なつもとにぇふ
09/16(火) 17:27 IP:60.44.193.127 削除依頼
うそつきは、もうしんでしまったよ
//// こんにちわなつもとにぇふです。 小説なのかなんなのかよくわからない文章を だらだら書いてきます。 コメントいただけたら爆発します(^ω^!)
それでは!
NO.1 なつもとにぇふ
09/16(火) 17:46 IP:60.44.193.127 削除依頼
あ、また。 となりの席の松本君がノートに絵を描いているのは 今日で五日めだ。確かに数学は酷くつまらない。
彼の描く絵は少女漫画みたいだと、おもう。 女の子を描いているし瞳も大きい。 少女漫画をよく読むわけでは無いけれど、 典型的なパーツの並びだ。 そして相当、上手い。
「またかいてるの」 私が小さい声で聞くと、彼は「あー、うん」と 私より数倍大きな声で言った。 せんせいみてる、ぜったいこっちみてる。
手元の教科書に目を落としたけれど、 なにがなんだかもうわからない。 ノートもとれていないし、次のテストは最悪だろう。 でもそれより、左側の席の彼の絵が気になる。 悪い子に、なってしまった。
・恋なんていうにはおかしすぎる
NO.2 ゆうゆう
09/16(火) 22:06 IP:221.23.178.121 削除依頼 - こんばんはー!
お名前、拝見したことが何度もあります。 面白いですね、小説。 詩小説という感じがして、表現も綺麗ですし、 可愛い雰囲気を漂わせていますし^^ 小説、情景が頭に浮かんで楽しいです。 「悪い子に、なってしまった。」というところまでの 流れが自然でいいなと思います。
次、楽しみにしていますヨ♪
NO.3 なつもとにぇふ
09/17(水) 15:33 IP:60.44.193.127 削除依頼 - ゆうゆうさん(^ω^)
コメントありがとうございます! 名前知っていてくれて感激です。 いつも詩のところにいるからか、自分のスタンス がまだつかめていません(^ω^;) 爆 また見に来ていただけたら嬉しいです。
それでは、また!
NO.4 なつもとにぇふ
09/28(日) 11:30 IP:220.105.7.150 削除依頼
溺死ってすんごく苦しいらしいよ酸欠では死にたくないなあ、そう思うでしょ? はるきがぶつぶつ言ってるからこれはいつもの 独り言かなあと思ってたら問われた。
大体なんでこの子溺死のはなししてるの。 苦しいとか死にたくないとかよくわからないし、 会話をする気もなかったので無視した。 どうせ昼休みだし、この子も他の所に同意を求めに いくのだろう。溺死酸欠エトセトラ。
「無視はないでしょ。聞いてあげたんだから答えてやろうとかそういうのないの」 ありませんのでわたしは無言なんですよ。 ただ口に出す気はなかったので彼には伝わらない。
「掃除当番代わってくんない。なあんかやる気なくし ちゃったあなたさまのせいで」 ああわたしは生殺しと溺死なら後者のほうがいい。 ちょっと苦しいくらいが丁度いいと、思う。
・溺死をえらぶ心理
NO.5 なつもと
10/05(日) 14:14 IP:219.47.19.101 削除依頼
部屋に入った瞬間、鼻をおかしくするような濃厚で 甘ったるい匂いが充満しているのに気づいた。 数秒この匂いが何から出たものなのか考えたけれど、 日付からしてこれしかないなあという結論に すぐたどり着いた。
チョコレートである。 二月十四日、バレンタインですねそうですね、 わたしにとってはその位の価値しかない。 元々甘いものは好きではないし、あげる相手も くれるような相手もいない。欲しくないし。
「ゆうすけ、あんたがチョコレートいっぱい 貰ってきたんでしょ?匂いどうにかしてよ」
リビングに投げ出されたいくつもの箱をみて、 そしてソファに座っている弟を見た。 顔がいいとは思わないが、家以外では 猫をかぶっているような輩である。 食べれないなら断れ、と独り言のように愚痴って、 落ちている匂いの元をあつめた。
人間性を疑うためにあるような行事だなあと つくづく感じました。価値観か。
・チヨコレイト (季節外れも甚だしい。なつもと)
NO.6 なつもとにぇふ
10/29(水) 16:47 IP:60.46.79.193 削除依頼 - ああかみさま。あたしはあんたのせいで、
いますぐここからとびおりてしねそう。 とりあえず、あーめん。
寝起きの気分と云ったらそれはまさに最悪だった。 生きてる心地がしない。 夢にでてきた快楽殺人者がいまにも玄関の扉を たたいて今日はしそう。 最近ずっとその夢を見ている。
ぎゃあ、ぶす、ぶしゅ。沈黙。 快楽殺人ってあれだろ、殺人にエクスタシー感じちゃうやつ。 動機が生理的嗜好だから快楽むさぼってぶすぶす、 なんてきもちわる。きもちがわるい。 そうよ、きもちがわるいの! 頭がぐらぐらする。そこで睡眠時間が三時間弱なことを思いだして、 でろーん、とベッドに横たわる。
なんていうかものすごく、死にたい。
NO.7 南瓜
[URL]
