Print this Post Article Lists Back

韓日合作『焼肉ドラゴン』が朝日舞台芸術賞グランプリ

写真提供=新国立劇場
 韓国の「芸術の殿堂」と日本の新国立劇場が共同制作した演劇『焼肉ドラゴン』(鄭義信〈チョン・ウィシン〉作、鄭義信・梁正雄〈ヤン・ジョンウン〉共同演出)が日本の朝日舞台芸術賞(朝日新聞社主催)でグランプリに輝いた。

 40年前の大阪で焼肉屋を営む在日韓国人一家を描いた『焼肉ドラゴン』は、日本において「在日韓国人の昭和史を描いており、普遍的でリリカル(叙情的)」と好評を博した。現実的なストーリーが極めて演劇的な形式で展開される中、登場人物の感情の波が激しく渦巻く。この作品の脚本を手掛けた在日韓国人作家の鄭義信は、「両国とわたし自身との距離について書いた戯曲。わたしはどちらの国も祖国だと確信できない。捨てられた民でありマイノリティーだ」と話している。

 韓国でも『焼肉ドラゴン』に多くの観客が涙した。立ち退くことになった家族が別れていくとき桜が舞い散るシーンや、シン・チョルジン演じる龍吉(ヨンギル)がリヤカーにコ・スヒ演じる妻の英順(ヨンスン)を乗せ、ゆっくりと坂道を上るとき、死んだ息子の時生が屋根の上から二人を見送るシーンに胸が締め付けられる。

 なお、『焼肉ドラゴン』は韓国演劇評論家協会が選ぶ今年の演劇ベスト3にも入っている。韓日共同制作の演劇が朝日舞台芸術賞グランプリを受賞したのは、2002年の『その河をこえて、五月』に続き2回目。贈呈式は来年1月30日に行われる。

朴敦圭(パク・トンギュ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る