犬猫用のペットフードにも賞味期限と原産地表示を義務付けることが決まった。新たな偽装が心配になる、と言ったら、心あるメーカーの怒りを買うに違いない が、そんな心配がつい頭をもたげる。今年もインチキ商法に振り回された年だった。ペットフードでも、中国産の原料を使った品を食べた犬や猫が相次いで死んだ事件が米国で起きた。ペットを守るための法律まで作らなければならぬほど、商道徳はゆがんでいる 米大統領に投げつけたのと同じ靴が爆発的に売れている、という報道もあった。おかしな商売がまかり通る。「犬め」と、ペットが聞いたら怒り出す悪口とともに、投げつけられた靴である 犬は靴が大好きである。野原で靴を遠く放り投げると、犬は喜んで追いかけ、口にくわえて戻ってくる。時には、よその家の玄関からこっそり失敬する悪さもしたものだが 靴は他人に向かって投げるものではない。1日の遊びが終わったとき、子どもたちは空に向かって靴を投げ、あすの晴天を願う。来る年こそ多くの幸を、と願い、童心に帰って靴を投げてみたくなる年の暮れである。
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