10/29(水) 19:36 IP:122.21.89.200 削除依頼 - ちょっと前から拝見させていただいてました。
共感できるところが結構あるので面白いです。 がんばってくださいー
NO.8 なつもとにぇふ
11/01(土) 09:43 IP:60.46.79.193 削除依頼 - 南瓜さん(^ω^)
コメントありがとうございます! 面白いといってもらえて、本当に嬉しいです。 コメディみたいなのが書きたくて。 南瓜さんのサイトを拝見したんですが、 短編小説の雰囲気や言葉選びが すごく綺麗でした。 わたしもがんばります(^ω^)
それでは、また。
NO.9 なつもとにぇふ
11/01(土) 10:03 IP:60.46.79.193 削除依頼 死にたい、というのは最近思い始めたわけじゃない。 ずっと死にたい死にたいと繰り返しながら、 生きてきた。虚勢を張りながら。
そんな風に生きてきたのが理由かは知らないが、 小学生の頃から泣いたことは無いし、 男に媚びることを激しく嫌った。 心に壁をつくるな、とよくいわれるけれど 人はみんな生まれたときから高さの違う壁を いくつももっている。そうおもっている。
けっきょくかみさまなんていないんだよ。
聖司は二十五になった今もかみさまに 屈折していない純粋な尊敬をいだいているらしい。 聖を司るってなんだ。
「あんたさあ、八月に二十五になったばっかりなんでしょ? いつまでもかみさまなんて言ってないでよ」
そういうと聖司は苦笑、というか微笑をして、 それだけ。なんにもいわない。 何にも言わないのが逃避だと分かっていない。 あんたのかみさまは逃避が美徳だと教えたのかよ。
静寂を破らなかったのは眠たいから。まだ。
NO.10 なつもと
11/02(日) 16:28 IP:219.47.19.101 削除依頼 「あのさあ、どうしてそんなに俺の考えとか 崇拝してるものを片っ端から貶してくの?」
静寂は簡単に破られた。黙ってろよ。 あたしは聖司の所為で、いや聖司の目覚まし時計の所為で 睡眠を妨げられたっていうのに。 大体あたしは深夜に帰ってきたのに こいつはなんで寝息立てて爆睡してるの。なんで。
「決まってんじゃんあんたがかみさまかみさまって いもしないやつのことばっかりかんがえてるからよ そんなひまがあるんならさっさとしごとみつけて ここからでてってよ、はやく」
言い終ったあとに、フローリングの床に あたしの唾と髪の毛が散乱してるのに気づいて、 いやだなあとおもって、なんかぜんぶどうにでも なってしまえとおもった。あんたなんかきらい。 快楽殺人犯、なんて不条理だ。そんなことを いまさら考える。なんて不条理なの!
あんたさあ、かみさま、いますぐあたしを殺してよ。 それでかまわないよ、あいつがかなしめばいいの。 尊敬と愛情のどこがちがうかを、あたしに教えてよ。
NO.11 なつもと
11/02(日) 18:31 IP:219.47.19.101 削除依頼
(あたしが死んで、それであいつが泣くんなら それでもいいとおもったのに、なんでかなあ。 神様はあたしのことを殺してくれない。)
・カミサマとある意味での幸福
あとがき。 御題は憧れの笹さんから。書き始めてから見つけて、 うん、もうこれ以上ぴったりなのないな(^ω^) というかんじで頂いてきたものです。 終わり方が微妙。なんだこの変な後味は。 聖司くんの名前が気に入ってます。 使いたかったフレーズがあったのに放置してしまった。 ここらへんで、切ります。
NO.12 なつもとにぇふ
11/04(火) 17:25 IP:60.46.79.193 削除依頼
たとえば中学生の時に、左手首にカッターの 刃をあててみたこと、たとえば高校生の時に 自分専用の、髑髏だのピストルだのといった 趣味の悪い飾りのついた首吊り台をつくったこと。 あたしの毎日は乾ききって、それはまるで 雑草さえ生えない砂漠みたいだった。 国語の授業で朗読した覚えにくい、長すぎる 名前の作者の意味不明な物語みたいなああいう もどかしさがあった。
みずがほしい、このままでは、しんでしまうんだ。
届かないSOSは、あたしの肺、胃、心臓その他もろもろの臓器に 溶け込んで消化される。不条理なんて何処にも無い。 人生って簡単なんだよ、せんせい。 あなたはあたしたちに説教じみた自論を説いたけれど、 結局それは何の意味も成さなかった。 わかってますか?あなたは愚かなんです。
・どうしようも、ないの。
NO.13 なつもとにぇふ
11/14(金) 16:51 IP:220.111.120.63 削除依頼
「ねえ、くらはし。あたしのこの傷、だれがやったのかわかる?」 「やめてよリストカットのことアピールすんの。あんたこわい」
自称リストカッター・立木まおみがまた気色悪い事を言っている。 彼女は俺の幼馴染なのだが、性格が少し歪んでいてたまに良く分からない。 というかいつもよくわからない。何を考えているのだろう。 はじめて手首を差し出してリストカットのことを話してきたときは、 俺はすごく同情した。かわいそうなまおみ。そんなに歪んだ子になって しまったんだ、かわいそうに、というふうに。もはや同情なんかじゃない。
