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2008年12月27日

 金沢と富山で何が違うかといって、タクシーの乗り方ほど違うものはない。金沢で当たり前の流しのタクシーが、富山では走っていない。駅前や繁華街のタクシー乗り場まで行くか、呼び出すしかない

隣県同士でこれほど違うのも珍しいが、現在のタクシー事情で話題になっているのは、こうした地域間の違いではない。規制緩和で同一地区でも乗車料金が多様になっているのに、利用者が安いタクシーを選べないことの解消が問題なのである

例えば、流しのタクシーをつかまえる時に安い車が必ず来るわけではない。乗り場に並んでも、自分の前に安いタクシーが来るとは限らない。安い車が来るまでやり過ごす人もいるが、気の弱い者はそれもできない

政府の規制改革会議が先日開かれた。タクシー台数が増えて経営者も運転手さんも四苦八苦。そこで再び新規参入や増車規制を強化しろの声が出始めたのだが、料金別のタクシーの列ができればいい、などの意見もあったという

業界の混乱を整理する論議は必要かもしれないが、規制緩和のメリットが、利用者に届くようにするのが先だろう。


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