謎が解けました!
=300万の〈被害者〉の皆様へ=

今週の主張10月15日

(1)果たして現実か、妄想か?

「尾行され歴40年」の鈴木クン。『推理力』(双葉社)より

 お待たせしました。やっと分かりました。謎が解けました!
 僕も疑問だったのです。なぜ、これほど多くの人々が、「この問題」で悩み、苦しんでいるのだろうと。これはもう、あなた達、一人一人の問題ではありません。「時代の病」です。
 いや、「病」と言っちゃいけないんでしょうな。だって、実際に被害にあってる人は多いのですから。「多い」どころではありません。一億二千万人の全ての人々が、何度かは感じてることです。一億二千万人の「疑惑」です。「そんなことはない」と断言するあなた。でも、あなただって、一度位は思ったはずです。「盗聴されてるのでは?」「誰かに尾行されてる気がする」…と。

 でも、そんな事を周りの人に言うと、「馬鹿な!」「妄想だよ」と言われたでしょう。そう言われるのが嫌で、じっと耐えてきたんですよね、あなたも。思い余って警察に届けても、真面目に捜査はしてくれません。「そういう思い込みは多いんですよ、最近…」と言われるだけです。
 しはかし、それでもあなたには「疑惑」は残るでしょう。中には、「心を読まれてる」と悩んでる人もいます。

 そういう人々に対し、私も冷淡でした。いや、理解できなかったのです。「鈴木邦男だったらこの悩みを分かってくれるはずだ」「鈴木は真実を知ってるはずだ」と思ってる人もいました。ネットの書き込みもありました。でも、その時点では分かりませんでした。謎が解けませんでした。申し訳ありません。3年前、『公安警察の手口』(ちくま新書)を書きました。今、第5刷です。そして、実に多くの人々から手紙や電話をもらいました。
 実際に右翼や左翼、宗教運動をやっていて、実際に「ガサ入れ(家宅捜索)」、盗聴、尾行をされた人。その被害者の生々しい体験も聞きました。又、公安警察や公調(公安調査庁)のスパイだったという人にも会いました。
 でも、聞いて下さい。これは重要なことですが、そういう「活動家」「元活動家」の「実際の被害者」は全体の1割なんです。あとの9割は何と「普通の人」です。左右・宗教の運動なんかしたことのない人です。でも、そういう「普通の人々」が言うのです。

「この本を読んで分かりました。私を盗聴していたのは公安です!」
「外出すると必ず白い車が5台、いつも、ついて来ます。不安で不安でしかたなかったのですが、分かりました。公安です!」

過激派あぶり出しの謀略が…

 しかし、公安だって何もないのに「一般の人」を盗聴したり、尾行したりはしません。(ここで「公安」と言いましたが、「警察の公安」と「公安調査庁の公安」をまとめて言ってます。区別する必要がある時には、その旨を書きます)
 「公安に盗聴され、尾行されてる」と不安に思い、悩んでる人が、もの凄い多いのです。「じゃ、公安につけられるような事をしてるんですか」と聞くと、〈根拠〉が曖昧なんです。あやふやなんです。

「PTAの時、ちょっと思い切った事を言った。学校側が公安に言いつけたんだ」
「病院の順番待ちの時、遅いので抗議した。病院は仕返しに公安に通報した。それで、嫌がらせをしてるのだ」
「私がきれいだから、隣の人があることないことを公安に告げ口して、尾行させてるんだ」
「私が巨乳で、もてるから会社の貧乳女が嫉んで、悪い噂をふりまき、盗聴までしている」

 ウーンと絶句しました。「近所に踏み切りがあるが、私が通る時だけ、あわてて遮断機が降りる。公安の嫌がらせだ」「私が外出するとアパートの向かいの人が必ず顔を出す。公安に頼まれて監視してるのだ」…と。
 「そこまで公安はヒマじゃないよ」と言いたいのをこらえて私は話を聞いてます。「これは、『公安の冤罪』だよ」とも思いました。何でもかんでも公安のせいにされちゃ、公安もかわいそうだと。公安に同情したくもなりました。じゃ、今度は『公安警察の冤罪』を書こうかな、とも思いました。
 でも、困ってる人にそんなことは言えません。少なくとも私の読者です。だから真剣に聞いてます。「あっ、鈴木さんも私のことを病気だって思ってるでしょう」「妄想だと思ってるでしょう」と言われます。ギクッとしながらも、「そんなことはありません」と必死に否定します。