「なおきさあ、やっぱりあたしのことなんにも理解できてないよね」 まおみはそういってにっこり笑った。そのとおりだ。俺はなにがなんだかさっぱりだ。 「お前が意味不明すぎるんだよ」 むかしから、と付け足すとまおみが俺の手にカッターをのせた。 なにを考えているんだ。俺にカッターを持たせてなんになる。 「お、いおれは手首切る趣向を持ちあわせてないからな」
「あのさ、それであたしの手首切ってよ。あ、ちなみにこの前お母さんにもやってもらったよ。 あのひと泣いちゃってさあ、自分の首切ろうとしたんだよ。ばかだよね」 そりゃあ自分の娘がリストカッターだと知っただけでも泣くだろ大半は。 結局切っちゃったわけか、自分の娘の皮膚を。かわいそうな母子だなあ。 「いいよやってやるよ。おまえむかしからおかしいよ。おやにからだきらせるなよ。 おまえもそのははおやもばかげてるよ。ばかみたい。ばか。はやくてくびだせ」
NO.14 なつもとにぇふ
11/14(金) 16:54 IP:220.111.120.63 削除依頼 もうおれはうんざりしていた。なんでこんな。でもここできらなかったらまおみを たいせつにしたいのかしたくないのかはっきりしない。俺は大切にしたい。 あれ、おれはそんな。 「え、うそ。なおき、とめたりしないんだ。めずらしい」 まおみの手首をつかんで刃をあてようとしていると、いつもとちがう声がした。 縋っているような、絶望的な。でもなぜまおみはわらうのだろう。 「とめてほしいの?」 まさか、とおもった。こいつは止めてほしくて俺にこんな事を要求したのか。 生きたくて手首を切るように、とめてほしくて手首を切らせるのか。 かわいそうなまおみ。そうするしかないような生き方をする、かわいそうなまおみ。
「そうだよあたしはとめてほしかったんだよ。ぐちゃぐちゃの手首見せてもみんなにがわらい してめをそらしてんの。なんでかな。ふつうしかってくれたりしないのかな。 あたしはどうしようもない人間なの?止める価値もないような?ばかげてるのはみんなだよ。 おかあさんは泣いたけどさあ、それはただの逃避じゃん。あたしなんていらないみたい。 なおきは、なんなの。あたしのことどうでもいいの?あたしなんかいらないって、おもうの?」
おもわず、俺はまおみを抱きしめていた。いらないなんて、おもっていない。 どうでもいいと、いらないと思っている人間を本気で抱きしめる事ができるやつがいるんなら 俺は見てみたい。まったく、人間は不可思議だ。
・そのてくびに愛がそんざいしているりゆう (なつもと)
NO.15 なつもとにぇふ
11/14(金) 16:59 IP:220.111.120.63 削除依頼
あれ、一昨日書き溜めといた短編を投稿したけれど きのうはねとびにでてたグラビアアイドルさんの 名前と上の短編の女の子なまえちょうにてる。 関連してない、っていうか知らなかった・・・。
あとがきというなのいいわけをすこし。 一昨日、パソコンの調子が悪くてネットに繋がってくれなかった。 なのでワードを立ち上げてピコピコ書いてたのですが どうも女の子の名前が浮かばない、のでまず 「まおみ」という字を見かけたのでそれにして 苗字はてきとうにつなげて造ったのですが。
どうやらわたしはワードとかで書いたほうがちゃんとかけるようです。
いいわけおわり!
NO.16 なつもとにぇふ
11/18(火) 17:28 IP:60.44.193.109 削除依頼 - ・魚をたべるときに気をつける三つのお約束
まず、あなたのことを簡単に伝えることからはじめましょう。 なぜかって、あなたが食べる魚、つまりコンベラネスU世殿が患者だとして、あなたが医者だとします。 患者様に失礼の無いように、挨拶と簡単な自己紹介は欠かしませんよね?そうですよね? 自分の体を切り刻む相手の素性がわからないなんて、わたしだったらいやですね。
「あのお、すいません。魚に言葉が通じるのですか?」
まったく、あなたはコンベラネスU世殿の能力をあまく見ておられるのですね。 彼は非常に高尚な生き物ですよ。きっと、あなたの何十倍も。
「つまり、言葉が通じるという事ですよね?」
そうではありません。それだけではあなたたち人間と同等でしょう。 彼は人間の出す体液、体臭、オーラなどから思考をよみとる能力をお持ちです。 あなたの考えている事なんて手に取るようにわかってしまうのですよ。 おや、どうやら信じてはいらっしゃらないご様子で。 それなら、そうですね、いちど聞いてみましょう。
NO.17 なつもとにぇふ
11/18(火) 17:28 IP:60.44.193.109 削除依頼 沈黙、男が奥の部屋に入ってから数分経つ。
おまたせいたしました。コンベラネスU世に今あなたが考えている事を聞いてきました。 あなたはどうやらはやく彼のことを食べてしまいたがってるようですね。 できることなら、いますぐに。おろかですねえ、非常に。どうですか、あたっていますか?
