県立安芸病院に入院中の男性(当時69歳)が投薬ミスで死亡した事故で、高知地検は26日、業務上過失致死容疑で書類送検された男性医師(38)を不起訴処分とした。
同地検は「被害者の特定になり、公表を望まない遺族の要望に反することになる」と処分理由を明らかにしなかった。
地検などによると、男性医師は05年2月、看護師への投薬指示を間違ったため、誤った薬剤を投与し、男性を死亡させたとして、07年11月に同容疑で高知地検へ書類送検されていた。地検の調べに対し、医師は「薬剤の誤投与は確かだが、死亡との因果関係はない」と話したという。
事故を巡っては、県と遺族の間で損害賠償金2700万円を支払う示談が成立している。【近藤諭】
毎日新聞 2008年12月28日 地方版