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社説

核のジレンマ 日本こそ廃絶の先頭に(12月28日)

 「戦争になれば、米国が直ちに核による報復を行うことを期待している」

 一九六五年、当時の佐藤栄作首相が米国防長官との会談で中国との戦争を話題にし、「核の傘」の発動を要請していたことが、外務省が公開した外交文書で明らかになった。

 唯一の被爆国として非核三原則を国是に掲げる日本の核政策は、国際政治の現実の前で常にジレンマを抱えてきた。そのことを、あらためて思い知らされる。

 会談が行われたのは中国が初めて核実験を実施した翌年だ。その後も核兵器の拡散は進んでいる。北朝鮮の核開発問題では、再び米国の「核の傘」が話題になった。

 だが、核軍縮をめぐる世界の潮流は変化の兆しを見せている。その胎動に目を向け、日本の果たす役割を追求していくことが重要だ。

 キッシンジャー元国務長官ら米政府の元高官が、米紙に「核のない世界を目指して」と題する論文を発表したのは今年一月だった。

 六月には英国の元外相らが大幅な核兵器削減を主張する論文を英紙に掲載した。

 実質的な核保有国が増え、核兵器がだれの手に落ちるか予断を許さない。もはや冷戦時代の核抑止論は有効性を失った。そんな冷徹な共通認識が背景にはある。

 ところが、日本政府はこうした新潮流を生かそうとしていない。

 二〇一〇年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けオーストラリア政府とともに政策提言のための国際委員会を運営しているが、提案したのはオーストラリア側だった。

 世界の新たな動きを敏感に踏まえ、先頭に立って大きな流れにまとめ上げる。その気概が感じられない。

 注目したいのは、来年一月に就任するオバマ次期米大統領が「核兵器全廃という目標を核政策の中心に据える」と明言していることだ。

 次期国務長官に指名されたクリントン氏も、米国自ら核軍縮に取り組む考えを示してきた。新政権が究極的な「核ゼロ」を目指して大胆な政策を打ち出すとの期待が膨らむ。

 日本としても、最大限の協力と支援を惜しむべきではない。

 たとえば、新大統領を広島、長崎に招いてはどうか。核廃絶の決意を強固にするため、被爆地ほどふさわしい場所はあるまい。今年はペロシ下院議長が広島を訪れている。

 日本政府の使命は、あらゆる機会をとらえて非核の国際世論喚起に力を尽くすことだ。核大国の核兵器削減交渉を後押しし、北東アジア地域の非核地帯構想を見据える。

 それが、核政策のジレンマから解き放たれるただ一つの道である。

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