 何百人という人から手紙をもらい、FAX、電話をもらいました。「いちいち聞いてたら仕事にならないな」と思いながら。゛ても、自分の知る限りのことを話し、相談に乗りました。その証拠に、「専門家」に紹介して「解決」したこともあります。
 「そんなに言うんなら、公安のプロを紹介しますから」と言って北芝健さんを紹介したのです。相手の電話を聞き、その上で、「こんな相談があったけど北芝さんの電話を教えていいか?」と聞き、紹介してやったのです。北芝さんは元公安です。考え方は全然違います。僕は「公安をなくせ」と言ってますが、北芝さんは「公安は必要だ。もっと増やせ」と言ってます。『公安化するニッポン=実はあなたも狙われている』(WAVE出版)では、激突対談をしました。
 でも、とてもいい人です。信頼できます。何人かの人の相談に乗ってくれました。又、驚いたことに、実際に会って話を聞いてくれた人もいます。僕だって、そこまではやりません。凄い人だ。テレビにはよく出てるし、あんなに忙しいのに…。申し訳ない。この人には一生頭が上がらないと思いました。

元公安の北芝健さん(右)と

 北芝さんとも話し合いました。なぜ、こういうことで悩んでる人が多いのだろうと。単に、「思い込み」「妄想」と決めつけていいのか…と。
 そんな時、不思議な本に出会いました。古牧和都の『集団ストーカー』(晋遊舎ブラック新書)という本です。本の表紙もブラックです。知らない人から送られてきました。やはり、「集団ストーカー」の被害にあった人です。
 この本の帯にはこう書かれています。

〈妄想か? 現実か?
 謎の集団に監視されている人々の恐怖〉

 でも、決してトンデモ本ではありません。真面目に「謎の集団」を追究します。それに、書いた人は「盗聴発見業者」です。「盗聴されてる」「調べてくれ」と言われれば、仕事として飛んで行きます。妄想のこともありますが、実際に盗聴器が発見されることもあります。だから、全てが「妄想」「病気」ではありません。その所をキチンと押えて書いてます。これは実にいい本です。本の見開きの所にはこう書かれています。

〈「誰かが私を監視している」「近所の人々が私に嫌がらせをしてくる」「会社が工作員を雇って私をリストラしようとしている」「○○という宗教団体から狙われている」「警察から狙われている」「人工衛星で居所を監視されている」…。
 近年、インターネットを中心に広まりつつある謎の集団によるストーキングの被害報告。この被害の正体を追い続けてきた盗聴発見業者が見た真実とは?〉

 「一般の人「普通の人」を集団で尾行したり、盗聴したり、嫌がらせをしたり…。そういう「謎の集団」を「集団ストーカー」と言うのだそうです。ネットを見たら、ありました、ありました。「集団ストーカー」の被害者のサイトが。「鈴木邦男なら何かを知ってるはずだ」「“心を読む機械”についても知ってたし」という人もいました。申し訳ありませんでした。期待に応えられずに。でも、やっと分かったのです!その〈正体〉が!その謎が!

(2)これだけ、盗聴器は仕掛けられている!