「う、するどいんですね。あの、コンブドナスU世でしたっけ。その魚はどこにいるのですか?」
コンベラネスU世ですっ! まったく人間というのはデリカシーに欠けた生命体ですね。 まあいいです、彼は心の広い方ですから。彼は奥のお部屋にいらっしゃいます。 それでは、御顔合わせをしましょうか。こちらへいらしてください。 わたしが進んでいくうちに言う三つの約束を、必ず守ってくださいね。かならず。
黒い扉を男が開ける。そのまま進む。
「うわあ、随分と埃がたまっている部屋ですね。掃除をしたい衝動に駆られます」
お静かに! 彼はうるさいものを非常に嫌います。どうかお静かに。これが、一つめのお約束です。 暗いところを好むお方ですので電気はついていません。足元に、お気をつけて。
「む、何か踏んだ気が、するのですけど・・・・・・?」
まあまあ、もうすぐコンベラネスU世にお会いできますから、少し我慢してください。 ほら、つきましたよ。このドアを開けたら、すぐに彼にお会いできます。 ただし、水槽には絶対に触らないで下さいね。そしてこれが、二つめのお約束です。
NO.18 なつもとにぇふ
11/18(火) 17:29 IP:60.44.193.109 削除依頼 鍵を取り出して、ドアをゆっくりと押す。同じように、黒くみえる壁。
どうです、気分は。ここに入ったからには彼を食べなければ気がすまないと、思っているでしょう。 無料でご招待したのですから、感謝してくださいよ。とても貴重な体験ですから。 それではどうぞ、この椅子にお座りください。彼があなたを審査します。どうか、お静かに。 それから足元に、気をつけて。さようなら。
「え、ちょっと。おいていかないで下さいよ、」
魚(仮)、女に食らいつく。女、叫ぶ。魚(仮)は骨まで食べて、はじめて満足するものです。
残念でした。約束はきちんと守らなければいけませんから、仕様が無いですね。 勿論今まで彼を満足させてきた人間はたくさんいらっしゃいます。 此処からでることができた方はいらっしゃいませんけど、ね。
三つめの約束、骨まで食べていただくこと。
(なつもと)
NO.19 なつもとにぇふ
11/22(土) 09:43 IP:118.3.217.86 削除依頼
じくじくとなにかが満たされていく気がした
深夜になるとこの街は本当に真っ暗になる。蛍光灯すらない。 肌寒さが極まって、もう何も感じなくなってくる。こういう微妙な感覚が、 僕は嫌いじゃない。ぬるい温度の人間から、冷えたかたまりへと進化する過程だと思う。 狭いアパートで毎日一人でレトルトの夕飯を食べて風呂に入ってそれから眠るんだ。 侘しいことばっかりじゃあないか。どうしてあのひとは、しんでしまったのだろう。
ひとはまたひとに生まれ変わる。そういうぞっとするようなことを笑いながら話すあの人 のことも、僕は嫌いじゃない。嫌いなんかじゃなかった。 あの人、というのは僕の母親だったひとだ。コインロッカーの横の道路に捨てられていた僕を、 拾ってくれたらしい。生みの親は僕をコインロッカーに入れるお金すらなかったのだろうか。 子宮の病気で子供を孕めないかわいそうな彼女と、親の顔も知らないかわいそうな僕が よくであえたものだなあ。いっそ神様に感謝する。かみさまなんて、いないのだけれど。 9歳のときにその事実を知った僕は、すこしへんなこどもになってしまった。母親に、恋をして しまったのだ。何歳離れていても、所詮は男と女なのだと分かったんだろう。 母親の日記が、そこにあったのがいけないのだ。それを書いてのこしておいた母親も。 おさないぼくに、つみはなかった。ひたすらに純粋に、いきていたのだ。 あいされようあいされようと、ひっしになってうしなうものにきづけなかった。
NO.20 なつもとにぇふ
11/22(土) 09:43 IP:118.3.217.86 削除依頼 - 彼女は僕が15の時に、子宮の病気が再発してあっさりしんでしまった。
病院で、チューブを体にたくさん繋がれているあのひとを、僕は直視できなかった。 いつひえたかたまりになるか分からないあのひとは、僕が愛した人間じゃないと、 体が拒絶した。叫び声をあげて、すぐに逃げ出したかった。でも、それすら。 しあわせになるには、たりないものがおおすぎたのだ。
今はそれなりに普通の暮らしができているし、高校にも行くことができている。 あのひとの顔はうっすらとしか、覚えていないけれど。けど、それはもう、仕方が無いことだった。 できればあのひとの子宮からうまれてきたかった。繋がっているなにかがほしかった。 けれどそれをかなえることはできない。かみさまは、いないのだ。いまも、むかしも。 ぼくはもう、正しい恋をすることができないと思う。いちど喰らいついたものからは、 どう足掻いても離れることはできない。 あふれるほどの何か、たとえば愛に、満たされて生きていたとしたら、 僕はどういう人間になったのだろう。わかりは、しないだろう。
駅のコインロッカーの近くで、ぼくは思い馳せていた。
(御題提供 鋏様)
NO.21 雨宮 渚
[MAIL]
[URL]
11/23(日) 14:54 IP:202.248.54.126 削除依頼 - にぇなさ〜ん!こんにちはっ!
なぎさちゃんですよ 何 ひぎゃー 見かけたので見てみたら……。 凄く素敵な文才をお持ちで……! ファンになっちゃったりしてもいいですk ry 素敵なモノばかりで惚れ惚れです← それでは、失礼します。
NO.22 なつもとにぇふ
11/23(日) 16:27 IP:219.47.19.101 削除依頼 なぎさちゃん(^ω^)
はうう、まさか来て頂けるとは!うれしいです^^ 実力の数百倍は良いお言葉、すごくありがたいです。 惚れっ・・・わたしが逆に惚れます。なぎさちゃんに ← ファンなんて!わたしがなぎさちゃんのファンn(ry 意味のわからない野郎ですいません。
それでは!コメントありがとうございました^∀^
NO.23 にょろーん(ω*)
11/23(日) 17:27 IP:58.98.161.246 削除依頼 - えちょぷりきゅあ!?
