏がこのような人間からは最も遠い存在であることは、「◎ 政 治 ◎ 『国籍法』改悪と日本の精神構造」における煽りからも明らかである。どこの「泰然自若としてゆるがない」人間があのような狭量そのものの煽りを行うのであろうか。それはまさに城内氏の政治家としても人間としても小物で自らのプライドにしがみつく姿を証していると言えよう。信念に基づいて「◎ 政 治 ◎ 『国籍法』改悪さる！？」を掲載したのであれば、自らの信念を語るか黙して自らの姿勢で語ればよい。自らの信念で述べたが表現に不適切な点があるなら発言を取り消せばよい。そのいずれも行わず批判を煽り「お前のかあちゃんでべそ」のような稚拙極まりない反論もどきで煽る姿は最も醜く、プライドだけが突出している姿である。まさに「お子ちゃま保守」そのものである。そのような人間がどの面さげて奇麗事を述べることができるのであろうか。城内氏は一刻も早くその安っぽいプライドを捨て去ることが出発点である。しかしながらその可能性は限りなくわずかであると言わざるを得ない。
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怒りを感じたボクシング全日本新人王決勝戦の試合（１２月２３日さらに追記あり）
昨日はボクシングの全日本新人王決勝を観戦した。全日本新人王はその年の４回戦ボーイのチャンピオンを決めるトーナメントで、決勝戦は東日本ボクシング協会所属ジムの選手が東軍、西日本ボクシング協会、中日本ボクシング協会、西部日本ボクシング協会所属ジムの選手が西軍に分かれ東西対抗の形で行われ、決勝戦の熱気は世界タイトルマッチをしのぐ場合もある興行である。私は毎年この興行を観戦することにしており、明日の世界王者を探すのを楽しみにしている。
そのフェザー級決勝戦のことである。東軍は東日本新人王決勝戦ＭＶＰの斉藤司（三谷大和）で西軍は強打者の渡辺巧（中日）の試合で、強打者同士の試合となった。試合は斉藤がペースを握る展開となっており、ＫＯ決着の可能性も感じさせるものとなっていた。その中でとんでもない出来事が起こったのである。
斉藤のパンチに渡辺がダメージを受け動きが止まった状況となったが、斉藤はこの状況に軽く渡辺の頭をグラブで叩くのみでＫＯチャンスを意図的に見逃した。つまり、
意図的に手を抜いたのである。
私はこれほどボクシングを馬鹿にした選手を知らない。ジムの会長の三谷大和氏は、アマチュアボクシングのエリートからプロに転向し世界挑戦まで行った名選手であるが、斉藤に何を教えていたのか。内藤大助と亀田大毅の試合の反則にも怒りを覚えたが、勝つために必死になった結果とも考えられなくもない。しかし斉藤の手を抜いた試合運びは対戦選手に対する敬意もボクシングに対する敬意も欠いた行為であり、あのような行為を許しておいてはならないはずである。あろうことか大会を運営する新人王運営委員会はこの斉藤司をＭＶＰに選出したのである。日本ボクシングコミッションは斉藤司に対し厳しい処分を科すべきであろう。
（以下追記）
なお、この全日本新人王決勝戦に広域暴力団住吉会会長が観戦に来ていた。暴力団らしい格好をしておらず、カジュアルな服装で暴力団とは見えない姿であった。内藤大助の世界戦において暴力団の観戦をお断りするとのことであるが、暴力団であるとは思えない服装で観戦する暴力団員に対しどのような対応を行うのかという観点から考えると非常に難しいと言える。
（以下さらに追記）
少し誤解を与える表現となっているかも知れないが、斉藤が試合全般において意識的に手を抜いていたと述べているのではない。後楽園ホールの南側の席でしか見えない位置で、渡辺にダメージを与えた斉藤は追撃を行わず、グローブの下側を渡辺の頭に当てる形で軽く２、３度叩いていたのである。斉藤自身がダメージを受けて追撃できないならこの行為はあり得ないものであり、意図的に斉藤が倒さなかったとしか理解できないのである。私の席の周りの観客の反応も同様であったことを付け加えておく。
また、住吉会会長については、後楽園ホールから５階のエレベーターに向かう姿を見かけ、偶然同じエレベーターに乗ることとなったため、どの席に座っていたかはわからない。グレーのブルゾンというごく普通の服装で、エレベーター他の客のためにエレベーターのボタンを押している姿は広域暴力団のトップとは思えない姿であったが、その顔は週刊実話などの雑誌で報じられている写真の顔そのものであった。
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そのフェザー級決勝戦のことである。東軍は東日本新人王決勝戦ＭＶＰの斉藤司（三谷大和）で西軍は強打者の渡辺巧（中日）の試合で、強打者同士の試合となった。試合は斉藤がペースを握る展開となっており、ＫＯ決着の可能性も感じさせるものとなっていた。その中でとんでもない出来事が起こったのである。
斉藤のパンチに渡辺がダメージを受け動きが止まった状況となったが、斉藤はこの状況に軽く渡辺の頭をグラブで叩くのみでＫＯチャンスを意図的に見逃した。つまり、
意図的に手を抜いたのである。
私はこれほどボクシングを馬鹿にした選手を知らない。ジムの会長の三谷大和氏は、アマチュアボクシングのエリートからプロに転向し世界挑戦まで行った名選手であるが、斉藤に何を教えていたのか。内藤大助と亀田大毅の試合の反則にも怒りを覚えたが、勝つために必死になった結果とも考えられなくもない。しかし斉藤の手を抜いた試合運びは対戦選手に対する敬意もボクシングに対する敬意も欠いた行為であり、あのような行為を許しておいてはならないはずである。あろうことか大会を運営する新人王運営委員会はこの斉藤司をＭＶＰに選出したのである。日本ボクシングコミッションは斉藤司に対し厳しい処分を科すべきであろう。
（以下追記）
なお、この全日本新人王決勝戦に広域暴力団住吉会会長が観戦に来ていた。暴力団らしい格好をしておらず、カジュアルな服装で暴力団とは見えない姿であった。内藤大助の世界戦において暴力団の観戦をお断りするとのことであるが、暴力団であるとは思えない服装で観戦する暴力団員に対しどのような対応を行うのかという観点から考えると非常に難しいと言える。
（以下さらに追記）
少し誤解を与える表現となっているかも知れないが、斉藤が試合全般において意識的に手を抜いていたと述べているのではない。後楽園ホールの南側の席でしか見えない位置で、渡辺にダメージを与えた斉藤は追撃を行わず、グローブの下側を渡辺の頭に当てる形で軽く２、３度叩いていたのである。斉藤自身がダメージを受けて追撃できないならこの行為はあり得ないものであり、意図的に斉藤が倒さなかったとしか理解できないのである。私の席の周りの観客の反応も同様であったことを付け加えておく。
また、住吉会会長については、後楽園ホールから５階のエレベーターに向かう姿を見かけ、偶然同じエレベーターに乗ることとなったため、どの席に座っていたかはわからない。グレーのブルゾンというごく普通の服装で、エレベーター他の客のためにエレベーターのボタンを押している姿は広域暴力団のトップとは思えない姿であったが、その顔は週刊実話などの雑誌で報じられている写真の顔そのものであった。
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