古牧和都『集団ストーカー』(晋遊舎)

 ここに興味深い記事があります。「あなたも盗聴されている!?」という記事です。産経新聞の9月19日に載ったものです。最近、多いんですね。たとえば日航のスチュワーデスが4年間も盗聴されていた。犯人は日航の機長だった。「彼女の気持ちを知りたかった」と言う。又、一人暮らしの女子大生、鈴木あゆみさん(仮名・21才)の実例も紹介されている。自宅で友人6人とクリスマスパーティを開いた。次の日、買物に行くと、昨夜の男がいる。「いやー、偶然ですね」。外出先でなぜか頻繁に会う。旅行に行ったら、同じ車輌に乗っている。「いやー、偶然ですね」と男は言う。ゾッとした。そんなに偶然が続くわけはない。業者に調べてもらったら、盗聴器があった。クリスマスパーティのプレゼントの中にあったのだ。その男がくれたプレゼントだ。これで全てが分かった。

 盗聴器は秋葉原やネットで簡単に買える。そして、プレゼントの中、ボールペンの中、パソコンのマウスの中…と、どこにでも隠せる。年間30万個以上が販売されているというが、実際にはこんなものではない。10倍は売れている。中国やアジア各国でも「盗聴被害」は多発している。全て、器械は日本製だ。こんな形でアジアを再び侵略している。それらを含め、年間300万個は売られている。「集団ストーカー」の被害を訴えている人も300万。数が合う。又、先の戦争で亡くなった人も300万。あの戦争で怨みをのんで死んだ人の数と一致する。怨念の300万だ。

 さて、産経に出ていたが…。NPO法人「日本情報安全管理協会」の佐藤健次事務局長の話だ。その協会は頼まれて個人宅で盗聴捜査したのは1434件。昨年一年間でだ。そのうち盗聴器発見は44個。設置場所はコンセント内、コンセントタップ、延長コードなどで60%以上を占めたという。
 これは家に出入りしていた友人、元カレ、元カノ、元亭主、元女房…などが仕掛けたのだ。さらに、友人にもらったプレゼントを持って帰ったら、そこに入っていた。そんな例が多い。大体、嫌いな男でも、プレゼントはもらってくるという女のさもしい根性もいやだ。そんなものはすぐに捨てろよ。
 ここで気がついたことがある。1年で1434件を調べた。実際あったのは44個だ。1割に満たない。でも、「これだけ発見されたのか」という驚き。もう一つは、「9割以上は妄想だったのか」という驚き。
 だって、発見する方はプロだ。必ず見つけられる。それでも本当にあったのは5%ほどだ。でも、10%でも5%でも、あったことは〈事実〉だ。産経では、リードの部分でこう書いている。

「身の回りに不可解なことが頻発しているあなた、盗聴器を疑ってみては…」

「ガサ入れ」の公安(1982年 一水会を)

 いかんなー、こういう書き方は。世の「集団ストーカー」被害者に〈確信〉 を与えることになる。ほら見ろ、産経だってこう書いている。私は盗聴されてる。尾行されてる…と。
 「昨年で1434件」を調べたというが、他にも調べている所はある。『集団ストーカー』の著者のような発見業者。さらに探偵社、そして警備会社。それらを合わせると、年間何十万件だ。
 そのうち、警備会社に相談する人が多い。名が通ってる会社なら安心だと思うのだ。無名の探偵などでは、「敵から買収されて嘘の報告書を出すかもしれない」「見つけても、なかったと言うかもしれない」…と不安なのだ。
 総合警備保障の広報係の人が産経でこう答えている。「以前の住人が仕掛けていったり、以前の住人目当てで誰かが設置していたりするケースもある」という。「盗聴器こみ」で部屋を借りることになる。そうなると、新しい部屋に移る時は、「まず盗聴器がないかどうか」を調べなくてはならない。総合警備では、不安を持つ人のために「盗聴器探索サービス」(2万9000円〜9万2400円)をスタートさせたという。まあ、10万円位かかるということだ。利用者の約8割が女性だという。

