熊本市の12月定例議会は22日、9月議会から継続審議になっていた市提案の男女共同参画推進条例について、自民とくまもと未来の議員5人が、条文の文言を修正する動議を提出した。市民連合と共産が「理念を骨抜きにし、十分な論議もせずに数で押し切っている」と反発したが、自民、くまもと未来、公明の賛成多数で可決した。修正条例が来年4月に施行される。
修正は、第3条で掲げていた六つの基本理念のうち「性別による固定的な役割分担に基づく制度や慣行が、男女の自由な選択を狭めないようにする」「男女が対等な関係の下、互いの性について理解を深め、尊重し合う」など3項目を削除するなど、文言を大幅に削除、修正した。
提案者の落水清弘議員(自民)は「男女の役割分担意識はそれぞれで違い、行政が規制すべきでない」と削除の理由を説明し、採決を求めた。原亨議員(同)は質疑の中で「男はたくましく、女はやさしくというのは種の保存が前提にあり、社会的に勝手に作られたものではない」などと述べた。
幸山政史市長は「提案条例が可決されなかったのは残念だが、現状認識に大きな違いはないと思うので、(共同参画の理念が)後退することがないよう取り組みを進めたい」と話した。【結城かほる】
毎日新聞 2008年12月23日 地方版