NO.24 なつもとにぇふ
11/23(日) 18:40 IP:219.47.19.101 削除依頼 にょろーんさん
ぷりきゅあ、ってもしかして「魚をたべるときに〜」 のコンベラネスなんたらのことでしょうか? 考えてみたら確かにそうかもです。 妹が見てたので一緒に見てたんですが、 ← あの長髪紳士の口調に似てますね。うう、ごめんなさい。
NO.25 にょろーん(ω*)
11/23(日) 18:51 IP:58.98.161.246 削除依頼 - えーとメタモルフォーゼ
がいつだかのプリキュアの変身の掛け声?だったので
NO.26 なつもとにぇふ
11/24(月) 10:06 IP:118.3.217.86 削除依頼 あ、そっちでしたか! いきなりオタクみたいな話ししちゃってごめんなさい メタモルフォーゼ、は変態、変身ですよね。
それでは。
NO.27 なつもとにぇふ
11/30(日) 10:03 IP:118.3.217.86 削除依頼 - ・そうしてわたしを殺すのだろう
わたしは、人間が好きでない。 どうして肌の色が違うからという理由で人を嘲ることができるのだろう。いとも簡単に。 まるで心は別のところに隔離されていて、すべて別のものとの間を遮断されているようだ。 みんなこわいんだよ。いつぐしゃぐしゃになるかもわからない、こんなせかいも。 ならいっそのことしんでしまおうか、とおもう。でもわたしはわるくないのに、わたしがしぬ必要性なんて どこにもないんじゃあないか。それは、いみがないな。 わたしだって人間である。にんげん。めす。わかいからだ。きゅうしゅうするのうみそ。あざけり。 いらねーよそんなもん。わたし、いきたくないんだもん。蝸牛にうまれてきたかった。
かたつむり。蝸牛。なんていい響きだろう。かたつむり。かたつむり。 精神科に通えとわたしをからだのなかで製造した人間が言う。しんじられない。 人間が人間を検査して人間が人間に薬を入れて?きっと殺してしまうことだってできるんだろう。 少なくともかたつむりはそんなことしないよ。
わたしは、蝸牛を愛している。 肉欲の対象にはできそうにない。神聖なものとして扱うんだ。そうしないとやっていけない。 そうやって人格を(蝸牛イコール神、人間イコール汚物)で埋もれさせて。わたしは汚物。 かみさま、あなたはかたつむりをあざけりますか? いえす、なんてこたえたらわたしはしんでしまおうと、おもう。
NO.28 なつもとにぇふ
12/03(水) 17:57 IP:118.3.217.86 削除依頼 - ・やさぐれガールとゆらめきボーイ
まおみは小学六年生のとき教室で怒りを爆発させてから三年間、テストは全て白紙で 提出しているらしい。学校にもあまり来ない。来たとしても保健室で寝ている。 ただ頭のつくりが俺と違うので、勉強しようと思えばいままで中の中を突っ走ってきた俺なんかより はるかにできるだろう。でもまおみはそれをしない。 まおみは理解させるのを怖がる。少なくとも俺以外の人間には。
「あのさあ、なおき。そんなに頑張って公式を頭に叩き込んで、一体何になるって言うの?」
でました高尚な台詞。こういう時のまおみの目は、クラスの奴等や教師をみるような蔑みのオーラを がんがん飛ばしてる。とにかく禽獣のような鋭い目つきをしている。
「まあ、俺は変に真面目になるところがあるから、テストの前は力入れるんだよ。 何の意味もなくこうして学校に来てるなんてそれこそイミないし」
否定的に何かを言われるとまおみはすぐカッターをとる。 そういうポーズをとるだけでなく、本当に切って血を垂らしてしまうのがまおみで、誰かに生ぬるい 気持ちじゃないことを主張したくて自傷行為を繰り返すのもまたまおみだ。 そのことを俺は否定しないけれど肯定もしない。
ああ、また傷が増えたんだな。かわいそうなまおみ。 俺はおまえを抱きしめる事はできるけど、キスはできない。 まおみは爪を見ていた。そしてきっと、手のひらにも傷はあるんだろう。
「イミ、ねえ。なおきはすごく充実した中学三年生の学校生活を送っているようにみえる。 実際にそうなんでしょう?うらやましいかぎりだなあ」
絶対にこいつは羨ましいなんて思っていないだろう。やさぐれてやんの。 ただ高尚なうそばっかり並べてそんな自分に満足しちゃってるんだ。 俺は別に、おまえの事を出し抜きたいわけじゃあないんだよ。 ただおれはおまえより、あたまがいいだけなんだ。
NO.29 なつもとにぇふ
12/03(水) 18:07 IP:118.3.217.86 削除依頼
あとがきのようなもの:あとがきたいものだけ
・そのてくびに愛がそんざいしてるりゆう リストカッターの大半は生きたくて自分を傷つけている。と聞きました。 興味本位でやってみました、という人もいるでしょうが 実際本当に悩んでそれしか術が無いから自傷行為を するという人のほうが多いのではないでしょうか。 そんな感じで書きました。 まおみとなおきがすきなんです。わたしが。
・じくじくとなにかが満たされていく気がした (御題は鋏さんから) はじめはマラソン大会のはなしだった。 そんな要素これっぽっちも残っていないのだけれど。 御題が素敵すぎるのでなんだか文が浮いちゃってる気がしてなりません。 でも、かいていてたのしかったのだ。
・そうしてわたしを殺すのだろう (御題は笹さんから) 蝸牛ネタがかきたかった。 書いた結果ただの変態となってしまいました。NO蝸牛NOLIFEです。おかしいです。 最後の平仮名のところが書きたかった!のです 素敵なお題に沿えてません。
・やさぐれガールとゆらめきボーイ (御題は笹さんから) まおみとなおきはすきだ。にかいめ。(^q^) なおきの性格がよくわからない。 そして多分続きます。
いえーい。
NO.30 なつもと
[URL]
12/07(日) 14:20 IP:219.47.19.101 削除依頼 - きづいているんだろう?