 だから、不安を持つ人は10万円を出して、安心できる会社に頼むことだ。それでスッキリする。でも、それでも安心できない人もいる。

(3)UFOの陰謀。公安の陰謀

『公安警察の手口』から

 又、話は変わる。UFOの話だ。目撃した人、UFOにさらわれた人。いろんな本を読んだ。宇宙人は高い知能を持ち、この地球人と仲良くしたいと思っている。又、温暖化をはじめ地球の危機を訴えにきている、という。「いつまで戦争をしてるんだ。愚か者め!」とメッセージを与える為に来ている。
 「でも」と私は思った。そんな素晴らしいメッセージを伝えるのなら、それにふさわしい人を選んだらいいだろう。なぜ、変な人ばかり選ぶのか。周りの人からも、「おかしいよ」「病気じゃないの」と相手にされないような人を選んで、宇宙人はメッセージを託すのか。それが、謎だった。アメリカ大統領とか日本の首相とか、そういう人を相手に語りかけたらいい。
 そう思っていた。しかし、本当は語りかけていたんだ。でも、その人達は聞かない。あるいは恐くなって、ヤケでイラク戦争をしかけたり、ヤケで政権を投げ出したりした。それに、裏で支える賢い集団がいる。宇宙人のことは隠さなくてはならない。その為には逆に「情報」を(真偽まぜて)ドッと出したのだ。国家の秘密エージェントが画策して、「変な人」達にUFOを実際に見せた。この人を実際に拉致して。この人達なら、いくら言っても、「こいつが言うのなら嘘だろう」と一般の人は思う。それでUFOの〈真実〉は隠された。アメリカ政府だけが真相を独占している。
 同じことが日本の300万の「集団ストーカー被害者」についても言える。又、古牧和都は個別の盗聴者はいるが、「集団ストーカー」はいないという。私はちょっと違うと思う。「これも公安」「あれも公安」…と言い出す人が出るのは困る。「公安の冤罪」だと私は思っていた。しかし違うんだな。そう思われた方がいい。よく、警察がバックアップして、TVや新聞でやっているでしょう。「過激派が近くにいる」という真偽ふくめて「情報」がドッと出ることはいいことなんだ。公安にとっても。隣人が信じられない。友人も信じられん。元カレが盗聴している。公安だって盗聴している…と。

『公安化するニッポン』(WAVE出版)

 そうなると、最後は「頼りになるのは警察」ということになる。そうなるように「演出」してるのだ。300万の「集団ストーカー被害者」のほとんどはナーバスになっている。 心優しい人々だろう。妄想もあるだろう。しかし、少なくとも1割近くは「本当」だ。周りの人間が盗聴器をつけている。あとは9割の人間だ。 そのうちの何人かに、ちょこちょこと公安は「悪さ」をしている。「工作」をしている。実際に盗聴し、わざと雑音をたてる。尾行して、わざと気づかせる。 なんせ、そうした専門の専従員がいるのだ。不安で不安でたまらない人達をちょっとつついてみる。「やっぱり!」と思う。それなんだ。公安にしたら、労少なくして、 多大な効果を上げられる。

 では、被害者はどうするかだ。10万円出して警備会社に頼む。それでも発見できない人、10万円の金がない人。その人は、あきらめるんですな。盗聴、尾行されてもいい、と居直るんですよ。いくらでも悪口を言ってくれ。それだけ私は注目されてるんだ、と思えばいい。
 キリストだって、お釈迦様だって、初めは「妄想だ」「病気だ」「気がふれた」と言われた。この地球を救った「ターミネーター」も、地球人には「そんな話は妄想だろう」と思われて精神病院に入れられた。

(4)やはり、国家規模の謀略なのです

『公安警察の手口』(ちくま新書)

 だから、言っても分かんない人には言わないことだ。相談することによって、かえって友人を失う。(私を見てみろ!そうだ)。被害を言うことによって、かえって、「妄想だ」「病気」だと言われる。(私もそうだ)。だから言わない。言うとしても、「小説」にする。「演劇」にする。人々に伝わる〈文学〉にする。それしかない。
 一般の人々に「伝わる言葉」を探し、それで書くということだ。その「伝わる言葉」があったのでキリストも、お釈迦様も認められ、〈言葉〉が伝わったのだ。その言葉がなかったら、彼らも「集団ストーカー被害者」で終わった。
 その為にも本を読みなさい。TV、新聞、ネット、メールなんか捨てなさい。隣りの人の言葉に耳を貸さず、三島由紀夫を読みなさい。西郷隆盛を読みなさい。吉田松陰を読みなさい。司馬遼太郎、吉村昭でもいい。本を読み、そんな人達に訴え、問うたらいい。必ず答えてくれます。そういう魂のレベルの高い人達と毎日、会話をしたらいい。

 くれぐれも、「私は盗聴されている」「尾行されている」と周りの人に言わないことです。私のように、実際にされている「尾行され歴40年」の人間が言うのですから信じて下さい。放っておくんです。そして、「分かる人」にだけ言って相談するんです。苦しくても他人に言わないことです。何気なく、「盗聴されてるよ」「尾行されてるよ」と電話で言うのもダメです。それを警察は本当に盗聴していて、あろうことか、「こいつはヤク中だ!」と逮捕に来るからです。
 何も、理由もなく怖がらせているのではありません。深見填さんの『こどものためのドラッグ大全』(理論社)にこんなことが書かれてました。

〈ある覚醒剤の常用者が、「自宅の電話が警察に盗聴されているようだ。妄想じゃないんだ。どうしたらいいだろう」と相談してきたことがある。ぼくは困ってしまった。
 というのも、違法なドラッグを使用している疑いのある人間を、警察や厚生労働省の麻薬取締官がこっそり調べること(これを「内偵」という)はおおいにありうるからだ。盗聴をすることも、じっさいにある。
 「ほんとうに盗聴されているのか、それとも、それがきみの妄想なのか、ぼくには判断がつかない。不安なら、きっぱり覚醒剤をやめるべきだ」。そうアドバイスするしかぼくにはなかった〉

公安調査庁のトップと対決した

 これは、子供用に書かれた本です。でも、これだけ詳しく書かれたドラッグの本は、初めてでしょう。評判になり、売れてます。そして、ここに、〈ヒント〉が隠されています。
 「麻薬をやってるらしい」と思う人間を警察や麻薬Gメンは内偵します。「らしい」とはどんな人間でしょう。挙動がおかしい。すぐに暴れる。目付きが変…。それと同時に、「盗聴されている」「尾行されている」と口走っている人間です。ただの妄想かもしれない。あるいは誰かのプレゼントの中に盗聴器が入ってるかもしれない。あるいは、本当に尾行されてるかもしれない。
 しかし、警察は、この人達全てを、「ドラッグの使用者」かもしれないと思うのです。だから、本当に盗聴します。

 分かりましたか。「集団ストーカー」の実体は「彼ら」です。「謎の集団」は彼らです。警察や麻薬Gメン、さらには公安もやっています。300万人の「集団ストーカー被害者」を混乱させ、あぶり出す為です。そして、「信じられるのは警察だけ」と人々に思わせる為です。
 だから、どうしても不安なら、信用できる警備会社に10万円を払って、調べてもらったらいいでしょう。それでなかったら、ないのです。ただ、「彼ら」は電話局を使ってやりますから、防ぎようはありません。黙って耐えたらいいのです。しばらくしたら、「彼ら」も諦めます。

 そう、〈過激派〉と〈ドラッグ中毒・売人〉をあぶり出す為に、やられている秘密プロジェクトなのです。そのために300万の、罪のない人々を盗聴し、尾行し、混乱させているのです。

【だいありー】

(1)前に紹介しましたが、北朝鮮の元工作員・安明進さんに判決が下りました。懲役4年6月だ。アジア各国では覚醒剤は罪がやたら重い。売るとなると即、死刑の国も多い。安明進さんは自ら使用し、さらに売ったという。だったらこんな軽いはずはない。やはり、「国の仕事」として北の麻薬ルートを探っていた。その過程で警察に捕まってしまった。国策捜査だ。仕方なく判決を出した。2年ほどで出るだろう。

(2)10月6日、革命家・外山恒一氏に鹿児島地裁の判決が出た。求刑の8倍で、罰金12万円だ。バイクのスピード違反で逮捕し、1ヶ月も勾留した。さらにこの判決だ。実は参院選で熊本に鈴木邦男を擁立しようと画策。それを潰すために国策逮捕したらしい。