ごまかしてあいまいにしてにげるのはもうやめてしまおうよ きみのこと ぼくはいつだってみまもってるんだ でもぼくたちは、たとえるならつきとたいよう ゆるされたかんけいじゃないんだよね、こまっちゃうなあ ほんとうはしろくじちゅうきみのそばにいたいんだけど まどがらすをへだててしかふれあえないね もっとちかづきたいのになあ
すとーかーなんてよばないでよ ここにあるのはまぎれもなくあいだよ きみはうけとめてくれないの、ぼくのおおきなあいを そうか、それならこのまどがらすをわってなかにはいっちゃおうかな きみのオアシスはかんたんにほうかいされちゃうね わけわかんない?そんなわけないよ わかんないのはきみのほうだよ、あたまいっちゃってるんじゃない? すとーかー、ぼくをそういうふうによばないで
・わけわかんない (TITLE:鋏さん)
NO.31 なつもとにぇふ
12/10(水) 18:11 IP:118.3.217.86 削除依頼 - イエスがほしいんだよ。ただわたしの言葉を耳にいれておなじスピードでてきとうに相槌を打ってくれれば
わたしはほかに何にも求めたりしないから。あなたのことが好きだけどしばりつけようとはおもわないし。 そこまであなたのことを愛していないのかもしれない、わたしは。好きだけど深入りはできないもの。 愛するというのは求めて求められることだって、幼い頃大人ぶって読んだやたらと漢字の多い本に書いてあったのよ。それは濃厚なキスシーンが盛り込まれた恋愛小説だった。ちゃんとした意味が分かったのは何年か後だったけど、わたしはそれに憧れた。キスをしてみたいとおもった。愛されたいとおもった。 でも愛することまで頭が回らなかったのは、わたしが愛されることに固執していたからなのでしょうか。 それよりも。わたしは人間が嫌いだった。あなたに逢ってからは薄れていったけれど、わたしは酷く冷徹な部分があった。りゆうなんてどこにあるのだろうか。
・秘密とあいじょう
NO.32 くろ
12/11(木) 23:06 IP:210.131.3.166 削除依頼 - すごくいい意味で、異質な作品だとおもいます。
書き続けてほしいです。
NO.33 うにょーん(´ω`)
12/12(金) 18:15 IP:58.98.161.246 削除依頼 - あげ
NO.34 なつもとにぇふ
[URL]
12/13(土) 09:05 IP:58.88.207.235 削除依頼 - くろさん
コメントありがとうございます^^ なんとも嬉しいお言葉を! 本当に励みになります。 これからも頑張っていきたいです。 よければまた暇つぶし程度に見に来て下さい(^ω^)
うにょーん(´ω`)さん
あげありがとうございます。 何時の間にか上がっていてびっくりしました 笑 また良ければ見に来て下さい!
NO.35 なつもとにぇふ
[URL]
12/15(月) 13:19 IP:61.214.67.218 削除依頼 - ・泳げないんじゃない、泳がないの
「苦海って、知ってる?苦悩が海のように広がってる世界のことらしいよ。ばからしいなあと思う? ぼくもはじめはそう思ったんだけどね、考えてみると、やっぱりというふうに分からされるんだ」
例えば、と聞くと困ったように苦笑いしてから口を開いて、彼は言った。「例えば、今みたいに」 「あなたはいつも僕を困らせる。言っちゃえばそれも苦悩でしょう?理解されない事に対する苦悩。 あなたのそういうところ、嫌いなわけじゃないよ。でもね」 いつにもまして饒舌だなあと、彼が 入れてくれたミルクティーを掻き混ぜながら思った。彼とわたしの関係。友人の弟。姉の友人。 わたしたちをつなげている友人(ある視点に於いては姉ともなる)は去年交通事故でなくなった。 わたしたちがそのつながりをなくした今でも度々あっている理由は、ありがちでそれ以下も以上もない 家庭教師とその生徒という関係があるからだ。けれども彼のほうが頭が良いと、わたしは思っている。
「なにそれずいぶんとひどい、ね」 そう言ってあげるとへらりと可愛らしく笑った。可愛らしい12才である。わたしは可愛らしさのかけらも ない23才である。年の差11才のわたしたちには、少女漫画によく有るような「家庭教師と生徒のアブナイ 恋愛」みたいなものは存在しない。ただ彼は話して、わたしはそれを耳に入れる。 ほかに友人も恋人もいないわたしたちはこうやって胃にミルクティーを収めて語彙の容積を増やすしか ない、俗に言う暇人なのだ。わたしは大学を卒業してからこの家庭教師というアルバイトをして生活して いる。何故だかよくわからないが、給料はわたしみたいな人間が不自由なく暮らせる位の額だ。 彼は学校にいっていない。病気の療養のため、となっているらしい。
NO.36 なつもとにぇふ
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12/15(月) 13:23 IP:61.214.67.218 削除依頼 - 急に静かになったかと思うと、彼は眠っていた。溺愛していた姉が死んでからずっと精神が不安定で、