(3)10月8日(月)原稿。

(4)10月9日(火)元・過激派の中川文人氏と謀議。夜7時、一水会フォーラム。蓮池透さんが講師で、「二つの国の狭間で翻弄される家族達」。
 感動的な話だった。超満員だった。拉致事件、それに救援運動について詳しく語ってくれた。蓮池さんに会うのは3回目だが、いつも話が論理的だ。有田芳生さんも聞きに来ていた。『I LOVE 過激派』を書いた早見慶子さんも来ていた。この日も綿の服だ。「チェーンは?」と言ったら、「今日は雨もようだから傘にしました」。

(5)10月10日(水)ジャナ専は今日は学校の行事で休み。2時半、「シネカノン有楽町2丁目」内覧、レセプション。集まった人が多過ぎて、急遽、会場を増やしていた。井筒和幸監督と会って話をした。

(6)10月11日(木)昼、打ち合わせ。午後3時から河合塾コスモ。「現代文要約」。5時からの「基礎教養ゼミ」では早見慶子さんの『I LOVE 過激派』(彩流社)をテキストにして皆で読み、勉強した。

(7)10月12日(金)「週刊金曜日」発売。佐高信さんと私の対談が載っている。「右翼も左翼も西郷隆盛が好きなわけ」。2時から憲政会館。浅沼稲次郎・社会党委員長が右翼の少年に刺殺されて47年になる。「9条改憲反対。故浅沼稲次郎追悼10.12集会」。
 夜6時半から横浜市西公会堂。ベアラ・シロタ・ゴードンさんの講演会。「九条科学者の会かながわ」主催。ベアラさんは憲法24条を作った人だ。今年4月、ニューヨークで一緒にシンポジウムに出た。その時、「日本で昔、憲法24条の歌があったって聞いたけど、鈴木さん知らない?」と聞かれた。ウーン、聞いたような気がするな。それで多方面に聞いて、半年かけて、やっと分かった。ネットで取り寄せて、あげた。喜んでいた。

(8)10月13日(土)3時、日本青年館。「青年思想研究会・物故者を偲ぶ会」。

【お知らせ】

(1)10月20日(土)ロフト。前田日明さんのイベント。私も出ます。

(2)10月27日(土)一水会・岐阜レコン読者の集い。
 同じ日、午後7時から早見慶子さんの「ILOVE 過激派」の出版記念会があります。新宿の「東京ベリーニカフェ歌舞伎町店」です。会費は7000円。私は両方に参加しようと思います。無理かな。

(3)11月2日(金)ネーキッドロフト。外山恒一氏のイベント。外山氏は罰金8万円の判決が下ったんですね。控訴するそうです。

(4)11月20日(火)池袋ジュンク堂でトーク。『ILOVE 過激派』の早見慶子さん、それに『憂国論』の木村三浩氏。私も付録で出ます。

(5)11月24日(土)三島由紀夫・森田必勝両烈士追悼の「野分祭」。午後2時より高田馬場のホテルサンルートで。第1部は追悼祭。第2部は記念講演。元楯の会五期生・山口良男氏が講演し、「わが青春の楯の会----三島由紀夫・思想の根源」です。

(6)11月25日(日)日本にルーブル美術館やMOMAのような巨大な美術館を作ろうというプロジェクトが進められ、その一環として、 「芸術立国。皇居美術館の提案」という衝撃的 シンポジウムが行われます。御厨貴さん(東大教授)、原武史さん(作家)、そして私がパネラーです。

(7)12月12日(水)一水会フォーラム。大下英治さん(作家)です。

(8)12月10日(月)7:00p.m.「阿佐ケ谷ロフト」オープニング月間で、この日は私が出ます。

(9)1月5日(土)深夜、12時30分より、新宿テアトル。若松孝二監督、森達也監督、雨宮処凛さんと私でトーク。3月下旬に封切られる若松監督の「実録・連合赤軍」を前にして、監督の以前の作品上映とトークが行われる。その一環として我々のトークもあります。

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