時折急に泣き出したり今のように気絶に近い状態で眠ることがあるのだ。わたしの中に姉の姿を 見ているのだと、彼の母親は言った。わたしだって友人にそっくりな目をしたこの少年に、家庭教師と その生徒という関係以上に重くて濃いなにかを感じている。私は彼の安定剤なのである。 いつか違いを分からされて泣くのは、紛れもなく彼自身だ。だから私は彼を困らせる。同じところでは 泳がない。溺れたときに助けを求めても、わたしでは足りない。わたしにはかかえきれない。
縋りあうわたしたちは、どろどろとしたうみに沈むことしか、できない。
(御題提供 白崎さん)
(続くかどうかは分かりませんがこの二人は個人的に好いているのでたまに別の話にも出てくると思います。学校でルーズリーフに書いてましたごめんなさい。そして、自分らしくない文になってしまいました。)あとがいてみました。
NO.37 なつもとにぇふ
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12/17(水) 16:46 IP:61.214.67.218 削除依頼 - ・笑えない冗談がお得意 (御題提供 ariさん)
いっそのこと男に手を出してしまおうかと、彼女に振られてから考えるようになった僕は相当おかしい。 ぼくは本気で好きだったのだけれど、向こうは一夏の恋というものを軽々とやってのけていた。 告白をしてきたのは彼女のほうだけど別れようといったのも彼女だ。お遊び。遊びだったんだよ、なんて ありがちな台詞だとぼくはおもう。未練が残っているわけじゃないけれどどうもすっきりしない。 いま新橋啓はぼくのことを不可解だと思っているだろう。しんばしけいはぼくの親友だ。
「みどりかわ」 渡り廊下の手すりにもたれて玄関の様子を眺めていると、肩を叩かれた。にこにこしながら片手に 何冊もの本を抱えている新橋が、そのとき猛烈に嫌になってしまった。この、悪意の無い笑顔。いらいらいらいらいらいら。 しかも天然キャラとかいってみんなに好かれちまうからどうしようもないのだ。 「なに」 「いや、なんか気になっちゃって」 気になられても困るのだか。困っているのはこっちなのに、新橋は小首をかしげて困ったような顔をする。 「新橋って空気読めないよね」 そういってやると向こうはにこりとさらに明るく笑った。なんだかそろそろむかついてきた。 「今日いっしょに帰ろうよ」
NO.38 なつもとにぇふ
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12/17(水) 16:47 IP:61.214.67.218 削除依頼 - 「いやだ。ぜったいにいやだ。何でお前と帰らなきゃいけないの?空気読めよ。一人にさせて」
これは、女々しいな。言い放ってから冷静な脳みそでぼんやり考える。 しばらく玄関でわらわらと群れを成して下校していく下級生たちを見ていたのだけど、どうやら新橋は 泣いているようだった。あれ? 「なんでお前が泣くの」 ほんっとうにこいつはマイペースを貫いているようだ。泣きたいのはむしろこっちのほうだ。 「いやあ、なんかごめんね。みどりかわがかわいそうになってきて」 おまえがなくひつようないじゃん、と小さく呟くと親指で綺麗に涙を拭ってからにっこりと笑った。 そういえば、こいつは綺麗な顔つきをしているなあ。まじまじと見つめたことなんて無かったので 気づかなかったが、少しだけ彼女の顔に似ている。今となってはもう元カノに分類されるが。
「もう怒ってない?ていうかそこ、となりにいっていい?」 へらへら笑い続けるのでぼくも笑ってしまった。何が一番重要なのかぼくたちは確認しながら生きて いかなきゃならない。
彼女と別れた、というと「じゃあ俺と付き合おうか」と返してきた。それが冗談なのか本気なのか、 いまのぼくには判断することができない。
(ものすごい勢いで書いてました。授業中に。)
NO.39 なつもとにぇふ
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12/19(金) 16:52 IP:60.44.194.169 削除依頼 - ・幸福な食卓とそれに溺れるぼく (御題 鋏さん)
お腹が減ったのでぼくは彼を食べてしまおうかと、結構本気で悩んでいた。カニバリズムっていうのかな、 ぼくはひとを食べることができるひとなのだ。可愛い顔をした男の子が道端で死にそうになっていたので 家につれて帰ったはいいのだけど、彼に温かいスープだとかを飲ませてやることはできなかった。なんか 格好良いじゃんそういうの。でもぼくはひとの肉しか食べられないんだ。他のものは絶対無理。ぼくが死んじゃう。 そんなかんじでぼくはいそいそと街へ降りて食材をこれでもかというほど買って(というよりどれほど買えば よいのかがまるで分からなかった)、いまこうして彼の寝顔を舐めるように見ているのだけど。 ぼくはここ二日間人を食っていなかった。空腹で倒れそうですどうしたらよいのだろう。それにしても可愛らしい 寝顔。こんな可愛い子を胃に収めるなんて勿体無いなあ。ああ、でも、それでもぼくはひとを食べることを やめたくないんだよ。
NO.40 なつもとにぇふ
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12/19(金) 16:52 IP:60.44.194.169 削除依頼 - 起きた。彼が起きた。
「おはよう」笑みを浮かべてそういうと、彼が眉間に皺を寄せてあんただれ、と返してきた。 「きみが死にそうになってたから連れてきちゃった」 完全に嫌そうな顔をした。まあ当然かな。お姫様抱っこで抱えてきたしね、めちゃくちゃ軽かった!にしても 態度が悪いなあ、ツンデレ?とか考えていると彼はがばりと上半身を起こした。 「ありがとうございました。それじゃ」 「え、なに?帰りたいの?」 「だって……」 「だって、なに?ここから街に降りるの大変だよ、君の足じゃあ相当ね」
帰りたいのかな。ぼくだったらここから街へ行くのなんて容易いものだけど、彼では半分も歩かないうちに 日が暮れてしまうだろう。ぼくは言ってしまえば人間じゃあない。だからぼくがしているのはカニバリズムじゃ、ない。 「じゃあ、おれはどうすればいいんですか」 「ここにいたらいいんじゃない?」 食べちゃうかもしれないけどね。 「そんな」 野生の勘か知らないが、彼はどうやら僕のことを、とても恐れている。正解だ。
結局血が騒ぐのはどうしようもない事で、彼はぼくに美味しく頂かれてしまった。 勿体無いなあ!そう思いながら滴る赤い血を舐めとった。これこそ幸福。そうなんだろう? 気づいた時には、もう遅かったんだと感じた。やさしさは狂気。口内に広がる嫌な味が憎たらしい。
幸福なんだろう?涙がでちゃうのは、どうしてなのかな。
NO.41 なつもとにぇふ
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12/19(金) 17:00 IP:60.44.194.169 削除依頼 - ・殺されたい真夜中24時(御題 スティさん)
「もしもしい」 まおみの間延びした声をBGMにして俺はゆっくりと覚醒していく。現在の時刻23時45分頃。 夕方6時から日付が変わるまで寝続けている深夜型人間の受験生やってますおれたち。 「なに」 うわ、まおみの髪の毛がめちゃくちゃだ。普通直角に立つか?毛先が。眠りすぎると人間はおかしく なるようだ。もとから常識なんて持ち合わせちゃいないおれたちがもっとずれていくなんて。 用件だけ聞いてさっさと眠りなおしたい。だけど大体は用などなしに生存確認とか言って声をかけて くるのでまおみは相当の変態だ。もとからか。そうか、其れは仕様がない、無視する。 「いや、べつに……。生きてるのかなあと思って。すごい気持ちよさそうに眠っているものだから」
おまえはサディストか!気持ちよかったさ、そりゃあ布団は温かいし何せ季節は十二月だ最低気温な んて0度だぞ!れいど!そんな俺のオアシス(仮)を簡単に奪えるなんて。さむい。 「あ、そ……。おれもういっかいねるからおこすなよ」 布団を頭からかぶる。吐いた息がおれの顔にかかってきて温かい。きっとこのままねむれる。 「おきようよー、このまま寝てたら多分明日起きれないよ。腰が痛いとか、この前も言ってたでしょう」 こいつなんなんだほんとうに。一々難しい言葉を交えて話してくるから俺は眠れなくなる。理解するのに いったい何分かかるだろう……、と考えていたらクッションを投げつけられた。
「いってえな、なに、おれになんかうらみでもあるのかよ、」 「そのクッションぜんぜんいたくなかったでしょ?うそついてんじゃないよ」 「うそってなにがだよ。ああびっくりした……あ、吐きそう」 「吐かないでよ、ここが誰の部屋か分かってるの?呆けたの?」
NO.42 なつもとにぇふ
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12/19(金) 17:00 IP:60.44.194.169 削除依頼 - そっかここはまおみの部屋だった。なるほど、だから微かに違和感を感じたのか。俺の部屋にテレビは
無いもんな。あれ、どうしておれは此処に泊まっちゃってるのだろうか。 「おれどうしてここにいんの」 「え、うそ。ボケたの?」 「ボケてないけど。う、でも思い出せないからおれはアルツハイマーかな、おれはなんでここにいるの?」 これはうそじゃない、本当に記憶が吹っ飛んでしまったのだ。睡眠って恐ろしいな。
「なんなの?なおきが泊まりにくるっていったんじゃないの」え、知らないけど? なあんだ、全てはおれが……と考えていると清々しい気分になってくる。ていうか早くおれを眠りの園に 連れて行ってくれ。そろそろ本格的に眠りたくなってきた。 「ねえ、いっしょにしのうか」 唐突にそういってまおみはにやりとわらう。してやったり、という感じの顔だ。 「死なねえよ」 髪の毛を引っ張ってやると、いたいと金切り声をあげた。
「あたしはひとりじゃあしねないとおもうんだ。だからね、もししにたくなったらなおきもいっしょにしんで」 なんていうしゅちょうだ。いつだって死にたい気分なのは紛れもなくまおみだけ、なのに。 俺達の夜はまだ続きそうだ。ねむたい。
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